始まりません。
最初は二話続けてです
最初だけなんで、次話からはゆっくりです。
「おはようキヨ」
話しかけてきたのは、同じ会社に勤める同期の藤井 和平。
「あいよ、おはようカズ。
あのゲームは今日発売だったよな、朝家で見たニュースじゃこの時間からでも百人単位で並んでる奴等がいるらしいぜ。インタビュー受けていた男の話じゃ、仕事前に来てるらしいぞ、俺たちだったら悪・即・斬じゃなくても士道不覚悟で切腹待ったなしだな」
最近人気のVRゲーム。その中でもゲームの世界で、自分の分身となるアバターを操作しダンジョンを攻略したり、その世界の一員として暮らすことが出来るMMORPGの人気は今では飛ぶ鳥を落とす勢いである。
そして、今日より発売される『El Dorado』黄金郷を謳うこのゲームの人気は第一次βテストの際には、募集人数500人に対し、50000人を超える人数が集まったくらいだ。その影響もあってか第二次βテストが行われ、募集人数も10000人までに増加した。
そんなゲームの発売日ってこともあり、朝早くから購入に並ぶ人たちの気持ちもわからない訳でも無いが、生憎と今日は平日だ。その列に並ぶことも出来ないのに、いつもは閑古鳥が鳴くような始発の電車は既に満員。
El Doradoの余波がここまで影響するのかと、愚痴の一つは溢さずにはいられなかった。
「見た見た。キヨの言うとおりだわ、親方には何言っても勝てる気がしないしな、仕方なくでも俺たち社会人はこうして会社に向かっているのに、奴らは行列に参加か~
あの列には如何にもって学生ですって感じの少年少女らもいたよな、全く親の顔も見てみたいぜ」
「やめとけやめとけ。どうせ元ヤンチャしてましたよ~って感じか、両親共働きに付き家では実質独り暮らし、しかし近所に幼馴染いるので寂しくなく所謂リア充です、青春真っ最中ですよって感じですか、コノヤロー!」
二人は今、二人が勤める会社続く道、それも大通りのど真ん中を歩いている。結構朝早い時間ではあるが、誰もいないわけでは無い。周囲の人たちの視線が当然のように刺さってくる。
「お、おいキヨ、落ち着けって、ふった覚えはないが変な振りをして悪かったよ
もう会社に着くんだから、落ち着いてくれって」
「おう、キヨにカズじゃないか。変な奇声が聞こえたから何事かと思ったが、お前らなら納得したわ。
今日も道具や器械積んだら現場行くからな、そのつもりで上がって来いよ」
この人は俺たちの上司にあたる人物で、通称親方。
社長は別にいるが、朝は本社にいるが、すぐ現場か現場事務所に向かい、帰りは直帰する俺たちはほかの社員はもちろん。社長なんざ入社前の面接位でしかあった覚えはない。
「うわーあしがまるでぼうのようだー」
とカズが、
「なんだと!だったらもう現場に行けないじゃないか!親方っ今日はもう休みですよね!」
と続く俺。
「だったら、今までの溜まりに溜まった書類でもやって貰おうか?
こいつぁいつもの現場の倍以上時間がかかるかもしれねぇがな…」
「親方ぁ、今日の現場に胴長は必要かい?」
とカズが、
「バッキャッロー!今日の現場は山に決まってんだろうがぃ!
いつでも出発の準備は出来てますぜい、親方ぁ!」
と続くはもちろん俺。
こうして、社会人の一日が始まっていくのだ。
¥¥¥¥¥
「そういえば、レイの奴は今日休みなんすか?」
レイというのは今年新卒で入社してきた川合玲士のことだ。
「そういや、俺は聞いてねぇな。キヨは聞いてないのか?」
そういや、連絡は来てないがどこかで、
「今朝のインタビュー受けてた男だ…」
「あぁん?
キヨにカズ。今日は現場なしだ。」
「「ウィッス」」
レイが出社したのは退社時間ギリギリだった。
¥¥¥¥¥
「あ、先輩方こんちゃーす!」
如何にも若者ですって感じに気崩した作業着に身を包み、買ってきたものだと分かる電気屋の袋を持ってこっちに駆けてきた。
「オッス、レイ。親方にはこっぴどくやられたようだな~、んで正直になにやってたんだ?」
最初に声を掛けたのは俺。
「親方の説教は聞きなれたCDみたいなもんっすよ!
遅刻の理由はもちろん、El Doradoを買うために並んでたに決まってるじゃないっすか!発売日に並んで買う!これぞゲーマーの醍醐味っすよね!」
笑顔で返してくるレイに対し、カズは違った。
「いや、俺は予約からのコンビニ受け取りだわ。並ぶより確実に手に入るから、こっちの方が楽じゃん?」
因みに、俺もカズと同じ予約からのコンビニ受け取りだ。受け取るのと同時に、その日の晩飯も買えることから便利だと思ってる。レイの気持ちも分からないわけでは無いんだがな。
「先輩たちにはゲーマーの醍醐味って奴がわからんのですよ…」
どこの地域の物言いだよ。
退社時間になり、一人方向の違うレイと別れカズと共にコンビニで受け取り、そのまま解散となった。
家に帰れば、風呂を済ませコンビニ飯で晩御飯を済ませればヘッドギアを付けて『El Dorado』を起動する。
起動と同時に視界は暗点し、ゲームの中に意識が吸い込まれていく感じがした。
こういう感じもVRの醍醐味だよな。
再び意識が覚醒した場所は、丘の上だった。
夕方から始めたというのに、空は青々と晴れ渡り、風が心地いい。
聞いていた話じゃこの世界じゃ体感時間が現実世界とは違い、現実での1時間がこっちでは2時間になるらしい。凄いわーゲームの世界やばいわー。
El Doradoではキャラメイクは無く、現実世界の姿がそのまま投影されるらしい。といっても、さすがに装備は違うらしいな、寝間着に使ってるスウェット姿がそのまま投影されていたら堪ったもんじゃないしな。
「メニュー」
一言呟けばメニューウィンドウが現れた。
______
ステータス
アイテム
スキル
フレンド
ログアウト
______
の欄が現れる、まずはログアウトの存在を確認。
の後で、ステータスだな
______
ネーム ???
レベル 1
¥スキル¥
無し
______
レベルはもちろん最低値だな、スキルもなしっと。名前欄がはてなってことは何らかのイベントが後々でてくるんだろうな
ってことで、とじる には…って閉じたな。ってことは、メニュー…で開いたな。
メニューの開閉は念じるだけで出てくるのな。
改めて周りを見渡しても周りに人がいないということは、今からチュートリアルか?
「おぉ、これはこれは、見るからには異界の者かな。
君はこの世界の勇者になるべくこの世界に現れてくれたのかな?」
「いいえ、違います」
何言ってんだ、この爺は。いきなり現れたと思ったら、湧いてるのか?
「ということは、この世界の敵になると…」
おぉっと~見るからに爺さんの周りに青白いオーラが出てきだしたってことは?
「去れい!」
視界が再び真っ暗になり『ゲームオーバー』の赤文字が浮かび出た。
(ほう。)
¥¥¥¥¥
再び目を覚ました場所は先ほどと同じ場所だったが、青々としていた空は朱く染まり夕暮れとなっていた。
周囲を見渡し誰もいないことを確認する、すると背後から
「おぉ、これはこれは、見るからには異界の者かな。
君はこの世界の勇者になるべくこの世界に現れてくれたのかな?」
ktkr!
「いいえ、違います。」
・
・
・
¥¥¥¥¥
目を覚ますと立っていた場所は断崖に変わり、崖下には形容しがたい黒に染まっていた。
空は暗く、風は冷たい。
あれからひたすらに死にまくった。
丘は無くなり、空が暗くなったのは50回を超えた辺りからだった。
「おぉ、これはこれは、見るからには異界の者かな。
君はこの世界の勇者になるべくこの世界に現れてくれたのかな?」
きたきた~つっぎっはどうなるんですか~?
「違いますけど?」
「ならば、お主に用はない。」
今回は攻撃演出もなく、身体が崩れていく。
あ、これはやばいんでない?
視界が暗転した。
テロン♪
軽快な音と共に無機質なアナウンスが入った。
【条件達成につき[例外存在]の称号を獲得しました。
この称号は着脱不可につき、設定する際には注意してください。
[例外存在]
VIT -90%
STR -90%
INT +100%】
楽しくなってきそうですねぇ
タイトルに偽りなしでしたね
次話からはしっかり始めていきたいです、最初の下りは誰もが思うことだと思うんで省けませんでしたが、後半からはいいんじゃないかって思って薄くなったのはそのせいかも?
¥¥¥¥¥
今後もよろしくお願いいたします。




