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淡々晋書  作者: ンバ
第六十三、邵続伝
259/313

五、虜囚の分、釁鼓の刑

5.

季龍遣使送續於勒,勒使使徐光讓之曰:「國家應符撥亂,八表宅心,遺晉怖威,遠竄揚越。而續蟻封海阿,跋扈王命,以夷狄不足為君邪?何無上之甚也!國有常刑,于分甘乎?」續對曰:「晉末饑亂,奔控無所,保合鄉宗,庶全老幼。屬大王龍飛之始,委命納質,精誠無感,不蒙慈恕。言歸遺晉,仍荷寵授,誓盡忠節,實無二心。且受彼厚榮,而復二三其趣者,恐亦不容于明朝矣。周文生於東夷,大禹出於西羌,帝王之興,蓋惟天命所屬,德之所招,當何常邪!伏惟大王聖武自天,道隆虞夏,凡在含生,孰不延首神化,恥隔皇風,而況囚乎!使囚去真即偽,不得早叩天門者,大王負囚,囚不負大王也。釁鼓之刑,囚之恆分,但恨天實為之,謂之何哉!」勒曰:「其言慨至,孤愧之多矣。夫忠於其君者,乃吾所求也。」命張寶延之於館,厚撫之,尋以為從事中郎。今自後諸克敵擒俊,皆送之,不得輒害,冀獲如續之流。

(訳)

石勒は徐光じょこうを使者に遣わし

彼を責譲させて述べた。


「国家(後趙)は符命に応じて乱を治め

八紘は心を寄せている。


旧晋の者は恐れをなして

遠く揚越へ鼠竄してしまった。


しかるに邵続は海阿にて

蟻のように巣に籠もり

王命を跋扈したが、

夷狄(石勒は異民族)では

君とするのに足らぬというのか?

どうして主上を無碍にする事が

かくも甚だしいのだ。


国には常刑がある、

甘楽を分かち合わぬのか」


邵続は対して言った。


「晋末に飢饉と擾乱が起こり

逃げたり訴えたり出来る所もなく

郷里の宗族を糾合・庇護して

老人や子供を保全する事を庶幾こいねがったのです。


大王(石勒)が龍の如くに

飛躍され始めた頃に属して

命を委棄して人質を納めましたが

(私の)誠心誠意に感応されず

慈恕を蒙る事はございませんでした。


旧晋への帰順を告げると

かくて寵愛を荷い

忠節を尽くす事を誓ったもので

実際に二心などはございませぬ。


かつ、かの厚き栄誉を受けながらも

また二度三度とそれに趣くことも

また明朝(あなた様の王朝)では

受け入れられぬのではと恐れております。


周の文王は東夷に生まれ

大禹は西羌から出ております。

帝王の勃興とは

けだしただ天命に属し

徳義の招く所にございまして

どうして常なる事がございましょう。


伏して思いますに

大王の聖なる武は天与のもので

道義は虞・夏の如く隆盛され

凡そ生ける者たちはいずれも

神の如き教化を首を長くして

待たずにはおれません。


皇の風化から

隔たっていた事を恥じており、

況してや、虜囚の身ならば尚更です。


虜囚(私)に真を去らせて偽に即かせ

早くに天門を叩かせなかった事は、

大王が虜囚に負いたためであって

虜囚が大王に負いたためではございません。


釁鼓の刑は、虜囚のつねなる分でありますが、

ただ惜しむらくは天実がこれを為した事で、

どう申し上げれば」


石勒は言った。


「彼の言葉は慷慨に至り、

孤はこれに多分に恥じ入っている。


そもそも主君に対する忠義者は

すなわち吾の求める所である」


石勒は張賓に命じて

彼を館に延引させると

厚く彼を慰撫してやり

やがて従事中郎とした。


これより後、敵に勝ち、

俊英を虜とした諸々の場合は

みな、これ(石勒?館?)に送って

その都度殺害せずに

邵続のように捕える事を冀った。


(註釈)

「俺が異民族だから降らなかったのか!」

と怒る石勒(徐光)に対して

懸河の弁舌で逆に敬意を勝ち取る邵続。


最後のくだりは

諸葛亮の出師表意識してそう。


石勒は忠義者は殺さない方針っぽいので

VIP待遇で迎えられた。

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