21. ダイアナとエドワルド
※ 2026/2/16 大幅追加修正のため最終話を分けました。
◇ ◇ ◇ ◇
ダイアナは、エドの過去話を聞いた後で、いつものように姉が弟を諭すように聞いた。
「エド、また話を遮って悪いけど、貴方が強いのは十二分わかったわ。でもこれからどうするの? 王太子になった以上、今まで通りには行かないわよ──それに、そんな言葉遣いでは国王には到底なれないわ。王太子になったら帝王学も強制的に勉強させられる。それに王室のご公務は目白押しにあるわ。そんな中で蒼の騎士団を続けられるの?」
「あ~何言ってんだダイアナ、続けるに決まってんだろう?──俺は王太子の地位なんかこれっぽちも欲しくないのに、国王やシーラン伯のオッサンが『エドワルド、お願いだから王太子になってくれ!』って頭を下げるからよ。仕方なくこっちは承諾してやったんだ。それも二つ条件つけてな」
「条件?」
「ああ一つは俺の妻はダイアナ、お前にする事。もう一つは父王が引退するまでは、蒼の騎士団を続けさせろってな!」
「あらまあ? だから私はこの王族専用病室のフカフカのベッドで寝てた訳ね」
ダイアナはびっくりして、長い睫毛をパチパチと数回も瞬きした。
「そうさ、あんたはもう俺の婚約者だからな、周りはそのつもりで接してくるぞ、だからあんたもそのつもりでいろよ!」
とエドは顔を少し赤らめながら、ダイアナにウインクをした。
──え、これがエドのプロポーズなのかしら?
ダイアナはエドワルドの話が、余りにも急展開で、再び眩暈を起こしそうになった。
だが、これだけは言わねばならぬと、ダイアナは意識を保った。
「ねえ、エド王太子様。ようやく私は大聖女に返りざいたのよ。あなたも私が追放された日に、口笛を吹いた騎士ならわかるでしょう。──聖女は処女でなければならないの。私が一生結婚しないで、大聖女を続けるとは思わないの?」
「ああ、思わないよ。だってダイアナは俺に惚れてるだろう?」
「ま!」
ダイアナはエドにあっさりと返答されてドキッとした。
「ほら、顔が赤くなった、俺のいった事は図星だろう!」
エドは大きな声でカッカッカ!と高笑いした。
「⋯⋯⋯⋯」
ダイアナは一瞬ジト目になったが、すぐに微笑した。
──まあ、悔しいけど認めるしかない。
確かに私はエドを愛し始めてる。
◇
ダイアナはエドのくったくのない笑顔が好きだった。
エドの母親譲りの、ご自慢のすみれ色の瞳が見えなくなるほど、エドは顔を崩してガハハハとガサツに笑う。
王族らしさなどこれっぽっちもない。
でもそのあけすけで嘘をつかないエドの笑顔がいい。
貴族にはない、爽快な清浄さをダイアナはエドに感じていた。
エドと出逢ってから二か月──。
いつの間にか、彼の笑顔がダイアナの生活には必要不可欠となっていた。
──はあ、どうやら私はこのガラの悪い王子様に、心をがっちりと掴まれたみたいね。
まさにヤンチャ王子だわ。
あの日、翡翠の女神様との交信に言われた言葉をダイアナは思い出した。
──うん、翡翠の女神様が仰った通り、ヤンチャ王子を立派な国王にさせるのが、これから私の役目みたいね。
ダイアナは覚悟を決めた。
◇
「何だよダイアナ、にやにやしちゃって! 俺と結婚するのそんなに嬉しいのか?」
とエドが微笑んでるダイアナの手を握ろうとした。
「あ、待って!」
「え、又いつものヒールかよ? それは勘弁してくれ!」
慌ててエドの手が引っ込んだ。
「ううんエド!──ゴメンナサイ。私もあなたが好きよ」
「お?」
「でもね、聞いて! 今すぐには結婚する事はできないわ。せっかく大聖女に戻れたし。それにあと一年は大聖女としてやるべき事を弟子に引き継ぎたいのよ!でも、貴方さえ良ければだけど、あと一年だけ私を待っててくれるかしら?」
「はああ、そんなのあったり前だろう! 俺はダイアナが纏う純白の聖衣姿を見て一目惚れしたんだ。まだ一年でも二年でも大聖女ダイアナを眺めていたいんだよ!」
──え、そっち?
エドって私の聖衣姿が好きなの?
ダイアナはエドの返事に目を点にした後、途端に大笑いした。
その日、初めてダイアナはエドの手を取った。
※ 沢山の誤字脱字報告してくださった清坂さま、茂部さま、sleeper様、ムームー様、元毛玉様 くろくまくん様
どうもありがとうございました。 この場を借りて感謝いたします。
※これらを励みにしてまた第3弾も頑張ります。
本当皆さまのおかげです。重ね重ねありがとうございました
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