22 魔王軍
「魔王……直属…………」
「様をつけろよ。無礼者め」
思わず呟いた。
魔王軍。こんなに早く会えるとはな。
「会えて嬉しいぜグラストミア。
ずっと探してたんだ。
お前ら魔王関係者をな」
「僕もずっと探してたんだ。<鍵>の居場所。
前行ったところはハズレだったからさ」
散歩でもするみたいに大道芸人……<クリスタル>に近づくグラストミア。
俺も近づく。同じように歩いて。
こいつは強い。とんでもなく。砂漠の蛇とは比べ物にならない。
「うおらああ!!」
「血気盛んだねえ。
嫌いじゃないよ、そういうの!」
短刀を抜いて振りかぶる。
なっ、こいつ……いつの間に大剣を手元に……
刃と刃が交わる。
相手が大剣でも、<暗殺者>の力を持っていれば押し勝てる……はずだが、軽く力を入れただけでは勝てないようだ。
「君、やるねえ。
僕、ちょっと力を入れてるのに」
「奇遇だな。
俺もちょいと押してるよ」
グラストミアの眉がヒクッと動く。
こいつ、負けず嫌いだ。俺と同じ。
1振り、2振り、3、4、5。
そっから先はわかんねえ。
頭が理解できない程速く、鋭いやり取り。
勝たなきゃいけねえのに、魔王を倒さなきゃいけねえのに。
楽しい。
笑みが零れる。力がみなぎる。
俺はどこまでいけるんだろう。どこまで速く、強く。
こいつと、どこまで。
「!」
「ああ? どうしたよ」
「ディレイン様から連絡」
魔王から……
魔王ってどんな奴なんだろう。
今までのことから、良い奴じゃないのは確かだ。
「撤収って……何でですか?
ああ、<犬>が……
わかりましたよ、帰りゃいいんでしょう」
「なんだ、帰るのか?
クリスタルは貰っていいんだな」
「好きにしたら。……君、名前は」
「桜田勇太。
魔王は必ず潰すが、お前とはまた戦いたいな」
グラストミアはこちらを一瞥し、踵を返したと思ったら黒い穴が空中に現れ、そこに消えていった。
「ふうー……そうだ、クリスタルは……」
「ユウタさん、あの、大道芸人さんが……」
リリィが俺を呼ぶ。
まだかろうじて人型を保っている大道芸人。
すぐ近くまで行ってやると、消え入りそうな声で話し始めた。
「お前、魔王の敵、だったん……だな…………
悪人面だから、わかんなかったよ…………」
「うるせえ。で、なんだ」
「世界を、救えよ……強者…………」
そう言い残し、大道芸人は俺の左手首におさまった。
こいつは待っていたんだろう。
魔王を倒せる奴を。
その為の大がかりな試練。
それが、<魔法の都>だったんだ。
今までお疲れさん。
「救ってやるよ。ついでにな」
こんにちは
小夜寝草多と申します。
新キャラ!!
混乱!!
とはいえ、グラストミアは、キャラクター案が出た段階で大好きになったので、登場させることができてものすごく嬉しいです。
グラストミア!!!
ここまで読んでくださりありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。




