↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
322/338

226, ダンジョンで、……攻略は、二十九階へ ① 闘技場のウラ?

戦いではなくて、すみません。バトルロボなのに…。

『う~ん、なんでボク、主(マスター)が認識できるんだろう? ゲンブの中で寝過ぎたかなぁ。軽く計算しても、ほぼ一万年は過ぎているものなぁ。』

 ゼロ(ボク)が独(ひと)り言(ご)ちる。


『でも、かいざーとの対戦かぁ。燃えるよね、コレは。』

 ゼロ(ボク)は自慢のクジャクの尾羽根模様を広げる。

 損傷は治して貰ったから、自機の戦闘行為に不安は無い。


『ボクの主(マスター)と、ゲンブの主(マスター)が調整してくれたんだもの。これは、一発仕掛けてみようっかなぁ。』

 久し振りの戦闘を強敵のドリルゲンガーと繰り広げたゼロに勝敗ポイントが振り分けられ、どうやら自我が芽生えたようだった。


「行け! ゼロ!」

「ビンガ…、頼むよ。」

 という、双方の主(マスター)によって、勢いよく引かれたスターターの銃爪(ひきがね)によって、規定の長さの巻き糸が巻き上げられることによって、バトルロボの内部に闘争の意志が込められる。


 ……ハズだった。


 目を光らせ対峙するボクと、かいざー。

 かいざーがビンガという名だったのは、いま初めて知った。




『オォゥゥァァ(ビンガ、参る)!』と、紅い毛玉鳥が雄叫びをあげると、蹲(うずくま)った鳥が立ち上がるが如(ごと)く、スリムに変化すると尾羽根に飾り羽根が顕現(あらわ)れる。


『似てる。』

 その姿は、ボクに似ていた。……とても。

 ゼロ(ボク)は主(マスター)たちが装備しなおした孔雀の羽根を、足元の装備から一部を跳ね上げる形で保持、『フォゥアァァ(ゼロ、行きまーす)!』と叫び返した。


「セトラ、似てる!」と、驚いて言葉が幼くなるノイン(マスター)。


『オォゥゥァァ(むむっ、なにヤツ)!』と、ピョンと跳ねるビンガ。

『フォゥアァァ(こいつ、やる)!』と、ピョンと跳ねるゼロ。


「そうだな…。」としか、返せないゲンブの主(マスター)のセトラ。

 彼の周囲に精霊化した眷属たちが潜在しているようなのを、ボクは検知しているよ。



「セトラ、目が光った!」と、ノイン(マスター)。


『オォゥゥァァ(我が翼の気高さを見よ)!』と、羽を広げるビンガ。

『フォゥオァァ(ボクの方が力強いよ)!』と、羽を羽ばたくゼロ。


「そうだな…。」としか、返せないゲンブの主(マスター)。



「セトラ、ゼロが叫んだ!」と、ノイン(マスター)。


『オォゥゥァァ(我の蹴り足を見よ)!』と、ピョンと跳ねるビンガ。

『|フォゥアァァ《ボクだって、負けないよ》!』と、ピョンと跳ねるゼロ。


「そうだな…。」としか、返せないセトラ。



「なあ、ノイン。俺いま気付いたけど、あのバトルロボってどこに仕舞っていたっけ?」

「ゲンブの外装の中。当時の最新式のシェルターを改造したんだよ。」

「そうか…。」


『オォゥゥァァ(我の持久力を見よ)!』と、ピョンピョンと跳ね回るビンガ。

『フォゥアァァ(ボクの方が高いよ)!』と、ピョンと跳ね上がるゼロ。

『…オォゥ(…我は)? キュゥ(…我は)?』

『…フォゥ(…ボク)? キュィ(…ボク)?』


 お互いを認識したのか、首を傾げる二羽(ふたり)?


「カイザー、あれはああ言う仕様か?」

「…いや、シークレットモードではあるが、あんな仕様になっているとは気付かなかったよ。」

「だろうね。なんか、闘いっていうよりも、アレ出逢っちゃったみたいだぞ…orz」

「「出逢う?」」

 主(マスター)たちが、意味が分からんと、首を捻っている。

「だって、鳳(ほう)と凰(おう)だもの、惹かれあうでしょ、ふつうは。」


『ボクらって、鳳(ほう)と凰(おう)だったんだ。』

 なんとなく、納得できた。どこかで惹かれあっている気がしていたから。


『我も、か。……うむ、我も、だ。』


「「鳳(ほう)と凰(おう)? なにソレ。」」


「鳳凰(ほうおう)って聞いたことない? 神話の鳥のオスメスだよ。ゲンブの外装の中で一万年は経過しているから、ふつうに付喪神になって神格化したんじゃないの? これって。で、ああなったワケ。」


「「マジですかっ!」」

 驚いてしまった主(マスター)たちは、思考停止状態(ドウドゥループ)のようでボクたちでさえ笑えてしまう。


『…オォゥ(…我は)? キュゥ(我は一緒に)オォゥ(居てもいいのか)?』

『…フォゥ(…ボクは)? キュゥ(ボクは一緒に)フォゥ(居て欲しい)?』

 あ、鳴き方、問い掛け?が変わってきたな。



『キュゥ(い、いいのか)? オォゥ(わ、わたしで)?』

『キォゥ(い、いいよね)? フォゥ(オレでも)?』


 そろそろ佳境の様ですか…。


『『キュオオゥ(いいに決まっている)!』』

 羽根を広げあって、お互いを抱える。

 あ、合意したみたい。

 命を繋ぐ戦いは終了した模様。


『『ナニ言っているの、大事な戦いはこれからなんだよ。』』

 そう、まだこの空間でしなければいけないことが残っている。

 それを成したあと、ボクたちは進む方向が違(たが)えてしまうかもしれないのだから。データは交換したから、このあとのすべては主(マスター)たち次第。


『階段、到着したでする。』

 という無粋な声を聞きながら、ボクらはそれぞれの愛すべき相手の主(マスター)の頭上に、飛び乗った。


 することは、ひとつ。







『ポン』『ポン』

 お互いの主(マスター)の頭上に鎮座したのは、うずらのようなボクたちのタマゴです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。