パヒュ・トレ
「シュウ様やケン様に大恩のある、私たち姉弟が、
家事などを、お手伝いさせて頂くのは、
当たり前だと思うのですが・・・」
「兄ちゃんたち、オレ、姉ちゃんと店を手伝ってたから、
皿運びとか、皿洗いが得意なんだぜ!」
シュウらの言葉を聞いた
ラビ子とウサ太姉弟が、そう告げる
「いいや、前にも言ったと思うが、
あくまでも、お前たちは奴隷じゃ無くて、旅の仲間なんだから、
労働に対する対価は必要なんだよ、
お前たちが家事を熟してくれる分、
俺やケンは、家具造りや、大工仕事に精が出せるんだからな」
「そうそう、正当な対価だよ」
「分かりました!ありがとう御座います。
私達の出来る事なら、何でも、お手伝いさせて頂きます!」
「まかせてよ!兄ちゃんたち!」
「おう!頼んだぜ!」
「2人とも、よろしくね」
「どうやら、皆様での、お話し合いも終わった様ですし、
ラビ子ちゃんと、ウサ太君の魔導リュックを、
御購入するという事で宜しいですか?」
シュウらの話し合いが済んだ段階で、
ミケルンが、そう尋ねて来た。
「ええ、1個3万ギルぐらいの容量の物で、
2人に、見繕ってあげてくれますか」
「そう言えば、デザインとか、色違いとかもあるんですか?」
「はい、畏まりました。
ええ、最近では女性用に、明るい色使いとか、
子供向けに、可愛くデザインされた品物も増えて来ましたね」
「へ~、そうなのか、
確かに、冒険者が使うんじゃ無ければ、
地味な色やデザインにする必要も無いもんな、
俺達も冒険者って訳じゃ無いんだし、
ラビ子たちの好きな色やデザインの物を選んで良いからな、
それと、ミケルンさん、ラビ子達の日常生活に必要そうな品物も、
少し多めに見繕ってあげて下さい。」
「お願いします。」
「はい、畏まりました。
それじゃ、ラビ子ちゃん、ウサ太君、私について来てくれる?
まず最初に、魔導リュックを選んで貰ってから、
日用品コーナーへと案内するから」
「はい、分かりました。
ありがとう御座います。ミケルンさん」
「サンキュな、ネコの姉ちゃん」
ラビ子とウサ太は、
店員のミケルンの案内で店の奥へと向かって行った。
「なぁケン、確かパヒュ・トレの素材って、
まだ残ってたよな・・・」
ミケルンらが向かうのを見届けたシュウが、
隣のケンに、そう問い掛ける
「パヒュ・トレって、もしかしてパヒューム・トレントの事?
それだったら、暇な時にでも小物に加工しようと思って、
道具と一緒に、僕の魔導リュックの中に幾らか入ってるけど・・・」
パヒューム・トレントとは、以前に大工仕事や家具造りの材料確保の為に、
シュウとケンで、トレント狩りをした際に偶然見つけた
エルダー・トレントの亜種で、その素材からは、
日本の檜にも似たリラクゼーション効果のある、
良い香りを発散しているのであった。
「おお!でかしたぞケン!
そんじゃ、加工道具と一緒に、
直径15センチ、長さ50センチぐらいが取れる枝を出してくれるか!」
「うん、そのぐらいのサイズの素材なら一杯あるから、今、出すけど、
一体全体、こんな所で何を造るの?シュウ兄ィ」
「暫く、この街にも帰れない事だし、
ミケルンさんに、俺の事を忘れられない様に、
記念の品でも造って、プレゼントしようかと思ってな!」




