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淡々晋書  作者: ンバ
第五十九、司馬亮伝
289/313

四、超デタラメ論功行賞

4.

及武帝寢疾,為楊駿所排,乃以亮為侍中、大司馬、假黃鉞、大都督、督豫州諸軍事,出鎮許昌,加軒懸之樂,六佾之舞。封子羕為西陽公。未發,帝大漸,詔留亮委以後事。楊駿聞之,從中書監華暠索詔視,遂不還。帝崩,亮懼駿疑己,辭疾不入,于大司馬門外敘哀而已,表求過葬。駿欲討亮,亮知之,問計于廷尉何勖。勖曰:「今朝廷皆歸心於公,公何不討人而懼為人所討!」或說亮率所領入廢駿,亮不能用,夜馳赴許昌,故得免。及駿誅,詔曰:「大司馬、汝南王亮體道沖粹,通識政理,宣翼之績,顯於本朝,二南之風,流于方夏,將憑遠猷,以康王化。其以亮為太宰、錄尚書事,入朝不趨,劍履上殿,增掾屬十人,給千兵百騎,與太保衛瓘對掌朝政。」亮論賞誅楊駿之功過差,欲以苟悅眾心,由是失望。

(訳)

武帝が病で寝たきりになると

楊駿の為に排斥される所となり、

かくて司馬亮は侍中、大司馬、仮黄鉞、

大都督、督豫州諸軍事となって

許昌きょしょうへと出鎮する事となり、

軒懸の楽、六佾の舞を加えられた。


子の司馬羕(しばよう)を封じて西陽せいよう公とした。


(司馬亮が)出発する前に

司馬炎は大いに慚愧して

詔を司馬亮に委ね、

後事を託そうとした。


楊駿はこれを聞くと

中書監の華暠かこうに従って

詔書を捜索し、見つけ出すと

とうとう返還しなかった。


帝が崩御すると、司馬亮は

楊駿が自身を疑っているものと恐れて

病を装って宮中へ立ち入ろうとせず、

大司馬(府)の門外から

哀悼の意を表するのみで、

上表して葬儀の経過(欠席)を求めた。


楊駿が司馬亮を討とうとすると

司馬亮はこれを察知し、

廷尉の何勖かきょくに計策を問うた。


何勖は言った。


「朝廷はみな貴公に心を寄せています、

貴公はどうして人を討たずに

人に討たれる事を恐れておいでなのですか」


或る者が司馬亮に

統領する所を率いて入朝し

楊駿を廃するように説いたが、

司馬亮は用いることができなかった。


夜に許昌へと駆けつけたため

司馬亮は免れることができた。


楊駿が誅殺されるに及んで詔が下された。


「大司馬、汝南王の亮は

躬ら深く純粋に正動を行い、

政治の理に通暁しており、

輔翼の功績を宣揚して

本朝に顕著なものとし、

二南の風は華夏の方々へ流れ

遠謀をたのまんとして

王の教化をさかんなものとした。


これにより亮を太宰たいさい録尚書事ろくしょうしょじとし

入朝の際に趨をおこなわず

剣を履いての升殿をみとめ

(入朝不趨,劍履上殿)、

掾属を十人増員し、

兵千と騎馬百を支給して

太保の衛瓘とともに

朝政の管掌に当たらせる事とする」


司馬亮は楊駿を誅滅した功績に関して

論功行賞をおこなったが、

差をつける事が過剰であった。

そうする事で苟且かりそめに人々の心を

悦ばせようと考えたのであるが、

この事から人望を失ってしまった。


(註釈)

司馬炎が死ぬと

楊氏が一時的に政権を壟断。


葬儀の際に殿から出てこなかったり、

年が明ける前に改元したり、

人の諌めに耳を貸さなかったり、

官職をばら撒いたりと、

楊駿の立ち振る舞いは

無能者の見本市状態であった。


衛瓘伝の註に書いたとおり、

司馬亮は楊駿に対して手を出さず

ダッシュで許昌へ逃げている。

この時、陵墓を守っていた石鑒らに

追討の命が出されているが

成功しなかったようだ。


楊駿が倒されると、

司馬亮(と衛瓘)が論功行賞を行うが

この時、1081人に褒美を与えるという

スーパー激甘査定を見せた。


もと蜀臣で呉討伐の際にも活躍した

何攀かはんは、楊駿討伐の功で

食邑一万戸、絹一万匹を打診されたとされる。


何攀は固辞して半分しか受けなかったが、

羊祜ようこすら死んだ時五千戸、

呉平定の際に王渾おうこんが一万戸、

杜預とよが九千六百戸だった事を考えると

明らかに行き過ぎであった。


司馬亮と衛瓘はさらに、楊駿討伐の為に

各地から集まった諸王に帰藩を強要。

そのため、楚王司馬瑋の怒りを買った。


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