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淡々晋書  作者: ンバ
第百、張昌伝
247/313

四、滅亡

4.

是歲,詔以甯朔將軍、領南蠻校尉劉弘鎮宛,弘遣司馬陶侃、參軍蒯桓、皮初等率眾討昌於竟陵,劉喬又遣將軍李楊、督護尹奉總兵向江夏。侃等與昌苦戰累日,大破之,納降萬計,昌乃沈竄於下俊山。明年秋,乃擒之,傳首京師,同黨並夷三族。


(訳)

この年、詔によって

甯朔ねいさく将軍・領南蛮校尉りょうなんばんこうい劉弘りゅうこうが宛を鎮め、

劉弘は司馬の陶侃とうかん、参軍の蒯桓かいかん皮初ひしょらに

衆を率いさせて竟陵きょうりょうにて張昌を討伐させ、

劉喬は一方で将軍の李楊りよう

督護の尹奉いんほうに兵を総括させて

江夏へと向かわせた。


陶侃らは張昌と

激戦を繰り広げて日をかさね、

(陶侃らが)これ(張昌)を大破すると

万を数える降伏者を受け入れた。


張昌はかくて丘沈と(?)

下俊げしゅん山に鼠竄(逃げ隠れる)した。


翌年の秋に結局虜となり、

首は京師へと送られて

同様に支党も揃って

三族皆殺しとなった。


(註釈)

陶侃とうかんが出てきた。

彼は東晋王朝で

重要なポストにつくので

名前を覚えておいてください。


相手が悪かったといえばそれまでだけど、

「侃等與昌苦戰累日」とあるから

陶侃たちは苦戦のすえに

ようやく張昌を敗走させた事になる。

やっぱ張昌はかなり強かったんだ。


魏書15巻に登場した

劉馥りゅうふくの孫、劉弘りゅうこうも登場。

https://estar.jp/novels/25604982/viewer?page=159

羊祜ようこの後釜に座る男が

羊祜の甥(羊伊)の仇を討つために

腰を上げたと考えると、胸熱。


目立たないけど、参軍の蒯桓かいかん

かつて劉表のとこにいた

蒯越かいえつ蒯良かいりょうの子孫くさい。

多分南郡から移ってないんだと思われる。


「尹奉」は三国志にもいたよね?

たしか冀城で馬超と戦ったヤツ。

90年くらい経ってるから

まさか同一人物のわけないが……。


「皮初」も魏書15巻に引用された

「晋陽秋」に記述がありました。

詳しくは上記のリンク先をご覧ください。



最後にンバの個人的評価。


戦闘 ★★★★★★★★ 8


荊州で独自勢力を築き、

江夏太守の弓欽、

新野王の司馬歆、その騎督の靳満、

前将軍の趙驤、平南将軍の羊伊を

立て続けに破り、その版図は

五州に跨っていたとされる。


負け戦は大都督の黄林に任せた時と

ラストだけ。

陶侃らが協力して

ようやく倒せたって感じだったし

相当強いのは間違いないと思う。

王弥、苟晞と同じく★8ということで。



・戦略 ★★★★★★ 6


王弥同様、大衆を扇動するのは上手い。


ただ、縁もゆかりもないやつを

劉氏の末裔として奉戴したのは

ちょっといただけない。

それこそ劉琨級の人材持ってこないと。



・政治 ★★★ 3


従わないやつ皆殺しにしただの

任命していた長官がみんな

略奪を働いていただの

マイナスポイントだらけなので、★3。

反乱指導者でここ高いヤツはそうはいない。



・人格 ★★★★ 4


人望があったというよりは

他に行き場がない人たちを集めて

軍閥化していった印象。

ただ、王弥ほど非道ではないと思う。

★4ということで。



コーエー査定だと


統率 77〜90

武力 77〜90

知力 54〜75

政治 10〜32

魅力 38〜64


こんな感じ?

統率と武力は90超える可能性ありそう。



続いて顧雍こようの孫、顧栄こえい伝。

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