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淡々晋書  作者: ンバ
第六十三、李矩伝
280/313

一、司州の塢主

邵続と段匹磾の間に挟まる李矩伝。

塢主として趙に抵抗!


1.

李矩,字世回,平陽人也。童齔時,與群兒聚戲,便為其率,計畫指授,有成人之量。及長,為吏,送故縣令于長安,征西將軍梁王肜以為牙門。伐氐齊萬年有殊功,封東明亭侯。還為本郡督護。太守宋胄欲以所親吳畿代之,矩謝病去。畿恐矩復還,陰使人刺矩,會有人救之,故得免。屬劉元海攻平陽,百姓奔走,矩素為鄉人所愛,乃推為塢主,東屯滎陽,後移新鄭。

(訳)

李矩りくは字を世回せいかい平陽へいようの人である。


童齔こどもの頃、

児童らとともに集まって戯れ、

すぐにその統率者となって

計画を指図していたが

成人のような裁量が有った。


成長するに及んで吏となると

もとの県令を長安へと送り

征西将軍、梁王の司馬肜の牙門となった。


氐族の斉万年せいばんねんの討伐に

殊異たる功績が有り、

東明亭侯に封じられた。


帰還すると本郡督護に遷った。


太守の宋胄そうちゅう

親愛している呉畿ごきを以て

これに代わらせようとしたが、

李矩は謝絶し、病によって去った。


呉畿は李矩がふたたび戻ってくるのを恐れ、

ひそかに李矩のもとへ刺客を遣わした。

折しもこれを救ってくれた人がおり

そのために免れることができた。


劉元海が平陽を攻めた影響で

百姓は奔走してしまった。

李矩はもとより郷里の人々から

愛されていたため、そこで

塢主に推された。

東のかた滎陽けいように駐屯し、

その後新鄭(しんてい)へ移った。


(註釈)

司州の平陽郡の人。

前漢の曹参そうしんが封じられたところ。


子どもの頃から

指揮官の素養があり

成長すると司馬肜の牙門に。

斉万年せいばんねんが平定されたのが298年。

この時、目立った功績があったらしい。

灌嬰や黄忠みたいに

大将格破るレベルの殊勲だったのかなぁ。


その後、平陽に戻り本郡督護。

軍事統率力を信頼されてる感じの人事。


304年に劉淵が離石で独立。

まだ永嘉年間入ってないけど

こっから「永嘉の大乱」の

線引いていいと思います。


その匈奴漢が後に都とするのが

他ならぬ平陽であった。

この頃の司隷近辺絶対住みたくない。


劉元海載記を見返すと、

永寧二年(305)に離石で大飢饉が起こり

劉淵は黎亭れいていに移って

邸閣から穀物を回収している。

 …中略…

かくて進軍して河東に拠り、

蒲阪ほはん平陽へいようへと侵攻し、いずれも陥した。

…とある。


劉淵が平陽を攻めると

人々はみんな逃げちゃった。


王弥伝だと、

河東やら平陽やらの流民たちは

元々住んでた所で

礼遇されていなかったために

みんなで城邑を焼き払い

二千石の長史を殺して

王弥に呼応した、なんて書かれてる。


李矩は東の滎陽に駐屯し、

「塢主」として抵抗した。


塢壁うへきとは、

中国古代に見られた集落形態の一つ。

もしくは村塢そんうとも記載される。

古くは新末より見られたというが、

特に五胡十六国時代に数多く作られた。

当時、中華には多くの胡人が流入して

漢人を支配していたが、

これを拒んだ者は

険阻な地に逃れて軍事防砦を作り、

自給自足の生活を営んだ。

これが塢壁である〟


by wikipedia


塢壁のリーダーが「塢主」ってわけですな。


流民集団が軍閥化した形というと

「乞活」もいるけど

彼らは一箇所に留まってない。


原文にあるように

洛陽から東に滎陽けいようがあって、

新鄭しんていは、滎陽から

さらに南のあたりです。


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