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経験したことのないキャプテン選考会議 3

 陽介は、「本気で、1時間30分もジャンケンについて語り、挙げ句の果てに、実際にジャンケンを繰り返して、一番強い人をキャプテンに選考したんですか?」と、あまりのことに、噛み噛みで聞いた。


 一同は、「ゴメンね陽ちゃん、どうしてもサーブ権をとりたいから、真剣に考えた結論だったの。待たせちゃってゴメンなさい。陽ちゃんだって、サーブ権がほしいでしょ?」と、悪気もなく、いやむしろ、陽介に誉めてもらおうとの思いが伝わるような言いまわしで言った。


 陽介は、「こいつら、マジか?」と思ったが、自分に対するメンバーのささやかなユーモアだと、思い込むことで理解することにした。


 「分かりました。ところで、キャプテンは誰に決まったんですか?」と陽介が聞くと、一同「ヨシちゃんで~す!」とヨシちゃんを指さした。ヨシちゃんは(中華料理屋で大活躍のゾウアザラシ)、生ビールのジョッキを片手で持ち、生ビールを胃に流し込みなが、陽介に手を振った。陽介の顔はさらに引きつり、言葉も出ず、生ビールを一気に飲み、すぐさまおかわりを頼んだ。


 陽介は、ヨシちゃんの性格から、きっと自分が試合中に出す指示をめぐって、うまく行かないだろうと思い、大御所に「この選考会議で決定したキャプテンは、変更可能ですか?」と聞いたが、大御所は「3月の年度末が来るまでは、無理」と言った。陽介は絶望的な感覚を持ったが、もう一度大御所に確認した。「変更は絶対に無理ですか?」と。大御所は「絶対に無理です。」と陽介を諭した。


 陽介はその晩、中華料理屋で、酔い潰れた。

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