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六話



一日でダンジョンを三つテイムはかなりの負担だったのだろう帰ってきてすぐに気絶するように昼過ぎまでぐっすりと眠った。


「腹減った」


囲炉裏に火を入れて網を置きそこに昨日買って来た鯵の開きを焼く。

米と鯵の開きで朝食兼昼飯を済ませダンジョン庁の公式サイトを覗く。

【ゴブリンの天敵】を持っている人が居るかどうかだ。


……結果、誰も持っていませんでした。

そりゃそうだ、ゴブリンの居城となると何十人ものプロがレイドを組むんだから取れるわけない。

また秘匿案件が増えました。

しかもレベルの上がり方も異常でした、レベル十になるまでは最短で一年掛かるらしいですよ。

二日でレベル九まで上がってるんですが…運が良かった?のか。


複雑です。

大学退学からスキル獲得にレベル速上がり。

できればその運、大学の時に発動して欲しかった。

…たられば考えても仕方がない。

今の目的はダンジョンのテイムで最終目的はダンジョンで儲けてのんびり民宿経営。

よし! と気合を入れた時にそれは現れた。


『ダンジョンコアを五つ合成したためダンジョンのレベルが上昇しました』


ダンジョンのレベル?

すぐさまダンジョン庁の公式サイトを見るが、ダンジョンのレベルなど無かった。

その足でウチのダンジョンに。


中に入ると画面が現れた。


〉テイムダンジョン

〉レベル一

〉ダンジョン名称無し

〉ランクX

〉深度C、D

〉全十階層

〉魔力15/125

〉スタンピード 設定off


うん、階層増えたよ! ただでさえ敵が強いダンジョンなのに余計ヤバい。


〉階層

一階から五階 深度Dランク

六階から十階 深度Cランク


コレは…神アプデでは!?

ダンジョンコア集めて階層増やしていけば弱い階層にしていくことができる。

低レベルの討伐者から上レベルの討伐者まで。


次はレベルを触る


〉次のレベルまで 低ランクダンジョンコア五個 中ランクダンジョン以上一個 

低ランクダンジョンコアは今までと一緒だからわかるが、中ランクダンジョンコア以上ってどっからなんだか…


取り敢えずやることは決定。

過疎ダンジョンコア吸収と大手ダンジョンのテイム実験が必要だな。

すぐにでも過疎ダンジョン行きたいが流石に二日で四箇所のダンジョン消滅は目立つ。

何も考えてなくて反省だわ。

まあ、明日は考えた上で、昨日テイムしたダンジョンに比較的近いところで四つ程の過疎ダンジョンテイムする予定ですけど。



⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎


早朝からバイクをすっ飛ばして再び、過疎ダンジョンへ。

今日の目的はレベル上げではなくダンジョンのテイムが目的だ。

完全武装でダンジョンに向かうと管理者の人とすれ違う。

流石は、ダンジョン管理者。

「シュコー、シュコー」言ってるこの姿を見ても一切の動揺なし、なんなら笑顔で会釈してくるくらいだ。


ダンジョンに入ってすぐにテイムした。

普通に「テイム」と言ったら失敗の挙句煽られ最終的にはいつものように情熱的に「テイムゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」だ。

やっぱ感情論なのか、恥を捨てて思いっきりやると一発でテイムできるんだよな…

他三箇所のダンジョンも同じようなモノだった。

やはり情熱的なテイムは一発で決まる。

個人的には嬉しくない結果だ。


今はまだいい、人がいない過疎ダンジョンばかり選んでいるから。

いずれ過疎ダンジョン以外に行った時こんな行動しているやつ見たらどうしますか?

自分なら通報の一択ですよ!


とまあ、はしゃいで居るうちに我が家へと到着。

したのだが、見たことのないキャンピングカーが我が家の前に。

おいおい、いくら廃屋に見えるからって心霊スポットじゃないぞって…マジか


俺の視界には三人の男女が。

アレだあまり刺激しないようにバイクのエンジンを掛けフルスロットル!!

良い子は真似しちゃダメだぜ。

おかしいバイクって走らない乗り物だっけ?

なんなら逆ウィリー状態なんですが?

後ろを見ると大人しそうな女性と目が合う…バイク持ち上げてますね。


片手で!?


取り敢えず、バイクのエンジンを切る。

何事もなかったかのように女性に挨拶する。


「麗華じゃないか、久し振り…バイク離して怖いから」

「逃げようとしたわよね」


淑女のスマイルと言うのはこの人の笑顔を言うんだろう背中と手汗がびっちょびちょですよ。


「逃げようとした訳ではなく忘れてた買い物をしに行こうかと」

「何を?」

「ガラス」

「……まあ、良いわ。 ダンジョン管理者になったなんて聞いてないけど」

「誰にも言ってないのに知ってるお前が怖いんだが」


そう本当に誰にも言ってない大学も表向きには都合による自主退学だ。

そして離れて俺と麗華のやりとりを見てキャッキャはしゃいでる二人覚えてろよ


「あなたの大学に講師として呼ばれたのよ。 それであなたを探したら自主退学したって…どう考えてもあり得ないでしょ。 ちょっと調べたら管理者になってここに居るってわかったの」

「俺はその『ちょっと』の辺りが気になるんですが」


麗華は大人しそうな狂人だからな、高校の頃、理不尽な教師を理詰めで追い詰めて泣かしたからな。

オッサンの号泣はキツいぞ。


「ちょっとはちょっとよ。 そうじゃなくて理由を聞いてるの」

「あー理由ね。 お前ら絶対来るじゃんダンジョン管理者になったなんて知ったら」

「当たり前でしょ」


まあ、麗華含め他二名は小学生からの腐れ縁だ。

昔から何かと気をかけてくれる。

そして今は三人とも名の知れた存在で、討伐者の中でも一握りのプロハンター、更にその上澄に居る若手有望株だ。

恐らくウチのダンジョン潰しに来たんだろう…無償で。


「お前らダンジョン潰しに来たんだろう?」

「当たり前じゃない」

「お前らプロだろ。 依頼もしてないのに潰そうとするなよ」

「……っ、でも」

「でもじゃない。 ウチの中で話そう」


俺は玄関に向かう鍵を開け、指紋認証し、虹彩認証してオープン。

ちょっとした重要施設並みのセキュリティーだ。


「こんな田舎の廃屋にそこまでするか? 普通」


そう言って来たのはチャラチャラヘラヘラした男新島太郎(にいじまたろう)

通称、タロ。

世間ではタロ様とか呼ばれて調子に乗ってるらしい。

棍棒で潰してやろうか!!

なにをとは言わないが。


「マジでここに住んでるの?」


そう聞いて来たのは軽い口調の新島花(にじまはな)

タロの双子の妹だ。

コイツと麗華はちょくちょくモデルとかやってるらしい。


「住んでるぞ。 まあ、家の中に入れ。 そろそろ冷え込んでくるからな話はそれからだ」


囲炉裏に火を入れてそれを囲む四人。


「めっちゃ暖かい」

「この床ってトレントじゃない?」

「惜しい、ハイトレントだ」

「上位種かよ!? めっちゃ高かっただろ」

「住むと決めたからには良いものをってな」


俺は薬草茶を三人に配る。

ウチのダンジョンの入口に生えてた劣化薬草だ、なんとなくお茶にしたら美味かったので常備している。

そして俺はダンジョンの管理者になるまでの経緯を説明した。


「深度Cか…」

「正直言って厳しいわね」

「ウチらDまでしか行ってないもんね」

「ん? お前ら深度Dまで行ってるの?」

「「「うん」」」


三人がハモった。

話を聞くとランクの高い深度Dダンジョンしかなくレベル上げ目的で一回潜るだけでまあまあの赤字らしい。


「だったらウチのダンジョン使って良いぞ」

「いや、お前のとこ深度Cなんだろ? 流石に無理だって」

「いやいや、ウチのダンジョン一階から五階までは深度Dだぞ」

「「「は?」」」


三人の呆れたような声が響いた。



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