227, ダンジョンで、……攻略は、二十九階へ ② 闘技場のウラ
遅くなりました。
マショウ・ジカイの発した『階段とともに、到着したでする。』
モーンの一族のその声。
ダンジョンの各階層を牛耳っている門型モンスターの一族のひとり?
「なぜ、今、ここに?」
いまだ驚きを隠せないまま俺は、問い掛けた。
『あ、マスター。やっと繋がりましたぁ、でする。本来のダンジョンフロアのルートを辿るしか、それがしたちには繋がる力が無かったんでする。』
マショウ・ジカイの答えに、そう言えばと、思い出した。
「ああ、そう言えば、途中で召喚されたんだっけ。ドーターと出会ったり、大気圏突入したりで忘れていたな。おまけに召喚のヌシが、ぽんこつお姫様では……。」
「ううっ、ぽんこつ言うな。セトラ!」
ユーコが頭抱えて蹲っていた。
『それがしがここに到着したからには、次の階に繋がっているで、でするが?』
「それって、この空間が固定できたっていうことか?」
この地球という星の内部に存在するマントルというマグマの流れの中を、ある意味漂流していたこの地底世界が、漂流を止めたということになる。
『はいでする。現在の時点で、惑星「地球」内部のマントル帯に停滞かつ滞留してるでする。階段固定により、次元も固定になったでする。』
もともと始原のクリスタルの力の暴走が原因で地球内部に突入したのだ、その制御が安定していればこのような無茶な事態は引き起こしていなかった。
あのユーコ達、リューグの民が怖れていた魔獣の瀑布のような不自然な自然現象は、アトルとランティスの島が崩壊した時に、始原のクリスタルが内部振動数に与えられた衝撃で、不規則な揺れを引き起こしていたためのもの。
いまもこの地底世界に始原のクリスタルは内在し、いまやこの世界の新たな守護者にその存在を明示していた。
クリスタルの写し出されたマップ兼任の、ステータス鑑定画面に地球時間が増設されて表示されていることに気付いた。
「うえっ、地球時間…ってナニ?」
「ええっ?」「ああっ、ほんとだぁ。」
リューグの現在地は、どうやら旧ニッポン州の地下のようでJタイムと、表示されていた。この仕様は、仲間全員がそうみたいで、あちこちから驚きの声が上がっている。
「「あら、わたくしたちもですわ。地球って、どこなんですか?」」
なぜか、リメラやリウスも同じようで、不思議である。
「ああ、ここが地球だからな。それにしても不思議な話もある…。…いや、待て。守護者は俺だとしても、この仕様のタネは…。魔王、また貴様が関わっているのか?」
俺たちは本来のルートから外されて、ここに強制召喚された。
なのに、本来のルートの先に、なぜか俺たちが居るのだ。
そんなのが道理なんて、おかしくない訳が無い。
「「「「「あ、そう言えば!」」」」」
言われてみて初めて気付いた他の面々。
「物心が付いていない時の言動は記憶に無い。」
シャイナーの物言いは、いつものパターン通りで、何とも言えん。
まったく、コイツは!
「「セトラぁ、コレどうにかして!」」
そう言ってきたのは、カイザーとユーコ。
頭の上に、奇妙なタマゴを載せていたからだ。
かつての同じことになったことのある被害者たちは、かつての自分たちを見ようで同情を感じていた。
ただ、何とも奇妙な姿に失笑を禁じ得なかった。
カイザーの相手だったはずの、ショッツも同じ事態になっていたのだがアイツには既に憑いているヤツが居るため、単に異常事態に対する経験値が違うだけだろう。
むしろ、ガルバドスン魔法学院の同期や再度入学したメンバーのほぼ全てが、頭上に、同じようなウズラほどの大きさのタマゴ状のモノを鎮座させていた。
ゲンブの外装に保管されていた当事者に関するモノのすべてが、付喪神化したからだ。
バトルロボだったり、鉄王ウモタ関連のグッズだったり、レイカ人形だったりした。
みんなの状態を確認していると、当のショッツがボケた。
「うむ、これが本当の九十九神か。」
「「「「「「「「ショッツ! マジメにやれ!」」」」」」」」
そこに居た関係者全員が、キレることになったのは言うまでもない。
無論、この事態を引き起こしつつ、無関係だと宣っていた魔王のシャイナーさえも含まれていたのは、ある意味では当然の出来事であったと言える。
南無南無。
プロットは立っているのに、遅々として進まない。
う~む?
頑張ります…。




