な~む~
「さて、ラビ子とウサ太の問題の方は一応解決したから、
後は、シカバーネさん達の御遺体を如何するかと、
盗賊共の扱いを如何するかだな・・・」
「シカバーネさん達の御遺体は、穴を掘って中に入れてあげてから、
前にポキール神父様から教えて頂いた様に、
アンデット化しない様に、塩を掛けて焼いてから埋めてあげれば、
良いんじゃ無いのかな?」
「まあ、多少の手間が掛かるけど、そうした方が良いだろうな、
それで、盗賊共の方は如何する?」
「シュウ様、盗賊には懸賞金が掛かっている場合があるので、
近くの街まで連れて行って警備兵の方に引き渡した方が良いと思います。」
「なる程、ちょうど檻付きの馬車もある事だし、
この中に閉じ込めて街まで運べば良いか・・・
ラビ子は、馬車の操車は出来るのか?」
「はい、お母さんと一緒に食堂で使う食材の買い出しで使っていたので、
問題御座いません」
「そう言えば、ラビ子たちは俺達が相続する形になったけど、
シカバーネさんや、護衛の冒険者の人達が身に付けて居た金目の物や、
装備品の扱いなんかは如何したら良いんだ?」
「盗賊達の分もあるよね」
「はい、そちらの方も第一発見者のシュウ様方の物となります。
盗賊の持ち物も捕まえた人の報酬扱いですね」
「そうなのか、そんじゃ金目の物は埋葬代として頂くとして、
その他の遺品に関しては、遺族に返せたら返してあげるとするかな、
勿論、盗賊共の分は全部ボッシュートだがな!」
「それが良いかもねシュウ兄ィ、
ねぇ、ラビ子ちゃん、シカバーネさんや冒険者の人達の御家族の事って、
何か聞いてるかな?」
「はい、旅の途中でお聞きした分には、
シカバーネさんが経営されていらした奴隷店が、
私達を、この馬車に乗せて向かう予定であった『ピョロリの街』にあるとの事でしたので、
そちらの方に、御家族の方がいらっしゃるのでは無いかと思われます。
また、護衛の冒険者の方々も、そちらの街の冒険者ギルドに所属されていらっしゃったと、
お聞きしたので、ギルドで聞けば何か分かると思います。」
「そんじゃ、シカバーネさん達を荼毘に付したら、
そのピョロリって街に向かうとするか、
ラビ子だけじゃ心配だから、俺も一緒に馬車の御者台に乗ってくけど、
ウサ太は如何する?」
「僕も、お姉ちゃんと一緒が良い」
「そんじゃ、俺達3人で後ろから馬車に乗ってくから、
ケンは、トレウスに乗ってナビで『ピョロリの街』までの先導をしてくれるか?」
「オッケー、シュウ兄ィ」
それから、シュウ達一行は手分けしてシカバーネらの埋葬や、
盗賊共の回収を始めた。
シカバーネや冒険者らが、身に付けて居た金目の物や装備品などを、
ラビ子とウサ太が進めている間、
シュウとケンが盗賊の回収へと向かったところ、
落馬した際の落ち方が悪かったのか、首の骨を折って絶命していた者が一名居たが、
残りの者らは、体のアチラコチラに骨折や打撲は負っていたものの、
命に別状は無さそうだったので全員回収して来ていた。
中には往生際悪く、折れた足を引きずったり、
無事だった両腕で這って逃走を謀ろうとしていた盗賊も居たが、
シュウが、曲がってはイケない方向に曲がっている腕や足をツンツンしたら、
素直に捕縛されるのを了承してくれたのであった。
「さて、シカバーネさん達の埋葬は終わったし、
盗賊共は、手足を縛って檻馬車に詰め込み完了だから、
そろそろ、『ピョロリの街』に向かって出発するか」
「うん、そうだねシュウ兄ィ」
なお、シュウ達が作業を進めていると、
騎手を失って迷走をして居なくなっていた盗賊共の馬達が戻って来たので、
彼らも一緒に街まで連れて行って売却する事とした。




