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3.嘘つき少女とフェアリーテイル 1

「ねえ。ルゥアが見える人は、みんなノクターになれるの?」

 ぽつりと呟いたレネの言葉に、エリアスが振り返る。熱気を含んだ夏の風が、二人の間を吹き抜けていく。一瞬足を止めた彼は、うーんと唸り声を上げた。

「素質はある。そもそもルゥアが見えなきゃ、何を癒せばいいのかわかんないだろ?」

 レネは再び歩き出したエリアスの隣に並び、静かに指先を見つめた。

 初めて触れたルゥアが、小さな少女の悲しみを伝えてきたときの感覚を思い出す。

「けど、素質があるからといって、誰でもノクターになれるわけではないと思うんだよな。見えたとしても、人の悲しみに寄り添うことができない人間も、中にはいるからな」

「……ん」

 自分は、寄り添える人間なのだろうか。

 ふと湧き上がった疑問に、レネの足が重くなる。

 だって、私は……。

 少しずつ開いた距離に、エリアスが振り返った。

「レネ?」

 心配そうな声に、レネは慌てて前を向く。エリアスの視線が動いて、レネの肩の辺りで一瞬止まる。

「大丈夫か? 疲れただろ」

 気遣いの滲むエリアスの言葉に、レネは首を振って再び足を前に出した。


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