26 赤い男
しばらく男についていくと、高さ3メートル程の淡く光る真っ赤な柵が見えてきた。
「あれが<カゴ>か?」
「ああ。俺が魔法で作った。
1つの遺跡をぐるりと囲っている」
「すごい……常に火炎魔法を付加し続けてる……」
「触れるなよ。一瞬で消し炭だ」
おお怖。もうちょっとで真っ黒焦げだ。
リリィが関心してるってことは、魔法的に見て結構な実力者ってことか。
男と柵に沿って歩き、10分くらい経ったあたりで
民家が見えてきた。
柵の手前側の民家は普通だが、柵を越えた先の民家は、所々が崩れ落ち、荒らされていた。
柵の手前側の民家から人々がこちらを伺っている。
歓迎って雰囲気じゃねえな。
ひときわ簡素な家に着いたところで男が声を出す。
「入れ。もてなすことはできんがな」
「茶くらい出してくれよ」
「お、おかまいなく……」
家の中は薄暗かった。
本棚、テーブルが1つずつ。椅子、ロウソクが2つ。
本棚の中はいっぱいだったが、本もホコリをかぶっていて、しばらく触っていないのがわかる。
「椅子に座れ。少し長い話になる」
「ちょっと待て。
そういえば、何で俺のことを知ってた?」
「貴様は有名人だろう。いろんな意味でな」
こんなところにも俺の噂広まってんのか……
うわっ、急に恥ずかしい。
「そ、そうか……
まあ一応自己紹介はしとく。
桜田勇太、<暗殺者>だ」
「あ、えっと、リリィ・マクマイン、です。
ま、<魔術士>です……」
男はリリィの自己紹介を聞き、ほう、と声を漏らす。
やっぱり魔法使い同士、感ずるところがあるのか。
俺たちを見比べ、しばらく黙り込んだ後
ようやく男は正体を明かした。
「俺はガルーダ。<魔導師>だ」
リリィが椅子ごとひっくり返った。
こんにちは
小夜寝草多と申します。
偽暗殺者編も終わり、またしばらくはシリアスな話が続くかと思います。
新キャラが登場しましたが、彼は今後の展開や世界観の説明なんかに深く関わってくるので、是非ご注目ください。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。




