7.とりあえずのスキルツリー
康平はアルメリークの手のひらに乗せてもらい、奥の部屋から移動する。そのまま2人は共に広間に着くと、手のひらに乗った姿勢のままで中央に立つ。
「えっと、まずはそうですね……。一応説明しておくと、レベルは戦闘で経験を積むと上がります。でも必ず倒さなければいけないという訳ではなく、攻撃を与えたり魔法を使用していけば自ずと経験値は貯まっていきまして、ある程度貯まれば自然とレベルは上がります。ただ当然レベルが上がれば必要な経験値は多くなります。……ここまでは大丈夫ですか?」
アルメリークの説明に康平はふんふんと頷く。ここまでは大体ネトゲやなろう系と同じで、すんなりと理解出来る。素直に頷いている康平に、アルメリークはさらに説明を続ける。
「そしてレベルが上がったらスキルポイント、通称SPというものが貯まっていきます。SPはステータスボードからスキルツリーというものを確認出来まして、自身のスキルに振り分けることが出来ます」
康平はふむふむと話を聞きながら先程開いたステータスボードをもう一度開いてよく見ると、最初の画面は名前や種族やレベルなどしか書かれていないが、左右に小さく矢印がついており、どうやらスライド出来る様になっていた。
康平は尖った爪先でそのままステータスボードをスライドしてみると、次の画面はパラメータが、さらに次の画面には色んなスキル名が書かれて枝分かれしているものが映し出された。これが恐らく今説明されたスキルツリーだろう。
康平は上から順番に目を通してみるが、大体が???で埋まっておりどんなスキルがあるかは分からなくなっていた。そこからさらに視線を下に落としていくと、結局読み取れたスキルは「飛行」と「視覚」と「聴覚」とと「ウイルス」だけで、後は1番下にSP残3ptと書かれているのみだった。
「なあ、これ残3ptって後3ポイント使えるって事だよな?どれ上げたらいいと思う?」
康平はスキルツリーを指差しながら、気になった事を素直に口にする。しかしその何気ない質問にアルメリークは少し困った表情をする。
「あ、すみません。パラメータとスキルツリーは本人か鑑定持ちしか見れないんですよ。主であっても見れない仕様になってるみたいなのです。なので私からはちょっと……。あ、でもどんなスキルがあるのか教えて頂ければアドバイスくらいは出せるかも……」
アルメリークは申し訳なさそうにそう言い、慌ててフォローをする。しかし康平はアルメリークのそんな気遣いなど気にも止めず、異世界でもちゃんとプライバシーって守られてるんだなぁと変に関心してしまった。
そしてもう一度スキルツリーに視線を戻し、表示されているスキルを見比べる。スキルは「飛行」「視覚」「聴覚」「ウイルス」の4つで、振れるポイントは3。
(うーん、どれか1つは振れないって事か。飛行、視覚、聴覚、ウイルス……。ずっと手のひらに乗せてもらっとくのも申し訳ないし、とりあえず飛行を見てみるか)
康平はそう考えながら、飛行の枠に触れてみる。すると今度は「羽ばたきLv1 必要ポイント1pt」と「滑空Lv1 必要ポイント1pt」と表示される。
(……あー、なるほど、こういう感じか。これはだいぶ悩むな)
そう考えながら康平はとりあえず他の項目も開いてみる。視覚は「暗視Lv1 必要ポイント1pt」と「遠視Lv1 必要ポイント1pt」、聴覚は「可聴域Lv1 必要ポイント1pt」と「超音波Lv1 必要ポイント1pt」、ウイルスは「感染Lv1 必要ポイント1pt」「種類Lv1 必要ポイント1pt」と「変異Lv1 必要ポイント1pt」となっていた。
康平は一通り目を通し終わると、今見た情報をアルメリークに伝える。アルメリークは康平の説明をなるほどと言いながら素直に聞いていた。
「その中でしたら確かに今は飛行系がいいかもしれないですね。とりあえず羽ばたきと滑空のレベルを上げてみましょうか」
アルメリークの提案に康平も同じ意見だったのか、素直に頷き再び飛行の項目に触れると、まずは羽ばたきLv1の項目に触れる。
するとステータスボードに「羽ばたきLv1 必要ポイントは1ptとなります。レベルを上げますか?はい、いいえ」と表示される。康平は躊躇わずに「はい」に触れると、ステータスボードに羽ばたきLv1を獲得しましたと表示され、羽ばたきLv1と書かれた項目のすぐ上に???で隠れていた部分が羽ばたきLv2 必要ポイント2ptと表示される。
(スキルレベルを上げていくと必要ポイントも増えて行く仕様なのか。……これは今後ますます悩ましくなるな)
康平はそう考えながら続いて滑空Lv1の方も同じように獲得する。するとこちらは???が2つ空き、片方は「滑空Lv2 必要ポイント2pt」となり、もう片方は「体当たりLv1 必要ポイント1pt」と表示される。
(お、やっと攻撃らしいものが出てきた。これはちょうど1pt余ってるし取得しといた方がいいな)
康平はそう思い、一応アルメリークにも同意を取ると体当たりも一緒に取得する。そして無事にスキルを振り分け終わったのをアルメリークに報告すると、アルメリークも嬉しそうにうんうんと頷く。
「では準備は整いましたので、まずは上手く飛べるようになったか、一応試してもらってもいいですか?」
アルメリークは康平にそう言うと、康平は素直に頷き恐る恐る羽ばたいてみる。すると転生したばかりの時は全くといっていいほど浮かばなかったのに、今度は徐々に手のひらから離れていった。
「……お?おぉ!ちゃんと飛べた!」
康平は転生してから初めてテンションが上がり、さらに力強く羽ばたいてみせる。それを見て少し心配そうな表情をしていたアルメリークもすぐに安堵の表情になり、差し出していた手を引っこめる。
「よかったぁ、これでついにレベル上げが出来ますね。……では、アザゼルさん、準備も整った事ですし私に体当たりをお願いしますね」




