『ピョロリの街』への到着
明けまして、おめでとう御座います。<(_ _)>
「シュウ兄ィ、あそこに見えて来た街が、
ナビによると『ピョロリの街』みたいだよ」
シュウらが乗った馬車に先行して、亜空トラウスを走らせていたケンが、
街道脇にトラウスの車体を寄せて止めてから、そう告げる
「そうか、そんじゃ街に入る際のやり取りとかもあるだろうから、
ここからは、俺が乗ってる馬車を先行させて行くとするかな、
ラビ子、あの街に向けて馬車を走らせてくれるか?
それからケンは、馬車の後ろからついて来てくれや」
「うん、オッケー」
「はい、分かりました。シュウ様」
「お姉ちゃん、僕たち、他の街に来るなんて初めてだね」
「へ~、ウサ太たちは他の街は初めてなんだ・・・」
「はい、私たち姉弟は生まれも育ちも、
ここからだと東の海に近い街『パルプン』の出身ですから、
精々が近隣の村などに、食堂で使う食材の買い出しに行くぐらいでした。」
「しょくざいの買い出しは、いつもお母さんと、お姉ちゃんで行ってたから、
僕は、街から離れたのは初めてなんだ。」
「コラ!ウサ太、シュウ様にお話ししてるんだから、
初めてなん『だ。』じゃなくて、『です。』でしょ?」
「別に幼いウサ太に敬語を強要する必要は無いぞ、
形式上には、お前達を俺の奴隷って事にしたけど、
実際には保護者替わりってとこだからな、好きに話してくれて構わない」
「シュウ様が、そう言って下さるなら分かりました
弟には、普通に会話をさせて頂く事とします。
ほら、ウサ太も、シュウ様にお礼を申し上げるのよ」
「ありがとう、シュウ様」
「『様』も要らないぞ、俺の事はシュウ、弟はケンで良いぞ」
「うん、分かったよ、シュウ兄ちゃん」
「おう!それでオッケーだ」
「シュウ様、そろそろ街の入り口が見えて参りました。」
「ラビ子も、ホントは普通に呼んだり、
話したりしてくれても構わないんだがな・・・」
「いいえ、シュウ様とケン様方は、
私たち姉弟の恩人ですから、対等な会話をするなんて事は以ての外です。」
「まあ、ラビ子が、その方が良いって言うなら、
それでも良いか・・・」
「そこの馬車と魔導車!その辺で停車をしてくれるか!」
ピョロリの街への入り口が近付いて来ると、
入り口付近で警備に当たっていた兵士が、シュウらに停車を求めて来た。
「ラビ子、馬車を停めてくれ」
「はい、分かりました。」
御者を務めていたラビ子が、馬車を曳いていた馬達に指示を与えて停車をすると、
その後ろから、ゆっくりとトラウスを走らせていたケンも停車した。
「うむ、私の指示に従って停車をしてくれて、ありがとう
見た所、君らは、この街に初めて訪れる面々の様だが、
私の記憶に間違いが無ければ、
その馬車は、この街で奴隷商を営むシカバーネの物と思われるのだが、
如何だろうか?」
言葉遣いは丁寧なものの、兵士の所作には警戒している素振りが見られる
「はい今、兵士さんが仰った様に、
この馬車はシカバーネさんの物で間違い御座いません、
いや、正確にはシカバーネさんの物『だった。』ですかね」
シュウは、兵士に要らぬ刺激を与えぬ様に、
御者台に腰を下ろしたまま、両の手を膝の上へと乗せて返答を返した。
「何!?それは、如何いう事かね?」
「はい、今から、その辺の事情をお話させて頂きますね・・・」
本年も、よろしくお願い申し上げます。(^o^)/




