13話
「はい」
俺は携帯を耳に当てて、そう電話相手に用件を尋ねる。
『ごめんなさい、楽しいデート中に』
「何でお前が俺のプラベートを把握しているのかは今は横に置いておこう」
『置かずに捨てて』
「用件は」
俺は戸松の個人的用件を蹴り飛ばし、本当の用件を早く言うように促す。
今まで掛かってきた電話は、個人的な質問と、冷やかし位だ。だが戸松は俺の予定を把握しているかのように、都合に良い時にしか電話は寄越さなかった。
こんな時に、俺のプライベートを侵害するこの時間帯に電話が掛かってくるということはそれなりに重要な用件が遭ったに違いない。
『明後日の午前一時、学校に集合、って』
「……知っていたか、この学校はその次の日に実力テストがあるんだぜ」
月道高校は、今どき春休み直後、夏休み直後、冬休み直後、長期間にわたる休みのあった、一週間後ほどに本当に宿題をしてきたかの確認テストがある。でも何故か名前が確認テストではなく、実力テストなのだ。
『わたしは関係ないもん』
「大ありだろっ!!」
俺は戸松のバカな発言に盛大なツッコみを進呈する。
しかし今はそんな話をしているのではない。
「……で、何があったんだ」
『えぇ、わたし達の学校に、月道高校に政府のスパイがいる可能性があるの』
「はっ!?」
僕は驚きの回答に、大声を出してしまう。
「どういうことだよ?」
僕は声を潜めて、訊く。
『わたしは時々学校でも仕事をしているの、放課後とか。でもある戦で、まるっきりわたし達の作戦がバレてたの。それも二回も……』
その時間帯の仕事はあまりにも危険だな、と思いつつ、話を聞く。
「ほう、だからもしかしたら、スパイに見られていた可能性があると?」
『えぇ、だから誰もいない学校で、確かめるのが今回の仕事よ』
「でもどうやって?」
『さぁ、そこら辺の事は全て澪の仕事』
えぇ!? あの人そんな細かそうで、めんどくさそうなことができてしまうのか!? 俺は心底驚く。
『……今酷い事思ったでしょ』
「イエ、ナニモ」
俺は焦りながら、平常心を何とか保ちつつ、そういう。
『まぁ兎に角、さっきに時間に学校に集合すること』
「へいへい」
俺は嫌そうに返答をし、電話を切る。
めんどくさそうだな……。
あれ、そういえば、俺の仕事とは一体何なのだろうか? まぁいいか。
俺はそう適当なことを心で呟き、琴音の下へと戻る。
途中、有美が俺と衝突して、何やらわけの分からないことをくっちゃべって、一目散に逃げていったが気にしないでおこう。うん。




