表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コンビニの神様  作者: なつめ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/16

コンビニの神様 〜似ているだけ〜

お久しぶりです。


しばらく更新が空いてしまい、申し訳ありませんでした。

それでも読みに来てくださって、本当にありがとうございます。

ずっと体調崩していたと言うのもあるんですが、仕事の方も忙しく投稿出来ていませんでした。

まだ治りかけですが今後ともよろしくお願いします。


今回は、これまでの中でも少し重たい回になります。


特別なことは起きません。

でも、主人公にとっては避けてきたものが、

静かに近づいてくる夜です。


ここから物語は終盤に向かっていきます。


よければ、最後まで見届けていただけたら嬉しいです。

その夜は、やけに明るかった。


 理由は分からない。


 蛍光灯はいつもと同じなのに、

 妙に白く感じる。


 午前二時前。


 自動ドアが開いた。


 入ってきたのは、若い女性だった。


 高校生か、大学生か。


 年はよく分からない。


 でも――


 一瞬、息が止まった。


 似ていた。


 あの子に。


 最初の夜に出会った、あの女の子に。


 髪型も、雰囲気も、

 全部が少しずつ違うのに、

 なぜか重なって見える。


 女性は普通に商品を取る。


 おにぎりと、ペットボトルのお茶。


 レジに来る。


「……お願いします」


 声は違う。


 当たり前だ。


 同じはずがない。


 私はバーコードを通す。


 手が、ほんの少しだけ遅れる。


「百五十円です」


 女性は財布を開く。


 小銭を出す。


 その中に、百円玉。


 私は小皿を見る。


 出すか、迷う。


 でも、出さない。


 女性はそのまま会計を済ませる。


 百円玉は、小皿に置かれない。


 それでいい。


 それでいいはずなのに――


 どこか、寂しい。


 女性は商品を受け取り、

 そのまま帰ろうとする。


 その背中が、あまりにも似ていて。


 気づけば、声をかけていた。


「……あの」


 女性が振り返る。


 まったく違う顔。


 当たり前だ。


「何かありましたか」


 困ったような表情。


 私は言葉を失う。


 何を言うつもりだったのか、自分でも分からない。


「いえ……大丈夫です」


 女性は小さく会釈して、店を出た。


 ドアが閉まる。


 静寂。


 私はしばらく動けなかった。


 似ていただけだ。


 ただ、それだけ。


 でも、


 忘れていたわけじゃない。


 目を逸らしていただけだ。


 私はレジ横の小皿を見る。


 百円玉が三枚。


 あの夜も、こうして光っていた。


 救えなかった夜。


 ずっと、触れないままにしていた。


 私は小皿に手を伸ばす。


 でも、触れない。


 今はまだ。


 その資格がない気がした。


 外を見る。


 夜は静かだ。


 でも、どこかで終わりに近づいている。


 私は思う。


 ちゃんと、向き合わなきゃいけない。


 あの夜に。


 あの子に。


 逃げたままじゃ、終われない。


 午前三時。


 空気が少しだけ変わる。


 私は初めて、

 自分から“終わり”に近づこうとしていた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


この回は、物語の中でとても大事な“きっかけ”の話です。


人は、忘れることはできても、

本当に大切な出来事からは、完全に逃げることはできません。


似ているだけ。

それだけのはずなのに、心が動いてしまう。


そういう瞬間が、

止まっていた時間を動かすのだと思います。


次は、いよいよ主人公が“向き合う”回になります。


物語の温度は少し上がりますが、

その先にあるものも、ちゃんと描きたいと思っています。


引き続き、読んでいただけたら嬉しいです。


――なつめ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ