まとめ
最後に、ワシの個人的な羊祜評です。
・戦闘 ★★★★★ 5
まともな戦闘描写が、陸抗戦と
陳尚・潘景切った二回のみ。
ゲームの三國志だと
統率90くらいいってるので
もっとバリバリ戦ってるのかと思ったら
思ったよりずっと少なかったです。
歩氏が反乱起こした時は
羊祜の兵は8万で、陸抗は3万足らずなのに
後手後手に回って全く見せ場を作れず。
その印象がどうにも悪すぎる。
仕官してからは魏帝に付かず離れず
赴任してからは釣りしてたので
実は軍事に関しては素人なのでは……。
これでは高い評価にはできません。
原点のまま★5とします。
・戦略 ★★★★★★★ 7
戦闘が苦手な分は搦め手で
カバーしてた感があります。
陸抗と戦った時は、見破られたけど
いちおう虚報を流したりしていた。
境域を侵犯してた名無し武将を
更迭させたのとか、地味に凄いことしてる。
実は、陸抗にも同じ作戦を
使っていたのではないだろうか。
実際、孫皓から陸抗に
「マジメにやらんか!」的な策命が来てるし。
「陸羊の交わり」は
陸抗とまともにやり合ったら
絶対勝てないと判断して
徹底的に友好を貫き、
孫皓の癇癪に火が着くのを待つ
羊祜の遠大な計略だと思いました。
陸抗が更迭されたら上の成果。
現状維持でも、窮屈な政界に
連れ戻されるよりはいいので中の成果。
一番まずいのは、難敵陸抗が
積極的に攻めてくる事なので
とにかく紳士的に、仏でいる必要があった。
優しい治世で呉に厭戦気分を蔓延させ、
いざ呉攻めになったら、
どんどん敵が降伏してくる土壌を作ろうとした。
……のかもしれない。
孫皓が暴秦で、自分は劉邦だ。
・内政 ★★★★★★★★ 8
100日分の蓄えを、
1年で36倍にした。
本心はどうあれ敵にすら尊敬される
安定した治政でした。
・人格 ★★★★★★★★★ 9
比較されたのが楽毅、諸葛亮、
伯夷、叔斉、柳下恵、蕭何、
皋陶、管仲、召公奭、韓宣士と
凄い人たちばっかしです。
西晋の政界という至極生きづらい環境で
出る杭になってしまわないように
一生懸命つましく生きた羊祜。
そのなんパーセントか演技であっても
驕らぬ姿勢を死ぬまで貫く事は
やはり元から清廉な人物でないと
できる気がしません。
病気で体に限界が来るまで
羊祜は決して中央に戻ろうとしなかった。
本当に、姉さんの葬式でもなければ
帰る理由も見当たらないくらいに
醜い宮廷闘争が、心の底から嫌いな人なんだ。
堕涙碑のエピソードみて
★10でいいかなぁと思いましたが、
まだ見ぬすごい人格者が
いるかもしれないので、★9とします。
五胡十六国時代をざーっと見てみて
羊祜以上がいなかったら★10にします。
戦闘はイメージほど強くなく、
西晋きっての人徳を謳われた
羊祜伝でした。




