こういう世界です
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よう、少年。
こんな場所で何してるんだ?
夕焼けが少年を照らし、少年はその場にたたずんでいる。
後ろから声をかけられる。それに対し振り返ることなく、返事をする。
「見てわかんだろ、黄昏れてんだよ」
別にお前がまだ盛りを迎えてすらないだろうに…
「そういうつもりで言ったわけでも無いんだがな」
乾いた笑いをしながら声の方を向く。が、誰もいなかった。
「まあ、こんな世界にいるんだ。そういうこともあるのかもな」
少年は小さく呟き、元見ていた方に向きなおす。
そこは城壁の上。されど、城壁と呼ぶには内側に守るべき筈の城の姿は無く。どこまでもどこまでも広がる大地には、無数の十字架が刺さっているばかりだった。
「もうあれから、どれくらい経つのだろうか…」
「お迎えに上がりました、我が君。」
再び背後から声をかけられるが、今回は知った声だ
「スネークでいい」
先ほどまでの声と一変し、限界まで低く渋い声をだし返事をする
「一人でふらふらしてないでくれ、この辺りはすっかり平和になったといってもアンタを狙っている人間はまだ五万といるんだ。せめて護衛くらいは連れていてくれ、しっかりしてくれよボス」
声を掛けてきた相手も相手で、ノリよく対応をしてくれる。
「わかっているさ、カズ。
さあ、帰ろう。俺たちのマザーベースに」
少年は振り返ることなく、躊躇うこともなく城壁から飛び降りた。
城壁には既に誰もおらず、最初から誰もいなかったかのようにも思えるほどに静寂な空間を夕日が照らしていた。




