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属性は陰でした。  作者: はる


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第6話 冒険者ギルド


背丈の何倍もある城門を悠達は潜り抜けた。


自分たちの周囲を包み込むように、幾つもの赤茶色の屋根の建物がそびえ立つ。


街道から真っ直ぐ。悠達が見ているのは大通りであった。


露店が並び、香辛料の匂い、焼いた肉の煙が空へ高く登っている。

近くにある酒場からは、人の笑い声が喧騒に入り混じる。

鎧を鳴らしながら巡回する騎士。

魔導灯の下で客引きをしている商人。

背中に剣と盾を担いだ、騎士とはまた違う人冒険者。

それに人だけじゃない。獣の耳が生えた者、体格が良いが背丈が低い者。

自分達が異世界に来たことを実感するには、十分な情報量であった。


「すごい………」


「………。」


悠だけではない、ほか4人も周囲を見渡しながら感動の声をあげていた。


「……感動してる場合じゃないわね。それじゃあ皆、目的は忘れないようにね」


綾は皆へ向き直る。


「了解だ、まずは資金だな。」


「神官さんが言ってた通り、依頼などを受けるギルドがあるはず……です。まずはそこかと」


「そうね……場所が分かれば良いのだけれど……こればっかりは聞くしか……」


綾は考えながら、顎に指を添えた。


「悠…?どうしたの?」


ふと、周囲を見続けている悠に小春は声を掛ける。


「いや……あそこの道」


皆は悠が指を指す方向へ目を向ける。

店と店の間にある道がそこにはあった。

決して狭くは無いが、大通りに比べるとかなり狭い。



「あそこがどうかしたか?」


「ギルドだけど、多分あそこの先だよ。」


ほぼ確信に近い物言いであった。


「なぜそう思う?」


「……ぁ。冒険者……」


「そう、あそこの道だけ冒険者っぽい人の出入りがあそこだけ激しい。まだ昼間で、あれだけ人が出入りするのはギルドしかないんじゃないかなって」


皆の悠を見る目が丸くなる。


「よく……わかったわね」


「この数の人と、道の数で……?」


奥に進むにつれ、大通りの人数は増加していく。

少し進んだ今の場所ですら、少し窮屈に感じるこの場所で悠は冒険者と思われる人物の出入りを見抜いていた。


「……すごわね雨宮君…全くわからなかった」


「僕も……鑑定眼を使ってやっとでしたよ…。やっぱりすごいよ悠君!!」


「……ありがとう。とりあえず向かおうよ」


気恥しさを誤魔化しながら、悠は先程指さした道を目指し歩いていく。

小春、雅人、綾、拓也と後に続いた。


「それに、してもっ!……人が多いわね……っ!」


流れに逆らいながら進まなければならなく、避けていたとしても人にぶつかってしまう。

悠は迷わず進むが、その後ろを歩いていた小春は人の物量に負けてしまっている。


「……ゃ……っ!!」


進んでいたはずが、足元がおぼつきその場でよろける。通行人の足が小春の足に引っかかってしまっていた。


体制を崩し、倒れる寸前ーーーーー。



小春が咄嗟に地面へ向けて突き出した手が、進路の方へと引っ張られた。

何とか地面へ倒れることは避けれたみたいだ。


「危ない、気をつけて」


手を掴んでいたのは、前を進んでいた悠だった。

以前のクラスでいた時とは違う、真っ直ぐとした視線を小春へ向けていた。


「……っ……ありがとう」


小学校からの腐れ縁である悠と小春。名前が似ているからと中学の頃は同級生からいじられていた。

だがそのいじりも高校に入ってからは無くなった。

中学の2人を知る人は、高校にいない。という理由もあるが、大抵は高校に入ってから何となく話さなくなった、というのが大きいだろう。


そこからはクラス内格差と言うものが産まれ、よく言う陽キャ陰キャに分類されていく。

悠は話す方では無いので、自然と陰キャという区画へ分類されていった。


「昔からこういう人混み苦手だよな、小春って」


「……うるさいな」


異世界に来てからというもの、クラスの悠への距離感がさらに大きくなったのを見ていたらわかる。


能力無しというのが大きいのだろうが、小春はそんな事は一切気に止めていない。

だが王都へ行く途中や、今だって同じ。


少しづつではあるが、悠と小春は話せるようになってきている。今まで話せなかった分を取り戻すように。


「いくよ。みんな待ってるんだしモタモタできない」


小春の気も知らずに悠は、手を掴んだまま再び歩き出す。

ひっそりと小春の頬は赤く染っていた。





大通りを抜け、人混みを抜ける。

辿り着いた先には、悠の言っていた通り加工された木の看板に冒険者ギルドと書かれた建物があった。


「ほんとにあった…」


開放された扉の中には、街で見かけた冒険者と思われる人達が出入りしてる。

テラス席には、酒を片手に騒いでいる冒険者もいた。


「とにかく入ろうか」





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