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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
104/215

俺の足跡(あしあと)

「そんじゃ、今、材料なんかを出すから待ってね」

シュウから、ミケルンにプレゼントする木造細工物の材料として、

魔導リュックから、パヒューム・トレントの素材を、

取り出す様に言われたケンが、そう告げる


「あっ、ケン、お店を散らかしちゃ悪いから、

最初に、床に敷く物を出してくれるか?」


「オッケー、シュウ兄ィ」

ケンは、そう返事を返すと、

魔導リュックから取り出した

幾重にも折り畳まれた布を、シュウへと手渡した。


「おう、サンキュ、ケン」

シュウが、手渡された布を床へと広げると、

少し厚手の綿の様な素材で、畳3畳ほどの大きさの敷物となる


「そんじゃ、この上に出すね」

ケンは、そう言うと、

材料となる、パヒューム・トレントの枝の他、

小振りなサイズのなたや、

大小様々な大きさののみかんなやすりなどを、

敷物の上に並べていった。


「よっしゃ、そんじゃ早速、作業を始めるとするかな」

靴を脱いだシュウが、木屑が付かない様に靴下を脱いでから、

敷物の上へと上がりドッカと腰を下ろすと、

大まかな墨出しをした枝を、小振りな鉈を使って荒削あらけずりし始める


「そんじゃ僕は、後片付けが早く出来る様に掃除をするね」

ケンは、そう言うと魔導リュックから、

片手で持てるサイズで、家庭用の物より箒毛ほうきげが細かい、

ハンディホウキと、木製の塵取ちりとりを取り出して、

敷物の上に落ちた木屑を掃除し始めた。



暫くすると、ラビ子とウサ太の生活必需品などを、

店の奥へと選びに行っていたミケルンらが、

シュウとケンが待つ、店の支払いカウンターへと戻って来る

「お待たせしました~

ラビ子ちゃんと、ウサ太君の生活に必要そうな御品物は、

取り敢えず、私が思い付く限りの物を選びまして、

魔導リュックに、詰め込んで置きましたよ」

「長らく、お待たせいたしまして、

申し訳御座いません、シュウ様、ケン様」

「待たせたな、兄ちゃんたち」


「いや、良い暇潰しを見付けて、やってたから、

全然、退屈なんかしてる暇が無かったんで問題無いぞ」

「うん、アッという間だったよね」

そこには、何かしらの作業をしていたという気配は一切無く、

ミケルン達を見送った時と寸分の違いが無く見える、

シュウとケンが、待ち受けていた。


「良い暇潰し・・・ですか?」

「それにしては、シュウ様も、ケン様も、

何かを、していらしたという雰囲気が御座いませんね?」

「ホントに、何かしてたのか?兄ちゃんたち」


「ええ、ただ、暇潰しでは言葉選びが悪かったですね、

言うなれば・・・そう、

俺が忘れられない為の足跡そくせき作りってヤツかな・・・」


「シュウ兄ィ、その言葉選び自体が変だよ・・・」

「また何か少し、初めてお会いした時みたいに、

おかしくなってますね、シュウさん」

「シュウ様、私達が居なかった間に、

何か悪い物でも召し上がられたのでしょうか?」

「シュウ兄ちゃん、オレたちが居ない間に昼寝でもしてて、

寝惚けてるのか?」


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