232, ダンジョンで、……攻略は、二十九階へ ⑦ バカ魔力
「【お子さまランチ】…、それは『夢』かな?」
そう言って、普通のチキンライス。ナポリタンパスタ。ハンバーグ。大きめな(当社比)プリンの載っているプレートを持って従魔たちの元に近づく。
その後ろでは、騒動が起きていた。
「どこが、『ゆめ』なんだよぉ!」
「夢はユメでも、悪夢じゃないかよぉ!」
などと、夢の無い叫びが!
男子用と女子用のパネルと、大人用と小人用の文字のボタンを魔力を込めて押すことでスタートするのだが。
大盛りを狙って大人用を押した男は、嫌いなピーマンが出て来てガッカリ。
同じように女子用で大人用ボタンを押した、とある彼女はプリンではなく、小さめのワインゼリーをゲット。涙目なのはモチロンである……南無。
そんな中、戸惑いつつも突破したのがショッツ! もといノイン。あ…、ゴメン。
「ボク…、どっち押したら…、ええい! 一か八かだ!」
男子用と女子用のパネルの前で、悩みに悩んだあと、両手に多量の魔力を纏わせて両方のパネルにドカンと叩き込んだ。
大量の魔力によって、ゴーレムホテルの中に設置された製造ラインのパネルにスパークが走った。
「……ノイン、たとえ一か八かでも、限度って有ると思うのだが?」
思わず、俺は苦言を呈する。
「ご、ごめんなさい。」
素直に謝ったノインの声に被せるかのように、ゴーレムホテルからの報告が入る。
『が…ぴー、コピーゴーレム『ショッツα』、『ノインα』の起動を確認。…工房における作業を開始しました。…報酬として、スペシャルコースの開設を実施。…魔力のコード化を開始、…コードを記憶しました。…今後、メニューに魔力を入力することで実施されます。』
あまりの魔力に、コピーが造られたようだ…。しかも、二体とは……。
「え? ゴーレム起動? それも二体か? なんて、バカ魔力……。」
驚きで開いた口が塞がらない。
「あ、メニュー、開いた。えーと、基本は、チキンライス。たらこスパにして、チーズ入りのハンバーグ。えへへ、とどめはコレ。」
とどめが出た時の女性陣の嘆きは激しかった。
「「「「ああぁ、ズルぅぃ!」」」」
「ズルくないもん!」
超特大の真ん中に穴の開いたホールプリン、中央部には生クリームが充填され、イチゴが盛り付けられていた。
「本当の意味で、スペシャル…だな。」
あきれて、物も言えない。
「あんたたちだって、魔力を叩き込めば食べられるかもしれないよ。工房のゴーレムが動くくらいの魔力をね。ね、セトラ。」
いい笑顔でノインがそんな事を宣うものだから、女性陣は燃え上がった。
「「「「「やってやるんだから!」」」」」
今までのどれよりも気合いの入った魔力充填に、次々と女性陣はクリアしていき、ゴーレムホテルからのコピーゴーレム起動の報告が鳴り止まなかった。
ただし、プリンの大きさには個人個人で差異が出たため、悲喜こもごもではあったようだ。




