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回復魔法が使えるようになりました

自分に勝ったら娘をやってもいいの戦いが幕を開いてからユーリスは剣術もその他の授業も真剣に取り組みはじめた。

5年もすれば、家庭教師の先生も慌てる程に賢くなり、剣術の師匠もうなるほどのスキルを身につけたのだけれど、まだパパには勝てていない。

勝ててはいないが惜しいところまでは来ていてパパは焦っているのか、本気で私に結婚は早いと言い聞かせてくるもんだからそりゃ早いよね、と思っていたら、ユーリスを諦めさせる為かどうか知らないけれど、婚約候補を急に家に招くという発表が夕食の際に告げられた。


「はあ?」


もちろん鍛錬のおかげかスッキリと痩せてどこからどう見てもイケメンに成長したユーリスがその端正な顔をこれでもかと歪ませてパパを睨んだ。

この5年、長い時間剣を合わせ続けたおかげか、ユーリスとパパの距離は大分縮まっていて、今やもうタメ口である。

もちろんこれは嬉しいことだ。


「まぁ…いつおこしになるの?」


「5日後だ。準備しておけ。」


「いやだ。約束が違う!」


「違わない。お前は私に勝っていないからな。」


「ぐっ…」


悔しそうにうなだれるユーリスと勝ち誇った感を出しているパパを見てママと目を合わせた。


「まあまあユーリス、候補、と言うだけでまだ決まった訳ではないですから。」


「そうだよ。どんな子なのか気になるなぁ。お友達になれるかな?」


「歳はティナの3つ上だ。仲良くなれるといいな。」


「うん!」


「(絶対に婚約はしないけどティナをがっかりさせるわけにいかないから拒否できないな…)ティナ、考えてみて。僕がいるなら友達なんていらなくないか?」


「いるよ!女の子同士でしかできない話もあるもん。」


何かぶつぶつ言ってたと思ったら急にいい笑顔で言うもんだから間髪入れずに反論したらショックを受けました。みたいな顔されたけど気にしない。


「僕はハルティナさえいれば他人なんてどうでもいいのに…」


この5年でシスコンもまた加速したのだけれど、その理由は私の回復魔法レベルの異常なレベルで説明させて頂きたい。

剣術に真剣に取り組み始めたユーリスの痛々しい生傷を痛いの痛いのとんでけーってやってたら回復魔法が使えるようになったのだが、こんな小さいハルティナが自分のために魔法が使えるようになった!天才だ!とてんやわんやあった後、使えるようになったなら鍛えたいと思ってしまう私により、毎日ユーリスの傷を治していた所、毎日自分の怪我がないか心配してくれてる。ハルティナは本当に自分の事が好きなんだなぁ、と思われてしまったわけである。まあ、間違いではないのだが、気づいた時には既に遅し、ハルティナはこんなに自分を好いてくれている。何としてもハルティナと結婚する!となっているわけである。

乙女ゲームで例えると、毎日ユーリスの所に通うことで1ずつ好感度があがっていたのに気づかなかった。というところだろうか。


「兄様それは困ります。将来この家を継ぐならちゃんと人を気にかけられるようにならないと。」


「ティナ…お前ってやつはなんて賢いんだろう。いい子だな。」


「もう決まったことだ。もう一度言うが準備しておけ。」


「チッ、わかりました。」


どんな子なのだろうか、楽しみだなぁ〜。


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