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ブラック企業の元社員ののんびり田舎生活~けどテイムしたモンスターが特殊でのんびりできねぇ!?~  作者: ドラゴロイド


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第54話 シラユキの力・もう1人の親友登場!!

シラユキのテイムが完了した訳だが・・・このまま帰るよりはシラユキの力を確認したほうがいいかもしれないな。




「今から、一度だけ戦闘するけどやれるか?」


ワンワン!!


「力強い返事だな。じゃあ行くか」




ということでダンジョン探索を開始した。


って言っても、シラユキの強さを確認するだけだから、


確認が取れたらすぐに撤退するけどね。




ただ・・・この子も戦闘狂な感じがするんだよな。


今も尻尾を振りながら先頭を歩いている。


敵が見つかればすぐに駆けそうだな。


うちの子全員戦闘狂はさすがに草も生えない。




と思っていたら、俺たちの目の前にゴブリンが2体現れた。


シラユキはどうするかなと思ったら、俺のほうを一度見た。


どうやら「戦っていい?」という感じで俺を見ている様子。


・・・意外と落ち着いている。この子は見た目以上に大人なのかもしれないな。




「いいぞ。思う存分暴れてこい!!」


ワン!!・・・ワォ~~~~ン!!




と遠吠えをした後、一気にゴブリンに向かって走っていった。


ゴブリンもシラユキに気づいて棍棒を使って殴ろうとしたが、


シラユキはそれを華麗に避けている。


そして、




ガウ!!


ギャッ!?




と一体目を爪で斬り倒した。一瞬爪が赤くなっていたけどスキルなのかな?


倒した後に、後ろからもう一体のゴブリンが肉薄してきた。




「シラユキ!!」


ガァーーーー!!


ヒューーーーパキパキパキ


ガッ・・・・・・


「・・・・マジで?」




そのゴブリンの攻撃をかわした後、なんとシラユキは魔法で凍らせたのだ。


氷魔法・・・って初めて見るし、誰も顕現していないスキルなんだが・・・。




「守るべき秘密がまた増えた気がする」


ワフ?


「とりあえず、よくやったシラユキ」


ワンワン♪




とシラユキを撫でつつ、これを高橋さんに報告するのかぁと考える俺であった。


雷が落ちる可能性大だよな。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




ダンジョンから帰還し、シラユキ用の食用皿や遊び用の道具を買った俺は家に戻ってきた。




「って健太の車があるな」




と俺が車から降りたと同時に出てきた。




「健太」


「戻ったのか優馬」


「あぁ。今日はダンジョン探索休みか?」


「そうだ。お前に話したいことがあってな」


「俺に?」


「詳しくはこいつから」




と健太の車の後部座席のほうから現れたのは・・・。




「よっ!!優馬」


「遥人!?」




細川遥人(ほそかわはると)


俺のもう1人の親友だ。


しかし・・・




「髪染めたなぁ!?・・・似合ってねえぞ」


「だよな!!」


「お前ら・・・」




こいつの顔はどっちかというと不良の下っ端感が強いんだが。




「こいつ今何やっていると思う?」


「何やってるんだ?」


「ダンチューバー企業のマネージャーだってよ」


「マジで!?」




ダンチューバー・・・ダンジョン配信者のことで、それを専門とした企業は存在する。まさか、マネージャーをやっていたとは。




「企業名は?」


「『スパークル・スター』だってよ」


「・・・結構な大企業だよな」


「そうだぜ」




スパークル・スター。通称スパスタ。


登録者数273万人の東城アカネが属している大企業だ。


まさか、親友がこんな大企業にいたとは。




「ブラック企業に勤めていた俺とはえらい違いだな」


「それはご愁傷様って感じだな」


「それで、今日来た理由は何だ?」


「実は・・・お前に話があって来たんだよ」


「話?」




一体何なんだ?




「お前をスカウトしに来たってことだ。ユニモンチャンネルのユウ」


「・・・ヒトチガイデスヨ」


「親友の声が分からないわけないだろう」


「だったら、何で健太も一緒なんだよ?」


「説得を一緒にしてくれって頼まれてな」




俺が内緒にしてほしいことは言っていないなら良かった。


こいつに<テイム>スキルは絶対に言わない。


だって、口が軽いんだもん。




「だとしても、どうしてまた?」


「お前はダンジョン攻略に積極的じゃないんだろ?」


「それは当たり前だ」


「けど、お前の従魔って特殊だろ?そうなると、協会が動く可能性が高いし」


「今は担当の受付嬢さんが止めてくれているけど」


「それがいつまで続くか分からないんだろう?」


「それは・・・」




高橋さんが今は情報を止めてくれているから、協会から圧がくることはないが、


それがいつまで持つか分からないし、高橋さんに迷惑をかけている現状、


どうにかしたいとは考えていた。




「個人勢の配信者は後ろ盾がないからな。協会の対応次第ではお前の身内とかを人質にする可能性だってある」


「そこまでするのか!?」


「今の協会は結構ヤバいって話だぞ」


「・・・」コク




健太も頷いているあたり相当なのかもしれないな。




「だったら、企業に入ることで後ろ盾を作り、協会から守ることができる」


「うん」


「登録者もどんどん伸びているから、ファンを仲間にできるけど、


 それでも限度は絶対ある」


「正直、俺は遥人の意見に賛成かな」


「健太もか?」


「実際、今の協会は結構圧をかけてくることが多くなっている。俺たちのパーティーにも特殊なスキルを持った仲間に圧をかけていたみたいでな」


「それは」


「無理にとは言わないが、お前のこれからを考えるならば所属してもらいたい」


「遥人・・・」


「無理にとは言わねえが、返事が決まったら連絡してくれ」




ということで、健太と遥人は帰っていった。




「みんなを守るため・・・かぁ」




どうしようかなぁ~~~

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