第14話 馬鹿野郎が仲間になりました?
どうも、昨日は「おまけ」「人物紹介」「第13話」を同時に投稿したからストックが切れそうだと初心者Pです。
今回の話は納得できない人もいるかと思います。
が、必要なことなので……。
これからどうなっていくかは今はいいとして、第14話どうぞ~。
第14話 馬鹿野郎が仲間になりました?
「ただいまー」
「あ、ユウトさんおかえりなさい!」
最近慣れてきた宿に入ったらの「ただいま」をすると、いつも通りナタリアちゃんが可愛らしく挨拶してくれた。うん、可愛い。
ナタリアちゃんを存分に愛でたい気持ちを抑え、部屋へと足を進める。念のために言っておくが、奴隷を増やしたので、ツインの部屋を二つとっている。今向かっているのはノラとミリアの部屋だ。
おいそこ、誰がロリコンだ!俺は決してロリコンではない。断じて違うぞ。本当だからな!!
「俺は大人で胸が大きな女性が好みあって、あんな幼児体型の子供を恋愛対象なんかnイタタタタ」
「誰の、体が、幼児体型ですよ?」
「……」
部屋のドアを開けた瞬間に何故か視界が暗くなり、顔面に激しい痛みが走った。
理由は簡単だ。ノラとミリアがその低い身長にも関わらず、俺の顔面を二人同時にアイアンクローをかましてきた。
と、思ったがちゃっかり椅子に乗っているのがチラッと見えた。いつの間に用意したんだ。俺にも見えなかったぞ……。
「痛い、痛いですノラさん、ミリアさん。あれです、幼児体型も良いと思います。とっても、魅力的だとおますよ?貧乳はステータスであり、希少kあぁぁ!!イタタタタ」
「貧乳とか言わないでほしいのですよ!!あれですよ。まだまだ、成長するですよ!」
「……胸、小さいのダメですか?」
おいおい、本当に痛いから。結構痛いから。頭蓋骨が悲鳴を上げてるよ?ヒビ、入ってるよ?
それから二人が満足するまでアイアンクローを食らい続けた俺の頭は、手を放してもらった頃にはもう限界を超えていた。
満足した二人は、そのまま部屋の中へと入っていった。
「痛い……頭が、痛い」
「だ、大丈夫ですか。師匠」
「ううん、大丈夫じゃない。ていうか、お前誰」
倒れた俺に話しかけてきたのは……誰?見た目は騎士、というかどこからどう見ても騎士の人ですね。
騎士の人が手を貸してくれて、俺はヨロヨロと立ち上がり騎士を良く見る。すると、やっと誰か分かった。
「あぁ、お前か。馬鹿野郎」
「昨日会ったばかりじゃないですか。っていうか、馬鹿野郎って呼ぶの止めてもらえないですか師匠」
「お前が師匠と呼ぶのをやめたら、俺もやめてやろう」
「じゃあ、諦めます」
ねぇ、なんでそんなにアッサリ諦められるの?君がやめるだけで俺もやめるんだよ?なのに、まったくやめる気はないのかね。
俺の気持ちに気が付かない騎士の奴は話を続けた。
「それで師匠、お詫びをしたいという話、考えてくれましたか」
「ん?あー……それは、また今度な」
「えぇ!?それじゃあ、困りますよ!」
必死に説得しようとする騎士を余所に、俺はノラとミリアがいる部屋に入る。騎士はそれでも諦めきれないのか、俺のしがみついて離そうとしない。
さて、この騎士が誰だかきっと皆さんはとっくに気が付いているだろう。
そう、ノラを襲ったあの馬鹿野郎だ。
そいつが、実は目が覚めてから何故か俺の強さに惚れたとか言ってきて、弟子(自称)になったのだ。俺からした迷惑でしかないのだが、本人は本気なようで……諦めてくれない。
その時の会話がこれだ。
「師匠ぉぉぉぉ!!」
「うるせぇ!!俺はお前なんかを弟子にする気はない!帰れ!」
「お願いしますよ、師匠ぉぉぉ!」
「だから、俺は師匠じゃねぇって言ってるだろ!帰れ、実家に帰れ!!」
「自分、師匠の強さに惚れたんですよ!その強さ、教えてくださいよぉぉ」
「(ウゼェ)はぁ……もう好きにしろよ。馬鹿野郎」
「はい、そうします!」
「たが!まだ、お前は自称だからな。本当の弟子にはできん!!」
「え!?それはズルいですよ師匠!俺の喜びを返してください!!」
「うるせぇ!!この話はもうお終い!!」
「師匠ぉ~」
はい、以上です。おわかりいただけただろうか。俺としては迷惑なのだが、騎士は諦めずに俺の弟子(自称)になった訳だ。
しかし、この馬鹿野郎はいつまで経っても俺を追い回してくる。朝起きて扉を開けたら奴はいるし、食事も同席、街を歩いている時でさえ俺の右斜め後ろを常に歩いている。正直、うんざりしているのだが強く言えない理由がある。
その理由とは、あいつが目覚めたときに少しだけ話してくれた奴の過去だった。
「俺、実は昔一目惚れした子を守れなかったんです。守ろうと戦ったのに、結局その子に守られて……その子は魔物に殺されました。それからしばらくは魔物を見るたびに【狂戦士】モードに入ってしまい、我を忘れるんです。最近は力の制御もできるようになってきたんですが、そこのノラさんでしたっけ……その子を見たん途端、あの時の記憶が呼び起されてしまいました。ハッキリ言って、とても似てたんです。彼女に……。おそらく、そのせいかと。本当にすいませんでした!!」
奴はそう言って全力て謝ってきた。だが、俺はそう簡単には許せなかった。一歩間違えれば、こいつは俺の大切な物を奪いかねなかったのだ。
俺が許せないと言うと、馬鹿野郎は懐から大金貨1枚を取り出しこう言った。
「今手持ちはそれしかありませんが、俺の実家に来てくれればもっと用意できます。どうか、お詫びをさせてはいただけないでしょうか」
この馬鹿野郎は本物の馬鹿なんですか?一体どこの世界に懐から100万出す人間がいるんだよ!
しかも、今はこれしかないとか、お前は全世界の一般市民を敵に回したぞ。絶対許さねぇからな。このお坊ちゃまが!!
この時はそう思ったが、実際このお金のおかげで新しい装備が買えたのでその辺りはお礼を言っておこう。
だが、コイツの実家に行くとかめんどくさ過ぎて嫌なんだけど。どうしよう。
「ノラーミリアー、ちょっと話があるんだけどいいか?」
「はいですよ」
「……はい」
俺はそんな過去話を振り返りながら部屋の中に入り、ノラとミリアを呼んだ。
馬鹿野郎に実家に行く行かないにしても、そろそろ新しい土地へ入ってみたいと思っていたところだ。ちょうど良いとは言わないが、良い機会だとは思う。
俺はその旨を二人に話し、意見を聞いた。
「私は新しいところに行くのは賛成ですよ。でも、今すぐは無理ですよ?」
「私も同意見です。それに加えて、ご主人様はお世話になった方々にお礼の一つもしていない様子。それでは、あまりにもあんまりではありませんか?」
ノラは概ね賛成で、ミリアは俺の心の弱い部分を的確に抉ってきたけど、まぁ賛成と……。
「分かった。じゃあ、旅には出るが今すぐじゃない。世話になった皆にあいさつ回りをしてからということにしようか」
「大賛成ですよ!」
「……(コクッ」
二人の了承を得られたところで、まずは誰かにお礼をしに行こうかな。
俺はそんなことを考えながら、部屋を出て宿を後にした。
あれ、馬鹿野郎の名前出てきたっけ……。まぁ、いいか。
ということで、いかがだったでしょうか。
今回ちらっと出てきましたが、すぐに消えます。具体的に言えば、第3章からまた出てくるかな?
そんなことはどうでもいい、次回は受付のお姉さん回です。
お楽しみに~。




