27話 別視点:女子会?
「あれ、ユウは?」
「アルマダちゃんですか。そういえば居ませんね……」
いつの間にやら戻ってきたアルマダちゃんが私に声をかけてくる。
ふむ、見まわしてもいませんね。
どこいったのかわからないですが、まあユウの事だから大丈夫でしょう。
多分さっきの部屋にいそうですし。
「ふーん。ところでこれさーどう?」
「うーん、さっぱりですねぇ。アルマダちゃんは?」
あはは、わかんないっと笑う。
うん、私もおんなじだから仕方ないけれどもね?
「だってさー全然読めないじゃない。解こうにも問題が分からないんじゃねー」
「ですよねえ。見た事ない文字ですし……内容をそもそも読めないんじゃ解きようがないですよ」
せめて内容さえわかればとも思うんですが、難しいですねえ。
でも解いたらご褒美くらい貰えるでしょうか?
「熱心だねー。そんなに気になる?」
「まあ、多少はですけどね」
「ふぅん……ねえねえ、せっかくだし聞かせてもらっていい?」
と、ふわりと浮かんで足を組む。
浮遊魔法。しかし言葉も無く出来るのは一部の種族だけの特権。
その種族の中でも、突飛な力を持つ者の力。
それをなんなく行使する悪魔、アルマダ。
「なんでさー。ティリアスはご主人様についてきているの?」
「わりと今酷い事言いました?」
「あはは、だってさ、甲斐甲斐しく世話を焼いてその後からずっとでしょ? なんでかなって」
言葉こそ軽いものの、その瞳はわずかに赤い。
……主人であるユウの事を案じているのだろうか。
「それを言うなら私もですよ。なんでアルマダちゃんはユウの使い魔に?」
「ふふ……そうだね。ティリアスが教えてくれたら教えても良いよ?」
「そんな大した理由じゃありませんよ?」
「むしろ、大した理由がある方が、怖いかな。ボクは」
ぞわりと背筋が震える。
力を抑えられているとしても、かの七天魔公。
世界でも上位の力を持つ、大悪魔。
……普段は気にしていませんが、本来はとんでもなく上にいる相手なんですよね。
「ユウは気にしてないけど、ボクは気になるんだ。だって本当の本気なら今のユウなら倒せる力を持ってるんだから、ね?」
ふふ。
本当に、怖い悪魔さん。
「さぁ……どうでしょうか。前模擬戦で負けそうになりましたからね」
「へえ、じゃあ聞いても良いかな? その時さあ……白鞘から抜いたの?」
ぴりっと、空気が張り詰める。
「…………」
「…………」
互いに沈黙が下りる。
それを打ち破ったのは小さな溜息だ。
「やめましょう。お互いに探り合って不仲になるのは本意ではありませんので」
「まあ、そうだね。ユウに危害が及ばなければそれでいいよ」
探り合うのはやめ、と言っておきながら何だがこのアルマダと言う悪魔がなぜここまでユウを親しむのかは、未だ謎のままだ。
いや、むしろ言わされたのかもしれない。
心を読んだように妖艶に唇を舐める目の前の悪魔を見たら、そう思わされる。
「それに、貴方も知っているでしょうが、ユウはまだまだ強くなります。それこそ、私が足元に及ばない程に。そしてその日は、意外と近いと思いますよ」
「……ティリアスと会った時はまだあのクラウって男よりも弱かったんだよね」
「ええ、それから一日経たずに、そのクラウを子ども扱いできる程に」
「更に、同日には、ボクと張り合うだけの力、か。凄い成長だよね」
「それが、この後にある訓練でどれだけ伸びるか、楽しみですよ」
そう言いながらお互いに笑みを交わしあった。
【TIPS】
いいか? 女は何歳であっても女なんだ。
それを忘れると、大変なことになる。
具体的には医者の世話になる。




