表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
327/337

231, ダンジョンで、……攻略は、二十九階へ ⑥ 血の雨

「ごく普通のチキンライス。ナポリタンパスタ。ハンバーグ。今回のメニューは、そんなもの。ドリンクバーは、別魔力で。」

 俺は、今日のメニューを詳細を省いて開示する。


「本当に普通だな。だが、普通がいい! だけど、魔力? なんで、魔力?」

 おやおや、ジボは欲が無いねぇ。


 そして、システム知らんかったんかい。

「そういうシステムだから。おやつポイントを補填するためのものでもあるけど、床暖の工房で稼働しているコピーゴーレムは本人の魔力でないとダメでさ。今回から滞納すると、一品足りなくなる。」

 ホント、滞納者が多くて。

「「え、え、マジっ! コピーゴーレムとか聞いてないよ!」」

 最大滞納者ユータク・クァッチャ、次点ヒィロ・シクワバの二名が中心となって騒ぎ出す。


「魔力払いって言っていたじゃん。それをどう使うかなんて、こちらの自由だろう? 何だったら、工房まで跳ばすよ、工房まで。跳ぶ?」

「「い、いいえ、結構です。帰りが不安過ぎる。」」



「だけど、普通…ねぇ。セトラに普通って……、無い。うん、無いな。」

 ショッツもといノインの無い宣言、分かってらっしゃる。

「……ノイン…。」

 だけどジト目でノインを睨んでいると、突然というか胸を強調するかのように腕を組んだ。


 目が笑っている。

 危険信号が脳裏に鳴り響く。

 やばっ。

「セトラ、見たいなら見たいって言ってくれればいいのに。ボクと君の仲(・・・)でしょ?」

 その言葉が発せられた瞬間、俺の周囲が物理的に凍った。たぶん、魔法。

「「「「「「セトラさまぁ、正座!」」」」」」

 鬼嫁たちの降臨です。


 少々お待ちください。

 ただ今、折檻中です。

 所により、血の雨が降るでしょう。







「あいたたたた。」

 俺の言葉に、ユーコとジボが呆れている。

「「そんな言葉だけで済むのか、オイ。」」

 しょうがないよ、慣れちゃったんだし。ステータス上はアレだし。

「まぁ、美味いメシでも食べるとしようか。」


 ゴーレムホテルの中に引き出された製造ラインは、弁当工場のような、F1サーキットを彷彿とさせるものだった。

 目の前の男子用と女子用のパネルと、大人用と小人用の文字のボタンを魔力を込めて押すことでスタートするのだが。

 なぜか、俺たちは子供(こども)なのに、小人(こびと)用なのかは不明である。


「ポチポチっとな。」

 俺も魔力を込めて、ボタンを押した。

 男子用、小人(こびと)用の組み合わせで。


 一枚の皿らしきモノが、奥から流れて来て何ヶ所かに停止する。

 その度に、半球状の物体や長四角い物体、楕円状の物体などが皿に乗る。

 

「冷凍食品か? 電子レンジなんて無いぞ?」

 ジボの不安そうな声が響く。


「大丈夫、魔力(・・)レンジが用意されているから。」

 なんともないぜという風に俺は、言葉にしておく。



 色々と皿に乗っかった後、出口付近の少し大きめのボックスに入った。

 『魔力レンジ、作動しますか?』の文字が明滅する。

 『作動魔力取り入れ口』と書かれた扉が開く。

 左手を突っ込み、魔力を放出する。

 やがて、『チ~ン』と鳴ったかと思うと、皿が出て来た。


「これって、皿じゃなくて、プレートじゃないか?」

 固唾を飲んで待っていた、同期の連中は肩透かしを食らったかのように、呆然と呟いていた。

 俺の皿は魔力レンジの作動により、トラック(荷台付き自動車)にデフォルメさせて、すっかり形を変えていた。


「今日のメニューは、懐かしのワンプレートメニュー。究極の【お子さまランチ】だぁぁぁぁ!」

 そう、ぶち上げた俺に、周りから『ナニ言ってんのコイツ?』という視線が集中する。


「「【お子さまランチ】って何ですの? 聞いたことがありませんわ!」」

 リメラとリウスが当惑顔になっている。

 そりゃそうだ、言ったこと無いもんな。


「一つの(プレート)にメインが盛り合わせになっている超お得で、心躍るメニューだよ。」

 リメラとリウスに簡単に説明する。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ