表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dark moon  作者: chocolatier
裏警察へようこそ
15/48

ゆるり、と睫毛が震える。

瞼が持ち上がり、薄茶の眼が辺りを見渡す。

幸か不幸か。ラルムのその変化に一番に気付いたのは風呂上りの小野寺だった。


「およ、起きた?」


珈琲片手にラルムの眼を除き込む。

たっぷり、1分の静寂。


「ぅぎゃぁあああああああああ!!」


ラルムは悲鳴を上げて後ずさる。残念ながら大きなソファでは無いから、すぐ落ちた。

しかし、後頭部を打っても彼は小野寺と距離を置きたいらしく、ジタバタ暴れている。


「ちょっと、落ち着きなよ!珈琲飲む?クッキーもあるけど…」

「ひ…人殺し!!」


ラルムがそう叫んだ瞬間。場は水を打ったように静かになった。


「た、助けてください!!

こ、この人さっき人を殺したんですよ!?」


必死の形相で叫ぶ青年。残念だが、それに合わせてやれる人間はこの組織には存在しない。

今この談話室で『人を殺した人間、挙手』と言えば、全員手を挙げなければならない。

それも、一人二人殺したなんて話ではない。二桁なら未熟者。そういう世界だ。


沈黙の中で、何も知らない青年の荒い息だけが響く。

それを破ったのは革靴の音。風呂場から戻った、真田だった。


「小野寺先生がさっき人を殺したのは知っていますよ。

僕もその場にいて、数人殺しましたから」


にっこりと笑顔で一歩踏み出す。青年はそれに怯えたように「ひっ」と喉を鳴らして這うように後退する。顔色は、最早紙のように白い。


「ぼ、僕も殺すのか?」


いよいよ壁に追い詰められて震えるラルムの胸倉を、真田が引っ掴む。


「もうそろそろ、止めてやれ」

「…月島さん」

「秀の事が気にかかるのは分かるが、駄目だ。

お前の拳では、彼の頸が折れる」


その言葉で、真田はゆっくりとラルムを離した。

解放されたラルムは、尻餅を付いたまま状況が分からず月島を見上げるだけだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ