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淡々晋書  作者: ンバ
第三十四、羊祜伝
210/313

まとめ

最後に、ワシの個人的な羊祜評です。



・戦闘 ★★★★★ 5


まともな戦闘描写が、陸抗戦と

陳尚ちんしょう潘景はんけい切った二回のみ。


ゲームの三國志だと

統率90くらいいってるので

もっとバリバリ戦ってるのかと思ったら

思ったよりずっと少なかったです。


歩氏が反乱起こした時は

羊祜の兵は8万で、陸抗は3万足らずなのに

後手後手に回って全く見せ場を作れず。

その印象がどうにも悪すぎる。


仕官してからは魏帝に付かず離れず

赴任してからは釣りしてたので

実は軍事に関しては素人なのでは……。


これでは高い評価にはできません。

原点のまま★5とします。




・戦略 ★★★★★★★ 7


戦闘が苦手な分は搦め手で

カバーしてた感があります。


陸抗と戦った時は、見破られたけど

いちおう虚報を流したりしていた。


境域を侵犯してた名無し武将を

更迭させたのとか、地味に凄いことしてる。


実は、陸抗にも同じ作戦を

使っていたのではないだろうか。

実際、孫皓から陸抗に

「マジメにやらんか!」的な策命が来てるし。


「陸羊の交わり」は

陸抗とまともにやり合ったら

絶対勝てないと判断して

徹底的に友好を貫き、

孫皓の癇癪に火が着くのを待つ

羊祜の遠大な計略だと思いました。


陸抗が更迭されたら上の成果。

現状維持でも、窮屈な政界に

連れ戻されるよりはいいので中の成果。


一番まずいのは、難敵陸抗が

積極的に攻めてくる事なので

とにかく紳士的に、仏でいる必要があった。


優しい治世で呉に厭戦気分を蔓延させ、

いざ呉攻めになったら、

どんどん敵が降伏してくる土壌を作ろうとした。

……のかもしれない。

孫皓が暴秦で、自分は劉邦だ。



・内政 ★★★★★★★★ 8


100日分の蓄えを、

1年で36倍にした。


本心はどうあれ敵にすら尊敬される

安定した治政でした。



・人格 ★★★★★★★★★ 9


比較されたのが楽毅がくき諸葛亮しょかつりょう

伯夷はくい叔斉しゅくせい柳下恵りゅうかけい蕭何しょうか

皋陶こうよう管仲かんちゅう召公奭しょうこうせき韓宣士かんせんし

凄い人たちばっかしです。


西晋の政界という至極生きづらい環境で

出る杭になってしまわないように

一生懸命つましく生きた羊祜。


そのなんパーセントか演技であっても

驕らぬ姿勢を死ぬまで貫く事は

やはり元から清廉な人物でないと

できる気がしません。


病気で体に限界が来るまで

羊祜は決して中央に戻ろうとしなかった。

本当に、姉さんの葬式でもなければ

帰る理由も見当たらないくらいに

醜い宮廷闘争が、心の底から嫌いな人なんだ。


堕涙碑のエピソードみて

★10でいいかなぁと思いましたが、

まだ見ぬすごい人格者が

いるかもしれないので、★9とします。

五胡十六国時代をざーっと見てみて

羊祜以上がいなかったら★10にします。



戦闘はイメージほど強くなく、

西晋きっての人徳を謳われた

羊祜伝でした。


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