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きらきらほし

柴田と坂田のお話いただきました

【柴田×坂田】


 俺が”叶えて欲しい”と 望もうとも 望まなくとも

 俺の望むことなら、お前はいつもなんでも叶えてくれる


「ただいまー。」


 でも


「お帰りなさい、若」


 どんなに欲しいと望んでも 絶対 くれないものがある


(……いっつもの笑顔…)


 お前しか持ってないものなのに


 じーっと、無言で自分の顔を見つめる俺に、柴田は同じ笑顔で聞いてくる。

「? どうかしましたか?俺の顔になにかついてます?」

「別に。」

 いつもの柴田の笑顔、いつも柴田の声。

 いつもの 俺の 柴田。


 俺の 好き な 柴田。



きらきらほし



 胸に、ぽっかり穴が開いてる気がすると思ったのはいつだったろう。

「…………」

「…………」

「……若」

「…何。」

「どうして今日はそんなに不機嫌なんですか?」

「お前のことが気に食わないから。」

 自室に戻ってから一言も自分と話そうとしない俺にシビレを切らしたのか、柴田が遠慮がちに尋ねてくる。


(…なんで授業中にこいつの夢なんか見るかな…)

 英語の時間に珍しく居眠りをして、夢に見た相手にうんざりする。

 嫌というくらい現実で惹かれているのに、夢の中にまで勝手に出てこないで欲しい。

 自分は本当にこいつでいっぱいなんだと自覚すると同時に、恥ずかしさから八つ当たりしてしまった自分自身がみっともなくって、柴田の顔を直視できない。

 なのに、柴田の笑顔や声を聞いていると、その隣から離れられない。好きで好きで仕方なくって甘えたくなる自分が嫌だ。


「…今日…」

「はい?」

「京助の家泊まる。すぐ出るから仕度しろ。」

「………」

 椅子にわざと行儀悪く座って俯きながら短く伝えるが、柴田からはとくに返答がない。

 こんな些細なことでも胸にちくっとくるのは、きっと俺が

 椅子から降りて、鞄に手を伸ばそうとすると、今まで無言だった柴田が話し掛けてくる。

「…は……」

「え?」

 何を言ったのか聞き取れず聞き返すと、振り返り様に手首と腰を掴まれ、柴田に向かい合わせで抱きしめられてしまった。


「夜は――俺の所に帰ってきてくれますね?」


 どうしてそんなことを言うんだろう

 いつもお前は 俺の余裕をなくしてばかり。


 不意打ちに驚いて心臓をばくばくさせてることなんて知らないだろう?

 俺の唇を触りながら  腰を引き寄せながら


「…嫌だって言ったら?」


 下心なんてこれっぽっちもありません、って笑顔で


「淋しくて淋しくて、死んでしまいます」


(……どうして…)

 俺をお前から離れられなくするんだ


「どうして…俺に帰ってきて欲しいの?」

 柴田の目を見て俺がそう聞くと、柴田は一瞬驚いたように俺を見て、またいつもの笑顔で俺の唇を塞いでくる。

「…ん…っ、んぅ……っぁ…」

 欲しい 欲しい と自分の心が啼くのがわかる。

 こんなに熱い目で見つめるくせに、こんなにもきつく抱きしめてくるくせに。

 どうして言ってくれないんだろう


(……ずるい)

 どうして言わせてくれないんだろう


 好き


(…ずるい……けど、好き…)

 たった一つ 俺が欲しいその一言を、お前は絶対に俺にくれない




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