第23話 家族との日常
閑話を挟み、本編に戻ります。
新しくオニキスが家族に加わった波多野家。
その日常の一幕をどうぞご覧ください。
俺、波多野優馬には2体の家族がいる。
1体目はシエル。子供のペガサスだ。見た目は本当にぬいぐるみって感じだが実は結構戦闘狂な一面もあるが、基本は甘えっ子。
風魔法と水魔法を使用することができ、水魔法で俺の農業を手助けしている頼もしい家族だ。
ちなみにメスだ。
ヒンヒン
「おぉ。起きたか。はいミルク」
ヒン♪
本当にミルクが大好物なんだよな。この子の謎なところはただ一つ、どうしてあんな公園にいたのかってことだ。しかも捨て犬ならぬ捨てペガサスなんて絶対にありえないはずなんだよな・・・そのあり得ないことを引いちゃったわけだが。そこは気にしないでおこうかな?
ぽよん
「オニキス。掃除は終わったのか?」
ぽよん!!
「そうか。ありがとな。いつもお前1人に任せて」
ぽよぽよん
「気にしないでってか。お前がそう言うならこれからも任せるよ」
ぽよん♪
俺のところに報告しに来たのが黒いスライムのオニキスだ。
見た目が黒く、スライムの群れから追い出されたところを勧誘しテイムした2体目の家族だ。黒い見た目と裏腹に光魔法が使用でき、スライムの特性である何でも食べてくれるため、我が家の掃除を1体で担っていて頭が上がらないよ。
オニキスはスライムだからか性別は不明だ。
オニキスがいてもう一つ助かっているのが農業だ。
この子は何でも食べてくれるため、畑にいる害虫とかも駆除してくれるのだ。
シエルとオニキスがいれば俺の畑はすごいサイクルで回っている。
植えて3日で実るため、消費が追い付かなくなるんだよな。
実はあの後、果物として苺を試してみたところ、こっちは5日ほどで実が赤くなりめっちゃおいしい苺ができた。
これをシエルとオニキスに上げたら大喜びで、今では野菜より果物を植えていることの方が多いんだよな。苺にブルーベリー、そして桃を植えてみた。
桃は3年待たないといけないのに、シエルの魔法で作った水をやったら1週間で熟した実ができちゃった。
これにはポカーーンとしちゃった。
そんなこんなで、今俺はこの2体のテイムしたモンスターと一緒に暮らしている。毎日が楽しいんだ。ここまで充実した日を迎えることができたのはシエルを見つけたことがきっかけだ。もしかしたら・・・神からの贈り物な~~~んてね。
そんな生活をしつつ、明日は久しぶりにダンジョンに潜る。
モンスターは「体を激しく動かさないと体内の魔力が固まって体調を崩す」ため、ダンジョンで発散してもらう必要があるからだ。
・・・シエルが戦闘狂なのは分かっているが、オニキスはどうなんだろうな。もしオニキスも戦闘狂だったら、俺の負担デカくねと思いながらも、
「明日は久しぶりのダンジョンだからな。早く寝ような」
ヒヒ~~ン♪
ぽよんぽよん
シエルはめっちゃ喜んでいる。オニキスは・・・分からんな?どっちなんだろ?
頼むからオニキスは戦闘狂ではありませんようにと祈りつつ、一緒に寝る俺たちなのであった。




