14 本物
「……待てよ…………沙由里が…………」
「幻覚です。あの<大蛇>の吐く毒霧の効果です」
大蛇?
リリィの奥には、気がつかない方が不自然な大きさの蛇がとぐろを巻いていた。
全長が想像できねえ……。
…………幻覚……そう呼ぶには、
あの感覚はリアル過ぎた。
まだ頭がボーッとする。
あのままでいたかった。あれで良かったのに。
「しっかりしてください!」
大きな声にビクリと体が跳ねた。
いいだろ別に。ほっといてくれ。
「うるさいんだよ! 邪魔すんな!
なんなんだお前! 逃げたんじゃなかったのか!
なんでここにいるんだよ!」
「ユウタさんが言ってくれたんじゃないですか!
生きて、本当の勇気を持てって!
だから私は戦うんです!
みんなが笑ってる村を取り戻すから!
お父さんに言われたからじゃない……
自分の意思で!!
なのに……何やってるんですか!
あなたこそ……ユウタさんこそ死のうとしてるんじゃないんですか!?」
……俺そんな大層なこと言ったっけ。
たかだか俺の言葉がリリィを変えたって?
冗談だろ。エゴイストごときに。
「ユウタさんは……幻覚で満足ですか!?
本物を手にするために
魔王と戦うんじゃないんですか!?」
本物か……
俺、馬鹿だなあ。
何やってんだよ23歳。子どもに説教されてやんの。
「ユウタさん!」
「悪いなリリィ。助かった。
下がって……いや、サポート頼む」
「! は、はいっ!!」
年上らしく、かっこいいところ見せないとな。
とか思いつつも、やっぱ俺はエゴイストだ。
いいじゃねえかエゴイスト。
「おいクソ蛇。
覚悟しろよ。
沙由里のフリをした罪は、死んだくらいじゃ許されねえぞ」
それで誰かを変えられるなら。
こんにちは
小夜寝草多と申します。
書くのがどんどん楽しくなる小説って素敵ですね。
ただ、自己満足にならないようにしないと、後で見返して恥ずかしいですよね……
頑張ります!
ここまで読んでくださりありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。




