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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
321/337

225, ダンジョンで、……攻略は、二十九階へ ⓪ 闘技場 EXバウト

こ、この展開は…。

 勢いよく引かれたスターターの銃爪(ひきがね)によって、規定の長さの巻き糸が巻き上げられることによって、バトルロボの内部に意志が込められる。


「行け! ゼロ!」

「ビンガ…、頼むよ。」

 双方の主人(マスター)の声にバトルロボが、目を光らせ対峙する。


「芸が細かいなぁ。」

「あのサイズで、この仕様か?」

 と、チーム対抗戦の時にさえ、そんな(・・・)アニメ効果(エフェクト)なんて起らなかったはずなのに。


『オォゥゥァァ!』と、紅い毛玉鳥が雄叫びをあげると、(うずくま)った鳥が立ち上がるが(ごと)く、スリムに変化すると尾羽根に飾り羽根が顕現(あらわ)れる。

「え? こんな姿していたっけ?」

 前世で何度も皇帝(カイザー)ジボのバトルロボと戦ったことのある俺は、とんでもない事態に呆然としていた。


 なぜなら…。


 ノインのゼロが装備しなおした孔雀の羽根を、足元の装備から一部を跳ね上げる形で保持、『フォゥアァァ!』と叫び返した。

「似てる…。」

 そう、呆然と呟いたノインのひと言がその闘いの場を表現していた。


「セトラ、似てる!」と、驚きに言葉が幼くなるノイン。


『オォゥゥァァ!』と、ピョンと跳ねるビンガ。

『フォゥアァァ!』と、ピョンと跳ねるゼロ。


「そうだな…。」としか、返せない俺。



「セトラ、目が光った!」と、ノイン。


『オォゥゥァァ!』と、羽を広げるビンガ。

『フォゥオァァ!』と、羽を羽ばたくゼロ。


「そうだな…。」としか、返せない俺。



「セトラ、ゼロが叫んだ!」と、ノイン。


『オォゥゥァァ!』と、ピョンと跳ねるビンガ。

『フォゥアァァ!』と、ピョンと跳ねるゼロ。


「そうだな…。」としか、返せない俺。



「なあ、ノイン。俺いま気付いたけど、あのバトルロボってどこに仕舞っていたっけ?」

 俺はちょっとヤバいことに気付いた。


「ゲンブの外装の中。当時の最新式のシェルターを改造したんだよ。」

 俺の問い掛けににこやかな笑顔でノインが、答えてくれた。

「そうか…。」


『オォゥゥァァ!』と、ピョンピョンと跳ね回るビンガ。

『フォゥアァァ!』と、ピョンと跳ね上がるゼロ。

『…オォゥ? キュゥ?』

『…フォゥ? キュィ?』

 お互いを認識したか、首を傾げる二羽? と言っていいのかな。


「カイザー、あれはああ言う仕様か?」

 俺はどうしてもジボに聞かなければならなかった。

「…いや、シークレットモードではあるが、あんな仕様になっているとは気付かなかったよ。」

「だろうね。なんか、闘いっていうよりも、アレ出逢っちゃったみたいだぞ…orz」

 くるくると、それぞれ(・・・・)に、舞っている感じがすごくする。

 前世で鳥たちがしていたような求愛ダンスにそっくり(・・・・)だった。


「「出逢う?」」

 ジボとノインが、意味が分からんと、首を捻っている。

「だって、(ほう)(おう)だもの、惹かれあうでしょ、ふつうは。」


「「(ほう)(おう)? なにソレ。」」


鳳凰(ほうおう)って聞いたことない? 神話の鳥のオスメスだよ。ゲンブの外装の中で一万年は経過しているから、ふつうに付喪神になって神格化したんじゃないの? これって。で、ああなったワケ。」


「「マジですかっ!」」

 驚いてしまった二人は、思考停止状態のようで笑える。


『…オォゥ? キュゥオォゥ?』

『…フォゥ? キュゥフォゥ?』

 あ、鳴き方、問い掛け?が変わってきたな。



『キュゥ? オォゥ?』

『キォゥ? フォゥ?』


 そろそろ佳境の様ですか…。


『『キュオオゥ!』』

 あ、合意したみたい。

 命を繋ぐ戦いは終了した模様。


『階段、到着したでする。』

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