19 いつも通りの朝
「何もわかりませんでしたね……」
「………………」
あの後広場に行ったが何も無く、
街をうろついても結局何も見つからない。
夜中から早朝。そりゃあ普通の奴は寝てる時間だ。
不自然なところが無いか探しまくった。
路地裏、植木鉢、果てはゴミ箱。
はたから見たら完全に頭がおかしい。
とうとう朝になっちまった。
今は広場のベンチで休憩。
そろそろ人通りも増えてきて、人々はいつも通りの朝を営んでる。
「ここにクリスタル無いんじゃねえの?」
「そんなことないんじゃ……
300年前の<魔導師>が予言したことなんですから
間違いありませんよ」
そんなにすごいのかねえ<魔導師>。
俺がこんなだし、案外弱いんじゃ……。
しょうがない、もうちょっと調べるか。
「リリィ、もう1回街を……」
ふと、目に入ってきた。
朝一番で広場で支度をする大道芸人。
その手首についている、綺麗な輪。
まるでミサンガのようなそれに、俺は見覚えがある。
「クリスタル…………?」
「へ?」
大道芸人がこちらに気づいた。
屈託の無い笑顔が向けられる。
三日月みたいな口は、とても愛想が良さそうだ。
「………………気のせいか……?」
「「「気のせいじゃないよ」」」
そこら中にいる都の住人は、1人残らず体ごと俺の方を向いていた。
青白い無表情。無感動で抑揚の無い声が幾つも同時に投げかけられる。
まるで人形みたいな人々の中、あいつだけは三日月のような口を閉ざさなかった。
あの大道芸人だけは。
こんにちは
小夜寝草多と申します。
何かあるかな!?
と思ったら何も無い
と思ったら……
というループ。
以外と好きです。
いずれ抜け出せるとわかっていてこそのような気もしますが。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。




