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淡々晋書  作者: ンバ
第六十一、苟晞伝
233/313

三・四、身内とて容赦せん!/貴人への阿り

3.

晞練于官事,文簿盈積,斷決如流,人不敢欺。其從母依之,奉養甚厚。從母子求為將,晞距之曰:「吾不以王法貸人,將無後悔邪?」固欲之,晞乃以為督護。後犯法,晞杖節斬之,從母叩頭請救,不聽。既而素服哭之,流涕曰:「殺卿者兗州刺史,哭弟者苟道將。」其杖法如此。

(訳)

苟晞の官務は練達されており

帳簿が満ちるほど積み重なっても

裁断は流れる如くであったため

人々は思い切って

不正をしようとは考えなかった。


苟晞の従母はこれに依り

奉養される事が甚だ厚かったという。


従母の子が将にして欲しいと頼んだが、

苟晞は拒んで言った。


「吾は王法を以て人を※寛貸する事はない。

後で悔やむのではあるまいな?」


(※見のがす)


それでも頼み込んだので

苟晞はそこで彼を督護にしてやった。


後に法を犯した際、

苟晞は節をついて彼を斬り、

従母が叩頭して助命を請うも

聞き入れることはなかった。


その後、素服にて哭礼を行い、

流涕して言った。


「卿を殺したのは兗州刺史、

弟の為に哭いているのは苟道将だ」


苟晞が法に則る(厳格さ)は

かくの如くであった。


(註釈)

戦が強いだけじゃない、

事務もバリバリにこなせる。


法の運用に対しては超厳格で、

身内でも容赦なく処刑する。


ただ、身内の子を処刑した時は

後でギャン泣きして


「公人としてお前を処刑したが

苟晞という一個人としては涙が止まらん」


と述べていた。


割と賈逵に近いタイプかな?

ケースバイケースの

柔軟さも大事だと思うけど。


4.

晞見朝政日亂,懼禍及己,而多所交結,每得珍物,即貽都下親貴。兗州去洛五百里,恐不鮮美,募得千里牛,每遣信,旦發暮還。

(訳)

苟晞は朝政が日ごと乱れてゆくのを見て

禍が自身にまで及ぶ事を懼れ、

多くの所と親交して

その都度珍物を得ると、

即座に※都下の親しい貴族へ贈った。

(※この場合の「都」は全部の意かも)


兗州と洛陽は去ること五百里、

鮮美でなくなることを恐れて

千里を行く牛を募ると

毎度書信を遣って

朝に出発、暮れに帰ってきていた。


(註釈)

朝政が完全に瓦解する前に

貴族に媚びを売っておくの巻。


晋って割と統一前から

ガタガタだった気がする。

呉を滅ぼしたようで

滅ぼせてないイメージ。


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