ありえない呼び出し 3
これだけ頼まれると、さすがに断りずらい。ましてや真意は別としても先方は頭まで下げている。もしここで断ったら、地元の道を歩けなくなるかもしれないと、陽介は思った。
「分かりました。まず確認ですが、この話はチームの総意ですか?もし、そうであるならば条件がいくつかあります。
一、与えられた練習メニューを文句を言わず、やること。動けないんじゃなくて、動こうとすること。出来る範囲で良いから。
一、練習日は早く集まって、全員そろって練習する時間が多くなるように努力すること。出来る範囲で良いから。
一、練習中、厳しい言葉で皆に接することがあるけど、『これからの時間』で、それをツマミにして僕を酒で潰すようなことはしないこと!
今日の所はこのくらいですが、以後練習にかんして色々と指示して行くことになると思いますが、了解してもらえますか?」
一同「分かった!了解します。」と、また頭を下げた。しかし今度は笑みを浮かべながら「『これからの時間』以外はね…」と小声で言ったのを、陽介は聞き逃さなっかった。しかしこの状況でまた色々言うと、まとまるものも、まとまらなくなると思い、バレーに直接関係ないことだからとスルーした。(今思えば、甘かった!)