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淡々晋書  作者: ンバ
第六十三、李矩伝
281/313

二、食人鬼成敗

※エブリスタ版に追いついちゃったので

ここからは1日1回、0時の更新となります。

2.

矩勇毅多權略,志在立功,東海王越以為汝陰太守。永嘉初,使矩與汝南太守袁孚率眾修洛陽千金堨,以利運漕。及洛陽不守,太尉荀籓奔陽城,衛將軍華薈奔成皋。時大饑,賊帥侯都等每略人而食之,籓、薈部曲多為所啖。矩討都等滅之,乃營護籓、薈,各為立屋宇,輸穀以給之。及籓承制,建行臺,假矩滎陽太守。矩招懷離散,遠近多附之。

(訳)

李矩は勇毅にして権謀が多く、

志は功績を立てる事にあった。

東海とうかい王の司馬越しばえつが以て汝陰じょいん太守とした。


永嘉年間の初め(307〜)、

李矩と汝南太守の袁孚えんふ

おおくを率いさせて

洛陽の千金堨を修復させ、

運漕を利便化した。


洛陽が陥落するに及んで

太尉の荀籓じゅんはんよう城へ奔り

衛将軍の華薈かわい成皋せいこうへ奔った。


時に大規模な飢饉が発生しており

賊の将帥の侯都こうとらは

つねに人を略取して食っていた。

荀籓、華薈の部曲は

多くがらわれてしまった。


李矩は侯都らを討ち滅ぼし、かくて

陣営を築いて荀籓、華薈を救護した。

各々が為に屋宇を立て、

穀物を輸送しこれに支給した。


荀籓が承制するに及んで

行台が建てられ、

李矩は仮の滎陽太守となった。


李矩は離散した者たちを

招き寄せて懐け、

遠近の多くが彼に身を寄せた。


(註釈)

民衆の大半が生まれてきた事を後悔する

地獄の永嘉えいか年間に突入。


当時、李矩は

汝南太守の袁孚えんふといっしょに

洛陽の水運の整備修復に当たっていた。


袁孚については情報少ないけど

石勒載記の序盤で「東襲鄄城,害兗州刺史袁孚」

とあり、兗州刺史に出世したのはいいが

兗州の鄄城けんじょうで石勒軍に殺られてしまう運命。

懐帝紀によると、

永嘉四年(310)の二月の出来事で

袁孚は部下に殺害された、とある。


311年に洛陽が陥落すると

太尉の荀籓は陽城へ

衛將軍の華薈は成皋へ逃げた。

(どっちも河南郡の範囲)


懐帝紀によると

永嘉五年(311)の六月庚寅に

司空の荀籓、光禄大夫の荀組が

轘轅へ逃げた、とある。

丁酉の日に劉曜りゅうよう王弥おうびが侵入、

洛陽はズタズタにされてしまい

懐帝は平陽まで無理やり連行された。

西晋はこれで事実上滅んだ。


王弥伝によると、この時

劉曜が王弥に略奪禁止してるけど

王弥が命令聞かなかったために

見せしめに彼の部下を殺してる。


これに王弥が怒って一触即発になったけど、

王弥の長史の張嵩が

征呉の時の王渾・王濬を

引き合いに出して諌めたため、

ふたりは仲直りした。


その後、王弥が平陽から洛陽への

遷都を提案したが、劉曜は聞き入れず

洛陽に火を放ってしまう。


王弥はこの振る舞いを目の当たりにして

「匈奴のガキが、てめーに

帝王の志がわかってたまるか」

と怒りを露わにしたんだそうな。


忘れそうになるけど、王弥も

もとはそれなりの家柄の漢人なのよね。


そして、荀藩達が逃げた洛陽の東側も

兵難の上に飢饉のダブルパンチで

人の命が羽より軽い状況にあった。


賊のリーダー侯都こうと

「ご飯がないなら人間を食べればいいじゃない!」

と言わんばかりに

人を攫って食っていた。

ヤバイよこの人たち。


これを見兼ねた李矩シロウは

ジャケットを筋肉で吹き飛ばして

モヒカンたちをボコボコにし、

(※イメージ映像)

荀籓たちを保護した。


李矩は仮の滎陽太守となり

離散した民衆を糾合、慰撫して

またもや反胡集団のリーダー

みたいなポジションに戴かれた。


ようやく落ち着きを取り戻したそこへ

エリートゾンビ石勒せきろくが攻め寄せる。


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