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旧式艦長ヨーマ ~その軌跡の始まり~  作者: Hekuto


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第49話

 修正等完了しましたので投稿します。楽しんでいってね。



「なんでこの依頼受けたの?」


 悩む中で浮かんだ疑問である。普通こんな怪しくて面倒な依頼は受けない。人間より高度なISであれば、情報が少なかったとしても避けると思うんだけど、これいかに。


「……私はあくまでサポートですので、特に今回はレクス達で何とかするという事でしたので……やはり問題ありますか? 一応傭兵ギルド発行の合同依頼で、書類上も正式な依頼なんですが」


「そこも問題だなぁ」


 問題だねぇ。


 なんというか、いろんな意味でこのマザーさんはレクス達に甘いのだろう。彼らなら問題ないのではないか、信じてあげるべきなのではないか、そんな感情が彼女の言動から感じられる気がする。気がするだけで実際がどうかなんてわからない。


 でも、フルカスタムベビーがこの世で生きていくには、多少の苦難も跳ね除けてもらわなければならないだろうから、ある意味で厳しく指導するのは必要なのかもしれない。


「だから何が問題なんだよ! ファカローナさんだって奴隷から解放されるんだ良いだろ!」


 うん、それは良い事だね。


 でもなぁ? 世の中、結果よければ全てよしという人もいるけど、過程が大事なこともまぁまぁあるんだよ。


「うーん、でも奴隷として購入してるからなぁ……それに貴族がラロファを公式に開放するかな?」


「そうはならないと?」


 ならないと思うんです。特にラロファに関しては、貴族が関わって良いことなんてほぼない。なんだったら俺だって不利益を被る可能性だってなくはない。


「ラロファの保護に関する条約って知ってる?」


「なんだそれ?」


 知らないか、マザーさんも良く知らない感じかな? 確かに戦前はまだしっかり条約として成立してなかったはずだし、外界と接触を最小限にしていれば知り得ないかもしれない。


 詳しく説明……してたら俺の体力が先に尽きるな。


「簡単に説明すると、ラロファを不当に拘束すると死刑って言う法律」


「…………え?」


「そうなの?」


 そうなんですよメテシュお嬢様、なので首に腕を絡めて顔を覗き込むのはやめてください。今にも絞められそうで震えが止まりません。あれ? この震えは風邪の所為かな? 体の節節も痛いし、熱がまた上がったのかもしれない。


 さっさと説明してしまおう。


「大昔に色々あったらしくてな、ラロファはこの宇宙における最重要保護対象なんだよ。一般人でも貴族でもラロファを不当に捕まえたらアウト、奴隷もアウト、軟禁でもアウト、連れまわしもアウト、ラロファは常に自由でなければならない。とされているので、ラロファの保護は比較的クリーンな宇宙軍の管轄なんだよ」


 アウトは物理的に首ちょんぱって意味ね? あと軍は比較的クリーンだけど、比較的であって全くクリーンじゃないことは気を付けておこう。宇宙軍とは言え所詮戦後の漂流艦隊寄せ集めセット、派閥なんて一つや二つじゃなく星の数である。それは少し言い過ぎか、でも数えきれないほどあるので、派閥回遊魚になると大変なのだ。


 ちなみに俺は無派閥だけど、いくつかの派閥関係者とコネクションがある。なるべくなら使いたくないが、完全無欠の無派閥と言うのもなかなか危険地帯なのだ。


「うそだろ……それじゃ俺達は?」


「うーーーん……その貴族が何をするのか知らないけど、最悪ラロファを貴族の奴隷にするのに加担したって事で死刑かな?」


 うん、全然あり得る。


 関係者全員死刑なんてことも場合によってはあり得るので、俺の首も危うい。現在進行形でメテシュお嬢様の腕に力が入って来ていて物理的に危険だけどね☆助けてロナさん! ネフ=サンでも可。


「ま、まってくれよ……そうだ! ファカローナさんが自分から貴族のとこに行けばいいんだよ! 自由にさせないといけないなら勝手に行きましたって言えばいい!」


 わお、なんとも自分勝手な理論! さぁロナさんはどう出る。レクス君、後ろの女性陣はみんなやばい目つきになってるぞ! どうする、さぁどうなるんだ。


「なぜ私が?」


 まぁそうなるか。マザーさんも頭を抱えてらっしゃる。超人と言えど、教育は大事って事だな。


「え、いやでも奴隷から普通の生活に」


「私は見知らぬ貴族の下に行く気など無いのだが、なぁヨーマ」


 はいなんでしょう? なんでそんな優しい声で私めをお呼びになるのでしょうか。僕は偶然知り合っただけの一般通過奴隷ですがなにか。


「俺に言われても、知り合いじゃないんだ?」


「知らぬ名だ」


 首を振っていた通り知らない貴族のようだ。俺も知らない貴族である。調べればわかるかもしれないけど、今の状況でトウブに接続するのは無理だろう。


 軍の派閥も沢山あるが、貴族の家はそれ以上に多いので覚えていられない。大体みんな、常にティアマトウブにつないだデバイスで誰が誰なのかと言う情報補助を受けているんじゃないかな、父上もよく母上にあれ誰だっけ? なんて聞いてるし……その度にニコニコした母上から肘打ちを喰らってるけど。


 女の人って、怖いね。


「えっと……じゃあどうしたら」


「軍に引き渡すのがベターかな?」


 おさげの女の子が控えめに目を合わせて聞いてくるけど、俺からはこの提案しか出来ないな。だからそんな絶望した表情はやめてほしい。これでも大人の男なのである。小さな子供にそんな顔をされて喜ぶ癖は持ちあわせていない。


 知り合いには絶望顔癖が居たけど、彼もリアルでは見たくないと言っていたし、笑っておくれ。……まぁ無理か、そうだよね。


 ……どうしよう。


「そんなの捕まるだろ!」


「まぁ、うん……弁護はするよ?」


 自首してくれたら俺、頑張るよ? これでも元軍人でコネクションもちょぴっとはあるんだ。ほんとほんの少しのコネだけど、無いよりマシだと思うんだ。だからこれから僕と宇宙軍の基地までドライブしないかい? レクス君。


「軟弱者の弁護が役に立つわけないだろ!」


 ひどくない? ねぇひどくない? 無いこたないとおもうんだけど、思いたいな。


「無くはないと思うけどなぁ? 俺も予備役でも軍人なわけで……はぁ、しんどい」


 言葉の暴力としゃべり過ぎで疲れて来た。息を吸うたびに肺がピリピリする。お前使えないから軍やめろと言われた人間だけど、これでもまだ軍属扱いだから、少しは話聞いてくれると思うんだ。


「ヨーマ……」


 いかん、呼吸が荒くなってるのがメシュにバレたか。てか、体調確認のために腕をクビに絡めてたのか? 良い子なんだけど、心配するたびに力が腕に入るの何とかなりませんかくるしいです。あと後頭部もゴリゴリして痛いので、圧し掛かりもやめてください。


 おっぱい? 知りませんねそんなも痛い痛い痛い痛い。


「軍人? ……そうだ、腹いせに俺達を軍に売るつもりだな!」


「え、めんどくさ」


 めんどくさ、は? めんどくさ、あまりにめんどくさくてついつい口から本音出ちゃったじゃん。何言ってのこの子? 馬鹿なの? 軍に売る? 何のために? 僕、わけわかんない。


「めん!? この不良軍人!」


 ひどくない? さっきからレクス君、こっちに言葉の刃物しか投げてこないなぁ。そういうお年頃なの? いくつか知らないけど、見た目で年齢判断できないのが宇宙時代だからな、しかも超人でしょ? 俺の知ってる超人は、子供と変わらない姿で300歳だからね。


 ガキと呼ばれて嬉しそうにするとか、分かんないよあの人。あ、もしかしてレクス君も不良と呼ばれたいという感じなのだろうか。


「不良はそっちだろうに」


「ぬぁっ!?」


 レクス君の顔が怒りで赤くなっていく、選択肢を間違ったみたいだ。


「確かに」


「……はぁ」


 あ、でも緑髪のあまりしゃべらない子は同意しているから、間違いではないのか? マザーさんも溜息デカくなってるぞレクス君。だいたいなんで軍から離れたのに、好き好んで軍でもトップクラスに面倒なところへ首を突っ込まないといけないんだ。たとえ最適解がそこにあろうと、自分から率先して突っ込みたくないぞ。



 いかがでしたでしょうか?


 本音駄々洩れヨーマ、どうやら解を得るには苦労も付きまとうようです。でも人生って大体そんなものだよね。


 目指せ書籍化、応援してもらえたら幸いです。それでは次回もお楽しみに!さようならー

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