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私のペットは皆何故か凶暴です(仮名)  作者: じゃがいも
まずは味方を作りましょう
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ブレスレットと紫色の小瓶










それから私はチーズにメープルシロップや蜂蜜をかけたりして、存分にフロマージュタイムという物を楽しんだ。










「アヴァンデセールの梨と紅茶のゼリーです。」



ぷるぷるとした赤茶のゼリーの上には、洋梨がのっている。



紅茶のさっぱりとした味に、スッキリ爽やかな洋梨の甘み。

フレーバーティーみたいなさっぱりとした味は、これまでのご飯や濃厚なチーズの口直しに丁度いい甘さ。





ん〜。


んふふ。


良きかな良きかな。




なんて言うか、ちょっとお上品な感じがする。

いい所のお嬢様が食べる、暑い夏の朝食のデザートって感じ。




ひんやりつるんとしたゼリーに、カットされた洋梨は、噛めばシャクシャクじゅわりと洋梨のジューシーな甘さが口いっぱいに広がる。



カクテルグラスに入ったゼリーは数口で終わってしまって、本当に口直しって感じですぐ終わってしまい切ない。



ああ、もっと食べたかった……。

ホールケーキぐらいの大きさで食べたら、少しは私にも、余裕のある素敵なお嬢様感が身に付いたかもしれないのに。




なんて素敵な妄想をしてるうちに次のデザートが運ばれてくる。



おお、さすが格式高めのコース料理。


デザートがいくつかあるのか。




次に運ばれてきたのは、クリームブリュレ。




ココットのような小さな耐熱容器からカラメルを焦がした甘〜い匂いが漂って来る。



カラメルはきつね色にこんがり焼けていて、とっても素敵な色合い。

飾りにミントみたいな葉っぱと、ラズベリーやブルーベリーがちょこんと乗っている。



スプーンでコンコンっとちょっと強めに表面を突けば、固まったカラメルが割れ中からクリーム色が顔を覗かせる。




これがちょっと楽しいんだよね。




口に入れればパリパリとした食感に、トロッと広がる濃厚なクリームの味わい。




ん〜。


んまぁ〜っ!






プリンのような、でもプリンよりも濃厚でリッチな味。

生クリームが入ってるせいかクリーミーで、甘〜い味が口いっぱいに広がって幸せ。



カラメルと一緒に食べれば、カラメルの甘さとほのかな苦味が加わり大人な感じ。

フルーツと一緒に食べれば甘酸っぱい酸味。

ミントと一緒に食べれば、爽やかな清涼感で口当たり爽やか。



色々と乗ってないただ甘〜くて濃厚でリッチな味わいのクリームブリュレも好きだけど、これはこれで口の中がサッパリとして、パクパク食べれちゃう。




ちょっとずつ叩き割りながら、食べ進めていけばあっという間に食べ終わってしまって、大変悲しい。




あぁ、バケツで食べたい。




そんな事を考えながら、次に出されたクッキーとコーヒーを口に入れる。




クッキーは普段私が食べているパッサパサカッチカチクッキーじゃなくて、サクサクとした歯触りが良い軽い食感のクッキーだった。



1口齧ればバターの香りがふわりと鼻をくすぐりサクサクとした軽い食感に、お腹も結構いっぱいなのについつい手が進んでしまう。



バターがたっぷりと練り込まれたであろうバタークッキーは、バターのコクと砂糖の甘さで皆大好きな普遍的な美味しさ。


変に奇を(てら)うことも無く、ただただそこにあるのが当たり前な程の素朴な美味しさ。




本来はここに牛乳があれば完璧だが、ここには砂糖もミルクもたっぷりと入れてもらったカフェオレがある。

役不足という事はあるまい。



ふぅふぅと冷まして1口飲めば、牛乳もたっぷり砂糖もたっぷりなだけあって甘くて美味しい。


普段溜まったストレスや荒んだ心が、まったりとした甘さでまったりほわぁと溶かされていくよう。





ふぅ


次から次へとやって来る仕事やストレスで最近は忙しかったので、何だか久しぶりにのんびりまったりしている気分だ。




「次はどこに行きますか?」



「うーん、そうですねぇ…。お腹もいっぱいになった事ですし、何か面白いものでも見て回りたいです。」



「ふむ。でしたら服や雑貨が集まった地区か、魔法街がよろしいでしょう。」




魔法街には何やらとんでもない掘り出し物から、ガラクタまがいの物まであり、面白い物がいっぱい売られているらしい。




人心地ついて、イケおじと話しをしてるうちに次の目的地が決まった。


元々食べ歩きをする予定だったけど今はお腹いっぱいの為、腹ごなしの為にも冷やかしよろしく魔法街に行く事になった。

欲しい物がある訳では無いけど、面白そうだ。

せっかくなので見てみたい。



最初に案内してくれた、イケおじ店員の挨拶もそこそこに。

好奇心に駆られ、ルンルン気分で魔法街に向かう。



徐々に魔法街に近付くと、辺りの喧騒はなりを潜め、遠くでガヤガヤと人の声がする程度になる。

境目を超えたら、一気に空気が変わり不思議なくらいの静けさに包まれる。

空気はひんやりして少し涼しい程度、今着ている長袖のワンピースがちょうど良いぐらい。



この辺は魔法協会の取り決めにより、辺り一帯にある程度、気温が調節される結界が張られているらしい。

だからこの中に入れば多少の暑さ寒さは感じても、結界外よりかは少し気温が穏やかになるんだとか。



だったら街全体包めば良いのでは?とも思うのだが、範囲が大きければ大きい程魔術式?という物が難しいらしい。

また、魔法に携わる人達はなかなか変わり者が多く、ついでに何か色々な要因が重なった結果、あんまり他の地区の人達と仲が良くないんだとか。


その為、お互い触らぬ神に祟りなし状態なんだそう。




うーん、面倒な事で。




飲食街と同じ様にお店の前には露店が出ていて、店内に入らなくても十分楽しめるぐらい、色んな物がいっぱい並んでいる。


失敗したガラクタを訳あり品として格安で売っていたり、まだ腕が無い弟子の作品や、場所だけ他の人に貸し出してテナント経営している店もあるようだ。



さっきとは打って変わって、こっちは店主が呼び込む事もせず、軒先で無言で魔法具を弄っている者が多い。

弟子なのか店番をしているまだ歳若い子供達や、テナントとして入ってる者が、呼び込みに精を出していた。



怪しげな薬から香水みたいな物、アクセサリーみたいな物等色々売っている。

飲み薬として眠り薬や痺れ薬、それから媚薬なんかも売られている。



本当にここ合法なのだろうか。

闇市じゃないのか。

売ってる物が闇過ぎる。






戦々恐々としていると、黒いフードを被った魔女みたいなお婆さんに話しかけられる。




「ヒッヒッ、こりゃまた珍しい客が来たもんだ。」




お婆さんはイケオジを見て私を見ると、まるで面白いものでも見るかの様にニヤニヤと口を歪める。

お爺さんは何も言わずににこりと笑った。



「可愛いお嬢さん、お嬢さんみたいに可愛い子はこういう可愛いアクセサリーなんかお1つどうだい?」



手首に翳されたそれは、細いチェーンに少し大きめのビーズが何色か付いているブレスレット。

何て言うか、お菓子のおまけとかに付いてきそうな感じだ。


懐かしいな。

昔こういうのよく、買ってもらって集めてた。



「うん、よく似合ってるね。付いているのはクズ魔石だが、これだけ色んな色が付いていて35,000クローネ。」



えっ、高!



「おや、今高いと思ったね?ヒッヒッ、クズとはいえ魔石は魔石だ。一応簡単な魔法文字も書き込んである。これはただのお綺麗なだけの石じゃなく、魔石なんだ。しかもそこに手間賃も考えたら、なかなか良い買い物だと思うんだけどね。」



なるほど。

そう考えると、ちょっとお得なような…?




「相手を少しびっくりさせるぐらいの些細な物だが、魔力を込めれば1回限り護身具としても使えるよ。ヒッヒッ、お得だろう?」



「ふむ。ではお1つ頂けますかな。」



え、いやいや。

この世界の魔石や、魔法文字を書き込む手間賃の平均が分からないから、一瞬ちょっと迷ったけどこれは結構ぼったくりなのでは……。



イケオジに小さく首を振っても、にっこり笑顔のまま私に構わずどんどんお金を払ってしまう。



「ヒッヒッ、毎度あり。ああ、もう1つこれはサービスだ。」



お婆さんは私に紫色の小瓶押し付けると、また面白そうに笑う。



「え、いや、あの……。」



「自分の身が危なくなったら使いな。使う量は1回耳かき1杯。」



「え……、あの。」



「大丈夫、死にはしないよ。ちょっと眠ってもらうだけさ。幸運を願ってるよ。」





お婆さんはそう言うと、手早く店じまいを始める。

広げていた布を商品ごと巻き込んで風呂敷の様に持つと、あっという間に人の波に流されて消えてしまった。





前話にチーズを食べる描写を足したのと、ギルドカードを作る機械をFAXのような物と呼称してましたが、FAXではなく家庭用プリンターに直しました。

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