第35話 決戦 後編
どうも、やはり戦闘シーンは書くのが難しいなと初心者Pです。
今回はアッサリ終わります。そういう回です。というか、私には戦闘シーン書くとか無理(´;ω;`)
心の準備をして、お読みください。
それでは、第35話どうぞ~。
第35話 決戦 後編
次の日、俺たちは王都の北門に集まっていた。方位磁石が示す方向が、北門のその先だったからだ。
「皆、準備はいいな」
「問題ない」
「大丈夫です」
「準備万端です!」
ファルド、王子、ツカサの順に返事が来た。3人とも準備は問題ないようだ。それに、覚悟も決まっている。そんな顔をしていた。
俺たちは王子が用意してくれた馬車に乗り込み、サザリーの元へと出発した。
「ファルドさん、そう言えばまだあの事を聞いてなったんですけど……」
「ん?あぁ、あれか。聞きたいか?」
「別にそこまで聞きたいわけじゃないです。ファルドさんにとっても、辛い記憶かもしれないので」
「……そう、長くはない。単純な話さ。俺には婚約者がいた。あいつはよく聞く、幼馴染というやつだった。だが、あいつは結婚する前日に殺された。サザリーによってな。だから、俺は復讐したいんだ。あいつを殺すためだったら、なんだってやる。そう、決めたんだ」
ファルドさんの言う通り単純な話だ。大切な人を殺されたから、復讐したい。心理としては単純だ。だけど、その思いはとても複雑なものだろう。悲しみ、憎しみ、恨み、後悔、色々な感情があったはずだ。俺には想像もつかない。
ただ、1つ言えることはファルドは俺たちの味方だってことだ。たとえどんな理由で俺たちと一緒に戦うことになっても、味方であることに変わりはない。
ファルドの話を聞いてから、馬車での会話はまったくなかった。重い空気とまでは行かなくとも、話しずらい空気だった。全員が下を向いているような、そんな感じだ。
それから2時間後、方位磁石に変化が生まれた。ある場所に近付くと、針がクルクルと回り始めたのだ。ファルドによれば、これは近くにサザリーがいる証拠だと言う。
「ここですか?」
「あぁ、そのはずだ」
「お墓……でしょうか」
「ぼ、ボクってあんまりこういうの得意じゃないんですけど」
「ツカサは女の子だもんな」
「ちょ、それは関係ないでしょ!?」
場所はお墓で、日本の物とは違った西洋風の墓がズラリと並んでいた。しかも、何故かここだけ曇っていて雰囲気が出ている。正直に言って怖い。
それに、この墓地の真ん中には屋敷のようなものが建っている。それがまた怖いこと。
「あのデカい屋敷にサザリーはいるんじゃないか?」
「屋敷?」
「あぁ、あれですね」
「こ、コワッ」
「あれは屋敷ではない。元教会だ」
「え?教会なんですか?」
おかしいな、パッと見屋敷なんだが……。これが教会?だけど、やっぱり何度見ても違うような。
俺はファルドが教会だと言う建物を良く見た。すると、あることに気が付いた。俺が勘違いした理由、そして協会としては致命的な部分。
「そうか!十字架がないのか!」
「あぁ」
「なるほど!」
「た、たしかに」
どうやら王子とツカサも気がついたようだ。教会の屋根を指さして十字架がないと言っている。
まさか、十字架がないだけで教会と屋敷を見間違えるなんて、我ながら恥かしい。だが、それほどまで似ていたのだ。十字架1つで変わってしまうほどにな。
「そんなことはどうでもいい!行くぞ!!」
「あ、ファルドさん。ちょっと待ってくださいよ」
「十字架、ないですね」
「本当だ~」
「ちょ、2人とも行くよ。ファルドさんが先に行ってしまう」
「はい!」
「置いてかないで~」
なんとも緩い感じで敵拠点に突入。ここまでで一番緊張感のないシーンとなった。こんなんで大丈夫か?マジで、死人が出てもおかしくないんだぞ?
俺の心配をよそに、怒りのボルテージが振り切っているファルドが教会の扉を強引に開いた。そして、そのまま中へと入って行ってしまった。
俺たちも遅れて教会の中へと入る。中はどこにでもある教会のそれと同じで、長椅子が沢山並んでいる。
しかし、明かりが一切ないためとても暗い。雲で太陽の光が遮断され、窓からの光りも一切ない。
「ようこそ、私の家へ」
不気味に思いながらも教会の中へ入って行くと、突然サザリーの声が教会内に響き渡った。俺たちは警戒し、周りを見渡す。だが、どこにもサザリーの姿はない。
そんな俺たちを笑うように、サザリーの声が再び聞こえて来た。
「あなた達が来ることは分かっていたわ。だから、プレゼント用意したの。ユウト君は特に気に入ってくれると思うわ」
サザリーがそう言った瞬間、教会全体が揺れ始めた。そして、地面から銀色の騎士が生えて来た。しかも、身長が5mくらいある巨大な騎士だ。
盾と剣もその身長に合わせたものになっているため、騎士がそのままビック○イト的なもので巨大化したかのような見た目だ。
「その子はシルバーナイト。体を硬化させる能力を持っているの。これはユウト君、君対策よ」
「俺対策?どういうことだ!」
「君、他人のスキルや魔法をコピーできるでしょ」
「な、何故それを!?」
「ふふ、私は神を呼ぶのよ?そんなこと、神に聞けばすぐ分かるのよ」
なんてことだ。ここにきて俺の切り札を知られた。いざ決戦となった今、俺は完全に使えない荷物と化したのだ。サザリーに一杯食わされたわけだな。
だが、諦めるわけにはいかない。俺のコピー眼のことがバレても、今までコピーした力があればなんとか……。
「それと、一応言っておくとシルバーナイトの硬化した皮膚はそう簡単には傷つけられない。たとえ、私でもね」
俺の力じゃ無理だと、遠回しに言われている。結局のところ俺は他人の真似をしているに過ぎない。自分で覚えたり、習得したりした力は1つもない。
それを見透かされたかのような一言だった。だけど、その力をコピーすればいい話。硬化の能力をコピーして、自分のものにすれば俺たちに圧倒的アドバンテージが生まれる。
「コピー・オン!行くぞぉぉ!!」
「俺も行くぞ!」
「僕も出る!」
「勇者として引くわけには行きません!」
それぞれがそれぞれの武器を手に走り出す。それに反応したのか、シルバーナイトがゆっくりと剣を振りかぶり俺たち目掛け振り下ろした。
しかし、その動きはあまりにも遅く、避けるのは簡単だった。シルバーナイトの攻撃も、動きも全てが遅い。一歩前へ進むだけでも足を上げ、動かし、下すの作業をゆっくりこなさないと出来ない様子。
これなら勝てるかもしれない。動きが遅ければ攻撃を当てることは簡単。ならば、一点集中で攻撃を重ねれば、もしかしたら硬い皮膚をぶち破れるかもしれない。
「動きが遅い!一点集中でシルバーナイトの皮膚を破ります!」
「分かった!」
「分かりました」
「了解!」
俺はシルバーナイトの正面まで行き、剣を構える。ツカサとの戦いで使ったあの技、《一閃突き・改》で兜を破壊する。
俺は足に力を込め、思い切り跳躍。その後、回転を加えながら剣を突き出した。
「食らえ!《一閃突き・改》!!」
「俺も続く。《蒼破斬》!!」
「あの時目覚めた力!《セイクリッド・フラッシュ》!!」
「ボクも行きます!《ホーリーライト・ソード》!!」
俺の技が兜に当たり、ヒビが入った。次にファルドの技が当たり、そのヒビは大きくなる。王子の力が兜を半壊させ、仕上げにツカサの剣が兜を完全に破壊した。
兜が破壊されたため、露になるシルバーナイトの顔。全員の視線がシルバーナイトの顔面に集中した。
それは、鉄で作ったマネキンのような顔で、例えるならばター○ネーターに出て来たアレのようだ。しかも、その顔にキズは1つも付いていなかった。兜も相当硬かったが、あれほどの攻撃を受けてなおキズ1つ負わないとは思わなかった。
「だから言ったでしょ?それに傷をつけることは出来ない。それに、コピーも出来ないわよ?」
「何!?そ、そんなバカな!俺の力は他人をコピーする力。そんなこと、あり得えない!」
「バカはユウト君、あなたよ。コピーできると言っても、それはただ真似ているだけ。それは君も感じたでしょ?その真似、たとえその人の片腕が機械でも出来るの?無理よね?それはもはや真似の粋じゃない。右腕を変質させているのと同義。つまり、あなたのその能力は相手のスキル外の力はコピーできないのよ!」
確かにサザリーの言う通りだ。腕がサイ○ガンをコピーしようとしても、まず俺の腕にサ○コガンがない。
しかも、それがシルバーナイトの硬化だとするなら、俺に勝ち目はない。コピーできない以上、俺の攻撃は何の役に立たないだろう。俺の今の最強の技は、全てサザリーの力だ。そのサザリーの能力が効かないとなると、もう俺に成す術はない。
「ユウト!お前の力、本当にスキルなら何でもコピーできるのか!」
「え、はい。魔法もできますけど」
「それなら良し!俺の技、しっかり見てろ!!」
そう言ったファルドさんはシルバーナイトの足元まで行くと、あの黒刀でシルバーナイトの足を斬りつけた。
最初は効かないだろと思ったが、良く見ればなんとシルバーナイトの足が切れている。鎧だけでなく、シルバーナイト自身がだ。
「これが《斬鉄剣》だ」
「コピー、しましたよ!」
「よし、これなら行けますね!」
「やった!やる気出てきましたよー!!」
「今度はユウトも来い!行くぜ!《斬鉄剣》!!」
「はい!」
「《セイクリッドランス》!」
「《セイクリッドソード》!」
ファルドの攻撃で希望が生まれ、俺たちに勝てるという気持ちが湧いて来た。これなら勝てる、まだ戦えるという気持ちが。
しかし、それはサザリーによって簡単に崩された。
「あらら~、面倒ね。あなた、死んで?」
「ファルドさん!!後ろーー!!」
「なッ、いつの間に!」
いつの間にかファルドの真後ろまで来ていたサザリーが、ファルド目掛けて細剣を突き刺そうとしていた。その光景が、俺には止まって見えている。まるで、ゲームで選択を迫られているような。
このままファルドが刺されたら、間違いなく死んでしまう。あの位置、心臓を一撃だろう。しかし、俺なら届くかもしれない。サザリーを攻撃してもこの場合意味はない。結局は避けられて終わりだろう。だったら、ここは!
「ファルドさん危ない!!」
「あら?」
「何!?」
俺はファルドを突き飛ばし、刺された。サザリーの剣は俺の右脇腹から入り、左脇の下から出た。それと同時に激痛が俺を襲う。
そして、俺は直感した。スキルなんて使わず、俺の生命としての本能が訴えてくる。心臓を、やられたと。
「ぐふぉあ」
「ユウト!!」
「あら、また邪魔するのね。まぁ、丁度いいわ」
「サザリー!お前ユウトに何を————ぐはぁ!」
口から血があふれ出す。もちろん傷口からもドバドバ出ている。だが、俺の体が動いてくれない。もはや痛みすら感じない。目が閉じてしまう。だが、ここで閉じたらもう二度と開かないような気がして、必死に堪えていた。
すると、サザリーが俺の顔を覗き込んでいるのが見えた。そして、サザリーが左手を俺の顔に伸ばしてきて……
グチュブチッ—————
左目を引きちぎった。
「ふふ、これで私はもっと強くなれる。ありがとね、ユウト君」
その言葉を聞いたと同時に、俺は意識を失った。左目を失い、心臓まで破壊された俺はきっと助からないだろう。
あぁ、勝つって決めたのに……ごめん、皆………。
しかし、おかしなことが今起こっている。それは何か、説明させてもらう。聞きたくないと言われても説明するぞ。
今、俺の目の前にはいかにも女神風の人?がいる。しかも、俺の事をニコニコとした顔で見ている。なんだろう。
いったい俺になにか用があるのだろうか。
俺は意を決して女神?に話仕掛けてみる。
「あの~」
「はい~」
「フローリアだよな?」
「そうですよ~」
どうやら俺は、あの空間に逆戻りしたらしい……これ、笑えばいいの?
グチュブチッ—————
伝わりにくいですね。
次回は女神様との再会ですね。
お楽しみに~。




