昔の高級品は、今の量販品の法則。
「シュウ様、ケン様、
長い事、お待たせ致しまして、申し訳御座いませんでした。」
「ごめんな、兄ちゃん達」
シュウ達が、話し込んでいた店のカウンターに、
買い物かごに沢山の衣類を詰め込んだラビ子とウサ太が戻って来た。
「おう!2人とも選び終えたか、
俺達だったら、イジり易いヤツが現われてくれたお蔭で、
全然退屈していなかったから、問題無いぞ」
「ホント、待ち時間を感じなかったね」
「ラビ子ちゃん、ウサ太君、気に行った物が見つかったかしら?」
「ありがとう御座います。ご主人様方
それから、ミケルンさん、
何着か、私とウサ太の服や肌着を選んで来たので見て貰えますか?」
「お願いね、ネコのお姉ちゃん」
「ええ良いわよ、どれどれ・・・」
ミケルンは、ラビ子らが選んで来た服などをカウンターに出して、
品物のチェックを始めた。
「子供服とはいえ、一式を揃えるとなると、
結構、嵩張るもんだな・・・」
その様子を、カウンターから少し離れた場所で眺めていた
シュウが、隣のケンに、そう話し掛ける
「うん、そうだねシュウ兄ィ、
まだ日用品なんかも買わなきゃなんないんだし、
ラビ子ちゃんと、ウサ太君にも、
魔導リュックを買ってあげた方が良いんじゃ無いかな?」
「それもそうだな、部屋着とか普段持ち歩かないもんは、
トレウスの居住空間にあるタンスにでも入れとけば良いけど、
突然の雨なんかに備えて、外套とか、タオルや着替えなんかも、
普段から、魔導リュックに入れて背負わせて置いた方が良いな」
「うん、何しろ、コッチの人達って、
雨の時に、傘を差す習慣が無いものだから、
寒い時期にも結構、ずぶ濡れの状態で過ごしてるらしいからね」
「おう、結構その所為で、
風邪を拗らせたり、肺炎になっちゃう人が少なく無いって聞いたもんな、
良し!2人にも魔導リュックを買うって決めたぞ、
すいませ~ん!ミケルンさん、
2人の服なんかのチェックが終わったら、
ラビ子とウサ太に、1個づつ魔導リュックを選んであげてくれませんか?」
「シュ、シュウ様!?魔導リュックなんて高価な物を、
私とウサ太などに、買って頂く訳には行きません!」
「サンキュ~な、シュウ兄ちゃん」
「こら!ウサ太!」
「フフフ、大丈夫よラビ子ちゃん、
確かに、一昔前までだったら魔導バックなんて超高級品で、
一般の人達には、とてもじゃ無いけど手が出ない代物だったけど、
コウガ王国から、冒険者向けにって、
魔導リュックが量販される様になってからは、
若手の冒険者用に、多少内容量が少なくて、
格安の品物なんかも発売してるのよ」
「えっ!?ホントですか?ミケルンさん」
「ええ、ラビ子ちゃん達が普段使いするぐらいの容量だったら、
3万ギルぐらいで買えるわよ」
「3万ギルですか・・・
確かに、私が思ってたよりは安い金額ですけど、
私やウサ太が、安易に購入出来るって金額では無いですね」
「おい、ラビ子、2つで6万ギルぐらいなら、
俺やケンに取って問題無い金額だけど、
お前が、タダで買って貰うってのが気になるってんなら、
ウサ太と一緒に、家事なんかをして返してくれれば良いんだぞ?」
「そうだよね、特に僕らが苦手の料理をして貰えると、
ホント、大助かりだよね」




