↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
30/215

オーストリッチ・マウス教団

「でも『アナポー年代記』に、

こうしてゴジュウショク様と辺境伯様の、やり取りが書いてあるなら、

この土地が教会の正当な持ち物だって証明になるんじゃないんですか?」

「でもシュウ兄ィ、この文章じゃ場所の特定が出来ないよね?」


「はい、弟さんが仰(おっしゃ)る通りにアポペン様も、

『この文章だけでは、この場所か分からないだろう。』と仰られて居(お)ります。」

ポキール神父は、ケンの言葉を残念そうな表情をしながら肯定(こうてい)した。


「コウヤサン教会が昔から、この場所に建ってるんだとしたら、

この場所の事を指示(さししめ)しているのに間違い無いだろうにな」

「それはアポペン様も分かってるんだと思うよ」


「はい、アポペン様も、その辺の事は全(すべ)てご承知(しょうち)の上で、

この土地を入手したくて、そう仰られているのだと思われます。」


「そう言う事か・・・

そうすると、この土地を買えるだけのお金が用意出来ても、

アポペン様は売ってくれないんじゃ無いんですかね?」

「あ~、それは、ありそうな話だよね」


「いえ、お金を用立(ようだ)てる事が出来たら、

その辺の心配は必要無いんですよ、

アポペン様が歓楽街の候補地とされている土地は何か所かありまして、

その中で、この土地が唯(ゆいいつ)一タダで手に入れられそうな土地だから、

買い上げる様に要求(ようきゅう)して来ているだけですので、

お金さえ払えば、他の候補地を買い上げて計画を進めるのだと思います。」


「偉大(いだい)な方の子孫(しそん)にしては随分(ずいぶん)とセコイ事を言ってんだな、

そうなると、何とか、ここの土地を買い上げるだけの資金を集めにゃならないんだけど、

神父さん、この土地が幾(いく)らぐらいするのか分からないんですけど、

これだけ歴史が深い教会なら、アナポーの街に信者の人達が大勢(おおぜい)居るんじゃないんですか?

そういう方達からの寄付金(きふきん)は集められないんですかね?」

「これだけ大きな街なんだから、何とかなりそうだよね」


「一昔(ひとむかし)前ならば、それで何とかなったのでしょうが、

今現在では、そうも行かないのですよ・・・」


「何でですか?」

「信者の人が減ってるんですか?」


「はい、弟さんが仰(おっしゃ)る様に当教会の信者の方々が減って居りまして、

一昔前と比べますと一割程度の方々しか残って居られません、

信者の方々からのご寄進(きしん)も、

孤児院(こじいん)の子供たちの食費に当てるのが、やっとの状態なんですよ」


「9割も減ったなんて普通じゃ無いですよね、

何か原因らしい原因があるんですか?」

「原因も無く9割は減らないよね」


「はい、当教会から離れられた信者の方々の殆(ほとん)どの方達は、

アポペン様の側近(そっきん)の方が、この街に新(あら)たに迎(むか)え入れた

『オーストリッチ・マウス教団』へと鞍替(くらが)えされた様です。」


「そっちも、アポペン様絡(さまがら)み何(なん)ですか・・・

それで、その教団は何で、そんなに人気があるんですか?」

「そうだよね、何の理由も無く信仰(しんこう)を変えるなんて無さそうだもんね」


「はい、当教会の信者の方で『オーストリッチ・マウス教団』への勧誘(かんゆう)を受けて、

断(ことわ)った方の話をお聞きしたのですが、

何でも最初は『神父様の話を聞きに来るだけで良いから来てくれ』と誘(さそ)われて付いて行くと、

神父の話が一通り終わった後に、

周囲に紛(まぎ)れ込んでいたサクラらしき者の一人が、

『俺、信者になります!』と言い、

それに続いて他の者が『いや!俺が信者になる!』と申しまして、

それに釣(つ)られたターゲットの方が『じゃあ俺が・・・』と言うと、

『『どうぞ、どうぞ』』って事らしいのですよ」


「ダチョウか!」

「何か催眠商法(さいみんしょうほう)みたいだね」


「そして、入信(にゅうしん)した信者は、

新たに5人の信者を紹介(しょうかい)すると10万ギルが進呈(しんてい)されるそうです。」


「ネズミ講(こう)だろ!」

「どこにでも悪い事を思い付く人は居るんだね」


「そうして居る内に、あれよあれよと言う間に信者の大半(たいはん)の方達が、

あちらの教団へと移ってしまわれた訳(わけ)です。」


「日本でも、知ってて引っかかる人が大勢(おおぜい)居るぐらいなんだから、

純朴(じゅんぼく)な、こちらの世界の人達じゃ、

それこそ一溜(ひとたま)りも無いだろうな・・・」

「そうだね」


「アポペン様は、1千万ギルを払えば、

ここの土地を教会の持ち物と認(みと)めると仰(おっしゃ)られて居(お)りますが、

とてもでは御座(ござ)いませんが、その様な大金を当教会が用意できる筈(はず)も御座いません」


「1千万ギルですか・・・確かに大金ではありますね」


「シュウ兄ィ・・・」


「ああ、そうだな、

陛下は、こういう時の為(ため)に、あの金を俺達に貸してくれたんだよな、

神父さん、その一千万ギルですが俺達が用立(ようだ)てますよ」

「ご遠慮無(えんりょな)く、お使い下さい。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。