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第10話 |死の操り人形《デスマリオネット》


 今私達の目の前にあるビルがGrimreaperの本部だという。大体15階建てぐらいで周りのビルと外観に違いはない。ひとつ違うのはそのビルから不気味な魔力が常に流れ出ていることだ。瑞希によるとこれは禁術を使用する時に出る魔力だがこれ程の量が流れ出ているのはおかしいという。私達は最大限の注意を払って進む。まず目指すのは正面の入口。今回の作戦ではまず正面から突入し迎え撃つ幹部達を撃破する。そして最後にDeathを倒し禁術のデータを回収する。大まかに分けるとこんな感じだ。正面の入口までは何事もなくたどり着くことができた。私達は警戒をしながら中へと入る。


 中を見て私達は言葉を失った。そこは見た目こそ普通の会社と変わらないものの中にいたのは人ではなく無数の影だった。「これは......なんなの?」と私はつぶやいた。その隣でうささんが「完成...してたの...?」とつぶやいていた。「うささん。これを知っているの?」と私が聞くと「ええ、少しだけど。」とうささんは答えた。うささんによるとこの影はGrimreaperの禁術によって創り出されたもので術者はDeathや幹部達だという。そして、これの戦闘力は術者に依存するという。話しているうちに影達に気づかれた。一体の戦闘力はそれ程高くないがどれくらいいるのかわからないほどの数でまともに戦っていては終わらない。私は応戦しながらどうすればいいのか考えていた。長い詠唱をしている暇はないし一体ずつ倒しても終わらない。そんな時うささんの声が聞こえてきた。「こいつらは下級のものよ!絶対にこいつらを操っている上位のものがいるわ!」とうささんは言うが見分け方もわからない。だが少し上の階に周りの影よりも大きな魔力を感じた。私は「みんな!上の階よ。上の階に何かいるわ!」と叫んだ。そうして全員で大きな魔力を頼りに上の階に上がっていく。二階、三階と私達は五階まで上がった。そこには明らかに周りの影とは違う姿の生物がいた。人のような姿で二枚の黒い翼と長い槍をもっている。「我が名はベリアル。天界を追放されし堕天使。」とその生物が言葉を発した瞬間私達の背筋が凍った。特別な力がある訳ではなさそうだが少なくとも周りの影達とは格が違うと悟った。「こいつは俺とうさぎでやる。」と祐が言った。「なんで?こいつは周りのやつらとは格が違うのよ?」と私が言うと「そうね。だからこそなんじゃない?」とうささんが言う。「どついうこと?」と私は二人に聞いた。由乃もわからないようで首をかしげている。すると「こいつはどう見ても人じゃない。それに自分で堕天使って言ってるんだよ。悪魔祓いには火を使うだろ?それにうさぎは闇属性で少なくともダメージを与えられないとは思えない。」と祐が答えた。「それなら私にも出来るわ。」と私が言うとうささんに「あなたのイグニスアイは切り札なの。」と制止された。ひとまず私と由乃は下がることにした。


 目の前ではうささん達とベリアルの腹のさぐり合いが続いている。うささんはオスクロランサーを詠唱し終わり待機状態にそして祐はまだ詠唱を続けていた。少しして「アリスに出来ることが俺にできないわけが無い。」と言った。その後「聖なる炎よ我に力を。セイクリッドフレイム!」と叫んだ。その瞬間祐の周りを白い炎が包み込んだ。その炎が収まった後も祐の周りが淡く光っている。「それは...あなたも使えたの?」と私は祐に聞いた。祐は「まあな。おいうさぎ、お前は後ろから援護しろ。」と言って一気にベリアルとの距離を詰める。うささんはベリアルに向かってオスクロランサーを放つ。ベリアルがオスクロランサーを受け止めるのとほぼ同時に祐がベリアルに殴りかかる。両手で祐とうささんの攻撃を受け止めたベリアルは数メートル後ろに押されたが飛ばされる気配はない。そこで祐がベリアルの腹に左手を押し当て「セイクリッドフレイム・ランス!」と叫ぶ。すると白炎がベリアルの腹を貫いた。その瞬間力を弱めたベリアルの肩にオスクロランサーが突き刺さる。ベリアルは床に膝をついたが何かを感じたのか祐はベリアルと距離をとった。嫌な予感が当たりベリアルの姿が変わっていく。皮膚は青黒くなり翼が大きくなりまた、数は四枚となった。ベリアルは立ち上り宙に浮く。そしてベリアルが右手を挙げると足元に大きな魔法陣が描かれその周りを黒い炎が覆った。この魔法陣の中に安全地帯はないと私達は悟った。「こうなった以上私が戦っても問題ないわよね?」と私が言うと祐は「わかった。やっぱりお前には適わねーな。」と言って少し下がった。「汝神聖なる炎よ、我の名において今ここにその力を示せ!セイクリッドフレイム・ネオ」と私が叫ぶと私の体を白く輝く炎が包み込み力が湧き出てくるような感覚を覚える。そして、その炎が背中に集中し六枚の翼となる。二枚で顔を別の二枚で足を隠し残った二枚で羽ばたき宙に浮く。それを見たベリアルは「熾天使...だと...」と言い顔をしかめる。後ろから「あなた...何者なの?」といううささんの声が聞こえたがそれには反応せずに私はベリアルに向かって「あなたを生かしておくわけにはいかない。今ここで熾天使の名においてあなたを滅します。」と言う。そしてベリアルに向かって飛ぶと「熾天使の槍(セラフィムランサー)!」と言い白炎の槍を避ける事は愚か視認することさえ出来ない速度で放った。それがベリアルの腹を貫いたところで私は術を解いた。腹を貫かれたベリアルは姿を保つことさえ出来ずに周りの影達と共にただの影となった。

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