3月公式戦 家庭婦人大会終了後の『これからの時間』 2
コンビニからビールとツマミを抱えて、中華料理屋の店前に戻ると、ビックリすることに立ち話しをしている人数が増えていた。メンバー数人と家族や友人とさっき通りががった地元民までは、把握していたが、さらに数名知らない地元民が増えていた。
陽介が、「彩姉さん、買ってきましたよ~!」と伝えると、彩姉さんは、
「陽ちゃん、ありがとう。悪かったわね。買いに行かせちゃって!」
「さぁ、皆さんお店がすくまで、ここで軽く飲みましょう!」
「あっ、皆さん、この人永竹クラブの新しい監督、陽介です。ほら、すぐそこの八百屋さんの息子。知ってるでしょ?」と言って、使いパッシリから戻った陽介を、地元民に自慢げに紹介した。
しばらくすると、店からママが出てきて『本日営業終了』という札を店の入り口に掲げた。こっちは待ってるのに、どういうことかと思っていたら、
「これだけ人数がいると、お店は貸し切りの方がいいでしょ?」と、彩姉さんに言った。店の酒ではなく、コンビニの酒を飲んで店の売上に響くだろうに、中華料理屋のママは良い人だと陽介は思った。もっとも猛獣御一行が普段から相当に売上協力をしてなければ、こんな気は遣ってくれはしない。
さて、店の中が大分すいてきたところで、彩姉さんと永竹クラブのメンバーと関係者以外を先に店に入れ、陽介が買って来た缶ビールとツマミを、しこたま飲み食いしたころで、全員が店の中に入れるようになった。店前の立ち飲みは、およそ40分位であったであろうか。
永竹クラブの全メンバーと、その家族や友人、そして陽介の知らない通りがかりの地元民を含め、30人が揃った。
あらためて、ヨシちゃん(像アザラシ)が、
「生ビールの人ぉ~」と吠えると、20人位が手を上げた。生ビールを作るのに店のママが大変なのをヨシちゃんが見ると、率先して手伝いに行った。中華料理屋では本領発揮だ!
陽介は「出来れば、バレーボールで気を利かせてほしいと!」と言いたかった。
飲み物が揃い、乾杯が終わると、たのんでいないのに料理が出て来た。さすがはヨシちゃん。素晴らしい気配りだ。
後から店に入った面々が、多少お腹が落ち着いたころ、彩姉さんが外でそれなりにコンビニビールを飲んでご機嫌な陽介に、
「それでは、監督に今日の試合を総括していただきましょう!」と言い出した。
陽介は、試合を総括するとなれば選手個人のプレーについても指摘しなければならないこともあるので、知らない人がいる前では話したくなかった。
「今日の試合は、皆な頑張りました。惜しくも優勝は出来なかったけれど、次につながる試合だったと思います。これから、もっともっと厳しい練習を重ねて、皆で優勝を勝ち取りましょう!」と言い、後は次の練習の時に言うことにした。
永竹クラブのメンバーは「えぇぇぇ~、厳しい練習したくなぁ~い!」と言ったが、酒の席。今日の試合を通して楽しんでもらえれば、良いと陽介は思っていた。
楽しく飲んでいる時は、時間の過ぎるのも早く感じるもので、時計の針は22時を指していた。試合に出場していたメンバーは、さすがに疲労の色を消せず、帰り始めた。陽介も疲れているので、
「彩姉さん、僕も疲れてるから、今日はこの辺でお開きにしましょう!」と言って席を立とうとしたが、座らされた。ご存知北極グマの究極の技、『強引な引き込み』である。
「陽ちゃん、あんな総括でいいの?、私も言いたいことがいっぱいあるから、まだ帰っちゃダメ!」と言って、帰る面々に挨拶をしながら、まだまだ飲む気満々だった。
残った面子を確認すると、彩姉さん・試合にも出場していた#4川さん・#11和気ちゃん・#13シズさん・大御所の三輪さん、そして陽介だった。
「この面子はよろしくないぞ!」と陽介は思っていたが、覚悟を決めて付き合った。




