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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
21/215

アナポーの街

「はい、領収書りょうしゅうしょ記載内容きさいないようには問題ありません」

シュウは、商業ギルドの職員から受け取った領収書を見て、

金額、売買の内容、商業ギルドの名義めいぎいんに、

あやまりが無い事を確認してから職員に返事を返した。


「ご確認ありがとう御座います。

では最後となりますが、こちらの受取証うけとりしょうに、

サインとハンコしくは拇印ぼいんをご捺印なついんいただけましたら、

今回の、お取引は終了となります。」


「はい・・・これで良いですか?」

シュウは、職員から手渡された書類にサインをしてから、

右手の親指にギルドのカウンターに置かれていたインクを付けて拇印を押した。


「はい、問題は御座ございません、

今回のお取引ありがとう御座いました。

またの当ギルドのご利用をお待ちしてります。」


「ええ、お世話様せわさまでした。」

「失礼します。」

シュウとケンは、今回の取引を担当したギルド職員に声を掛けてから、

『アナポーの街』にある商業ギルドを後にした。


「はぁ~~~

『絶対に使わない宣言せんげん』をしたしたの根もかわかないうちに、

サスケ陛下から、さずかったお金を使っちゃったな~」


「事情があったんだから仕方が無いよシュウ兄ィ

陛下も、こういう時に使う様にって、

僕達に、あのお金を授けて下さったんだろうからさ」


「まあ、それはそうなんだが、

こうも早く使う事になるとは思いもしなかったからヘコむよな~」


「うん、そうだね・・・

まさか僕達が、あんな物を買い上げる事になるとはね・・・」

話は、シュウとケンが『亜空あくうトレウス』に乗って、

『アナポーの街』をおとずれた日へとさかのぼ



「そこの魔導車、停止しなさい」

亜空トレウスに搭載とうさいされたナビの指示しじしたがって、

『アナポーの街』へと到着とうちゃくしたシュウ達兄弟を、

街の出入り口の門にて警備に当たっていた兵士が呼び止めた。


「こんにちは~」

兵士の指示に従って亜空トレウスを停車させたケンが、

運転席から兵士に挨拶あいさつをする


「うむ、アナポーの街へと良く来られたな、

魔導車に乗って来たという事は、コウガ王国からのお客人かな?」


「はい、僕達はコウガ王国で大工だいく修行しゅぎょうをしていたのですが、

他の国の建築物けんちくぶつを見て勉強するためにルクシア共和国を訪れました。」

ケンは、前もってシュウと打ち合わせて置いた内容を兵士へとげる


「それは勉強熱心でたいした事だな、

街へ入るには身分を証明しょうめいする物を提示ていじしてもらわねばならんのだが、

2人とも大工ならば、建築業ギルドのギルドカードでも良いぞ」


「僕達は田舎いなかの村で生まれ育ち、大工の仕事も父から教わっていたもので、

まだ建築業ギルドに登録して無いんですよ、

この街を訪れたのは、この街の建築業ギルドで登録する目的もあるんです。

それと、証明書でしたら、こちらでよろしいでしょうか?」

ケンは、アナポーの街に入る時に必要になるだろうからと、

ラッセン村の村長ヒジガミからもらっていた紹介状しょうかいじょうを、

亜空トレウスのサイドポケットから取り出して兵士に手渡した。


「どれ・・・ほぉ、ラッセン村の村長からの紹介状か、

あそこでれる『下ネタねぎ』は絶品ぜっぴんなんだよな、

良し!紹介状に問題は無い様なので街に入っても良いぞ、

その魔導車は門を入って左手に馬車の駐車場があるから、

そこに停めるようにな、

では、2人とも『アナポーの街』へようこそ!」


「「ありがとう御座います。」」



「さ~て、これからどうするかな?」

「先に建築業ギルドで登録した方が良いのかな?」

駐車場に亜空トレウスを駐車した2人は、

アナポーの街並まちなみをキョロキョロと見回しながら会話をわす。


「しかし、大きな街には石やレンガを使った建物が多いって聞いてたんだが、

この街の建物は木や漆喰しっくいを使った建物が多いよな」

「そうだね、昔の映画なんかで見る、

大正とか昭和の初期頃の街並みに似てるから、

なんなつかしい感じがするよね」


「あんちゃん達、この街は初めてなのか?」


2人が声に振り向くと、

そこには、タヌキの様な耳とシッポを付けた

10歳ぐらいに見える獣人の少年が立っていた。


「ああ、そうなんだが良く分かったな」


「あれだけ、物珍ものめずらしげにキョロキョロしてれば、

オイラみたいな子供にだって分かるさ」


「それも、そうか」

「だね」


「オイラ、この街に住んでるポン太っていうんだけど、

わけがあって、お金をかせがなくちゃならないんだよ、

この街の事ならすみから隅まで知りつくくしているオイラが、

あんちゃん達を案内するからお駄賃だちんをくれないか?」


「俺は良いと思うんだが、ケンはどう思う?」

シュウは、ポン太の表情から人をだます様な事は無いと感じ取り、

本当に何かしらの事情があるのだと考えて、ケンにそうたずねた。


「うん、僕も良いと思うよ」

ケンも、シュウと同意見どういけんの様でコクリとうなずきながら、

そうげた。


「ホントに良いの!?」


「ああ、俺はシュウで、こいつは弟のケンていうんだ

よろしくなポン太」

「宜しくねポン太くん」

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