おまけ短編集 時事ネタ編 海へ行こうぜ
おまけなので、読まなくても問題はありません。
それでも読んでくださる方は、どうぞ~。
おまけ短編集 時事ネタ編 海へ行こうぜ
「突然だが、海へ行きたい」
馬鹿野郎を含め、ノラ、ミリア、ニアの3人、そして俺が部屋で雑談をしている時にふと出た言葉。その言葉に全員が反応した。
「それはいい考えですよ!さっそく行くですよ!」
と、ノラは目を輝かせながらその場でジャンピング。
「ん、いい考え。準備する」
と、ニアは珍しく乗り気だった。
「海へのルートは俺に任せてください!」
と、相変わらず馬鹿野郎が何んでもやる気を出して……今回はありがたいけど。
そこで、1人だけ明らかにおかしい反応を示した人が……。
「おい、ミリア。そんなガタガタ震えてどうしたんだ?」
「へ!?いや、べ、別になんでもないです」
「何でもないわけないだろ。本当にどうしたんだ?」
「……げないんです」
「え?」
「泳げないんです!!」
衝撃の告白。まさかミリアが泳げない系女子だったとは思ってもみなかった。
だって、ミリアってなんでも出来るパーフェクトな女の子だと思うじゃん。実際、ほとんどのことをこなして来たわけだし?
だが、ミリアの青い顔と震える肩を見れば本当だということが分かる。ここは、優しく声を掛けてやる場面だな。
「海って言っても泳ぐだけじゃないだろ。砂遊びとかもできるし、安心してもいいんじゃないか」
「そう、でしょうか?」
「ミリアちゃんも海行くですよ!」
「行こう?」
ノラとミリアに後押しされ、ミリアは海に行くことを決意した。無理やり連れて行くことはしたくなかったが、2人が説得してくれてよかった。流石に1人で留守番ってのもあれだしな。
ミリアの説得が完了したところで、さっそく海に行く準備を済ませる。その途中に、俺の一言がノラ達を店へと駆り立てた。
「水着って存在するの?俺そういうの知らないんだけど」
「「「ハッ!?」」」
ノラ達は水着を求め、店を探し続ける。世はまさに、大海水浴時代。ありったけの夢を~……っと、これ以上は著作権上俺だけじゃなく私(作者)まで殺されてしまう。やめておこう。
そんなこんなしている間に、海へと到着。ノラ達は水着を無事に購入、俺は海に行けば借りられるらしいと馬鹿野郎に聞いたので準備無し。
ザザザァァァザザザァァァザッパァァァン
海はどこの世界も一緒だな。波があって、それに乗るサファーが居て。そして、デカいイカみたいな化け物を狩る冒険者が居る。うん、変わらな…‥‥くねぇよ!!
なんだあの化け物!?やべぇよ、人喰いそうな見た目にデカさだよ。しかも冒険者が一生懸命戦ってるよ。怖いよ、この海。
「あれ?師匠、何してるんですか?」
「いや、今さっきあそこで巨大なイカとバトルしてるのが見えたから」
「え?そんなの当たり前ですよ。だって、ここは海ですよ?」
「……ごめん、俺海来たの始めてなんだ」
「そうなんですか?でも、これって常識ですよね?」
「え?あぁ……うん」
よくよく思い出してみれば、確かにあの本(第1話を参照)に載っていたような気がする。
えーとたしか、水中には魔物が生息する。特に海などでは巨大な魔物が生息していて、危険度は高い。だが、稀にあまり魔物が生息していない海域があり、そこで魚を獲ったり海水浴を楽しむ。
こんな感じだった気がする。うん、まぁ、魔物の存在する世界で海に何もいないのはおかしいか。
「ほら、着替えますよ」
「あ、あぁ」
「ノラさん達はもう行ってますから。早く!」
「お、おい。押すな押すな」
馬鹿野郎に背中を押され、更衣室らしき場所に連れてこられた。そして、そこには貸し出し用水着というものが置いてあり、金を払えば借りられる。
まぁ、ここは無難に黒でいっか。髪も黒だし、黒好きだし、チャレンジして失敗しらたら嫌だし。
「おい馬鹿野郎。お前は何色にしたんだ」
「俺っすか?俺はこれです!」
「……何だそれ」
「え?知らないんすか?血反吐色です」
「えぇ~」
馬鹿野郎が選んだ水着は赤かった。ただ、普通の赤ではなく、何というか黒みがかった赤っていうのか。例えるならまさに、血が最適だろう。鮮血ではなく、出血してからしばらく経った血だ。
正直趣味が悪い。それよりも、何故そんな色がおいてあるのか俺はそれが知りたい。
「そんなことよりも、早く泳ぎましょうよ~」
「っていうかお前、泳げるの?」
「俺は昔に川なんかで遊んでたんで、あれが広くなっただけなら大丈夫です」
「そっか。じゃあ、溺れても助けないから」
「ちょ、そこは助けてくださいよ~。あ、待って師匠~!」
俺は馬鹿野郎を置いて先に更衣室から出た。海は相変わらず波打っている。サファーがいて、イカがいて、冒険者が戦っている。うん、普通だ。
だが、ノラ達が見当たらない。どうやら、まだ着替えの最中らしい。俺は馬鹿野郎と軽く波に打たれながらノラ達を待った。
「冷たくていいすね~師匠~」
「あぁ、こういうのもいいなぁ~」
「そうですね~」
ザザザァァァザザザァァァザッパァァァン
「それにしてもノラ達遅いなぁ」
「ですね。あ、師匠。もしノラさん達が来たとして、何か言うんですか?」
「は?」
「は、じゃなくて!褒めるとか普通するでしょ!?」
「あぁ、そういうことか。う~ん……」
「え?まさか、褒めたりしないんですか」
「いや、褒めたいのは山々だが、なんて言えばいいのか分からなくてな」
女の子の水着姿って、どうやって褒めるんだ?まったく考えてなかった。どうしよう。これ、下手するとまたノラ&ミリア+ニアのアイアンクローを食らうのでは?
ここはそういう経験が豊富そうな馬鹿野郎にアドバイスを頂くとするか。不本意だが。
「ここはオーソドックスに褒めるべきか?」
「褒め方にもよりますけどね」
「良く似合ってるよ、とか?それとも、君にその色の水着はピッタリだね。とかか?」
「そんな感じです」
「う~ん、後は……嫉妬紛いなことを言うとか?」
「それってどういう?」
「だから、君のその姿を誰にも見せたくない!的な?」
「おぉ!それいいっすね!それだと女の子は案外喜ぶかもしれなっす。ノラさん達はどれがお好みっすか?」
「「「どれもいい!!(ですよ・です)」」」
「うぉ!」
馬鹿野郎が後ろを振り向いて何か言ったと思ったら、突然俺の背後からノラ達の大声が聞こえた。こ、ここは俺のスーパーモテ男テクニック(笑)で褒めちぎるチャンスか?
ノラはピンクよりも赤って感じの水着か。ミリアは青だよな。ニアは水色。うん、分かりやすいね。
「3人とも良く似合ってる。可愛いよ」
「う、嬉しいですよ~」
「ありがとう、ございます」
「ん、ありがと」
デレデレと赤くなった頬を両手で抑えながらクネクネダンスをするノラに、恥かしいのを必死に堪えながら肩を震わせ俯くミリア、真顔だがしっかり顔は赤いニア。
3人とも可愛い。ヤバイ、鼻血が出そうだ。これは日光のせいと誤魔化せるだろうか……。
それから俺たちは海で泳いだり、砂でお城を作ったり(俺が教えた)して楽しんだ。ミリアは泳げないということで、泳ぎの練習をした。最初は怖いのか、俺に抱き着いたまま離れなかったな。うん、役得でした。
途中、馬鹿野郎が飯を買ってくると言って店へ行った。その時は俺はミリアの泳ぎの練習をしていたため、ノラとニアに目が行き届いていなかった。そうするとどうなるか。
「君達こんなとこで何してるの?」
「ねぇ、2人だけならアッチで俺たちと遊ばない?」
「楽しいよ~」
答え、ナンパされます。まぁ、美少女なノラとニアだから仕方のないことだけど?でも、年齢を考えろよ。お前、その年齢の子たちに手を出したら……ね?
だが、助けるのは当たり前。俺はミリアを抱えてノラとニアのところへと急いでいった。
「お兄さん達、俺の子たちに何か用?」
「え?お前誰だよ」
「引っ込んでろ、このモヤシが!」
「そうだそうだ。キモイんだよ!」
うぜぇ、こいつらホントにウザイ。どうしてこういう奴って存在するのだろうか。どこの世界も共通なのは、こういう汚い人間ばかりだ。
「今日は帰ってくれないか。この子たちが怯えてる」
「あ?帰んのはお前だろ!」
「さっさとどっか行けよ!!」
3人馬鹿トリオの中の1人が殴りかかってきた。だが、遅い。なんだこの遅さ。漫画で読んだことのある、「ハエが止まりそうなパンチだ」ってセリフが言いたくなる。
俺は右手でそれを受け止め、軽く気を当てた。とっても軽くだから、気絶まではいかなかった。だが、俺に殴りかかった男はどうやら理解したようだ。ブルブル震えている。
「分かってくれないのなら、多少痛い目を——————」
「すまなかった!俺たちが悪かった!だから、見逃してくれ!!」
男の拳を握り潰そうとしたところで拳を引っ込められた。謝るなら最初から何もするなよ。
男たちが土下座をしてきたので逃がしてやった。また、次やったら右腕一本消し飛ばすとも言っておいたので、2度とこんなことはしないだろう。
「ノラ、ニア、大丈夫か?」
「ユウトのお陰でなんともないですよ!」
「ん、問題ない」
「良かった。じゃあ、遊ぶか!」
「はいですよ!」
「ん!」
その後、ミリアの泳ぎの練習を終わらせ皆で大きな砂の城を作った。途中、ミリアの水魔法が大活躍した。崩れそうな部分をミリアが水魔法で固め、軟かそうなところにも水をかけて固める。ミリアの助けがなければ完成しなかっただろう。
「そういえば、馬鹿野郎が遅いな」
「そうです。まったくかえって来ないですよ」
不思議に思った俺は馬鹿野郎が向かった方向を「ズーム」で見てみた。すると、そこには飯を抱えて女に囲まれる馬鹿野郎の姿が……。
助けるべきが助けなくてもいいか。そんなことを考えていると、馬鹿野郎の口が「タスケテ」と動いたのが分かったので、仕方なく助けた。
そんなことがありながらも、楽しめた。息抜きってのは必要んだな。こんな日々が毎日続けばいいのになぁ。
なんて言ってみたけど、そんなことはあり得ないんだよな。いつかこの日々は崩れ去ってしまう。だから、その日までは……。
返り道で、ノラ達がこんなことを言ってきた。
「また、行きたいですよ!」
「私も、もっと泳ぎがうまくなりたいです」
「楽しかった。行きたい」
「その時は俺も誘ってくださいよ!」
「……そうだな。考えておくよ」
崩れ去るなんて、先のことか。こいつらはそんなこと微塵も考えてなさそうだし……さてと、今度はどこへ行こうかな。
これからも思いついたら書かせていただきます。
本編とは関係ありませんが、それでもいいよという方は次回をお楽しみに~。




