表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
淡々晋書  作者: ンバ
第六十一、苟晞伝
232/313

一・二、八王の狭間に佇む/韓信・白起の再来

石勒載記序盤の難敵、

白起・韓信に比された苟晞こうき伝です。

1.

苟晞,字道將,河內山陽人也。少為司隸部從事,校尉石鑒深器之。東海王越為侍中,引為通事令史,累遷陽平太守。齊王冏輔政,晞參冏軍事,拜尚書右丞,轉左丞,廉察諸曹,八坐以下皆側目憚之。及冏誅,晞亦坐免。長沙王乂為驃騎將軍,以晞為從事中郎。惠帝征成都王穎,以為北軍中候。及帝還洛陽,晞奔范陽王虓,虓承制用晞行兗州刺史。


(訳)

苟晞こうきは字を道将どうしょう、河内山陽の人である。


少くして司隷しれい部の従事となり、

校尉の石鑒せきかんからその器量を重んじられた。


東海王・司馬越の侍中となり、

招引されて通事令史つうじれいしとなり、

陽平ようへい太守に累進した。


斉王・司馬冏しばけいが朝政を補佐すると

苟晞は司馬冏の軍事に参画した。


尚書右丞に拝され、左丞に転任して

諸曹の取り調べ、査察の立場となると

八坐以下の者はみな側目して

苟晞の事を憚った。


司馬冏が誅殺されるに及んで

苟晞もまた連座で免官となった。


長沙王・司馬乂しばがいは、驃騎将軍となると

苟晞を従事中郎とした。


恵帝が成都王・司馬潁しばえいを征伐すると

北軍中候となった。


帝が洛陽へ帰還するに及んで

苟晞は范陽王・司馬虓しばくのもとへ走り、

司馬虓は承制して

苟晞を行兗州刺史に用いた。



(註釈)

武帝司馬炎が亡くなったあと、

超グダグダの八王の乱の時期ですね。


もう、流れ見てるとバカバカしくって

八王の事績とかいちいち

覚える気になれません。

(歴史クラスタにあるまじき発言)


ど貧乏の出身であり、

バカ八王の間を転々とする苟晞こうき


どいつもこいつもすぐ潰れるから

新しい就職先見つけるのが大変そう。


2.

汲桑之破鄴也,東海王越出次官渡以討之,命晞為前鋒。桑素憚之,於城外為柵以自守。晞將至,頓軍休士,先遣單騎示以禍福。桑眾大震,棄柵宵遁,嬰城固守。晞陷其九壘,遂定鄴而還。西討呂朗等,滅之。後高密王泰討青州賊劉根,破汲桑故將公師籓,敗石勒于河北,威名甚盛,時人擬之韓白。進位撫軍將軍、假節、都督青兗諸軍事,封東平郡侯,邑萬戶。

(訳)

汲桑きゅうそうぎょうを破ると

東海王・司馬越しばえつ

その討伐のために出撃して

官渡かんとに宿次し、

苟晞に先鋒となる事を命じた。


汲桑はもとよりこれを憚っており、

城外に柵を設けて自衛した。


苟晞がまさに至らんとすると

軍を留めて兵士を休ませ、

まず単騎を遣って禍福を示した。

(戦って禍を選ぶか、降って福を選ぶか)


汲桑の一団は大いに震え上がり、

柵を捨てて夜中に遁走すると

籠城して守りを固めてしまった。


苟晞はその九つの砦を陥落させ、

遂には鄴を平定、奪還した。


西に呂朗りょろうらを討ち、これを滅ぼした。


その後・高密こうみつ王の司馬秦しばしん

青州の賊、劉根りゅうこんを討つと

汲桑ともとの将、公師籓こうしはんを破り

石勒せきろくを河北に敗走させたので

苟晞の威名は甚だ盛んとなり、

当時の人は韓信かんしん白起はくきに擬えた。


位は撫軍将軍、仮節、

都督青兗諸軍事まで進み、

東平とうへい郡侯に封じられ、食邑は万戸となった。


(註釈)

司馬潁しばえいの復讐を挙兵の名分にしていた

公師籓こうしはん汲桑きゅうそう石勒せきろく

こてんぱんにした苟晞と司馬越。


石勒載記見る限りだと

石勒VS苟晞は

かなりいい勝負だったんだけど

司馬越の加勢で一気に形勢逆転。


普通の賊相手だったら

これで二度と浮き上がってこれない

どころか、トドメ刺してただろうけど、

石勒はその「普通」から

一番縁遠い存在だったのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ