戦闘開始
テンション上がったから3000文字。
「で、前田君」
「なんです?」
「もし生徒たちが生意気な事言ってきたらどれぐらい叩き潰せばいいと思う?」
「……本気でやったらあの子たち仏さんになりますしねぇ」
18世紀の大砲すら耐えれないからなぁ……もろ過ぎて泣けるわ。
「まぁ全員対1で錬成術なしドーピングあり武器ありくらいでいいんじゃないですか?」
「えー……ゴーレム禁止って面倒臭いんだけど」
「でもあんたゴーレム使うったら消耗戦で相手消費させてから叩き潰すでしょ?」
「もちろん。というかそんな事態にならないことがいいんだけどなぁ」
これは紛れもない本音である。生徒に暴力は極力振るいたくない。大人として当たり前だよなぁ?
「さて、そろそろ朝のHRの時間だな」
「じゃあ俺はCクラスなので」
「おう、頑張れよー」
はぁ……憂鬱だなぁ
で、教室の前。他の教室とは明らかに違う作りになっていることが分かる。ほぼ魔力の塊だコレ。
校長が適当に魔法ででっち上げたな。
校長は大体の魔法を使う事が出来るため、おそらく教室をまるごとコピーして再現したんだろう。錬金術師の立つ瀬がないな。
新品同然のドアを開けて中に入る。
――なんだコレ。カオス。カオスの極みだわ。
なんでタバコ吸ってる奴いるんだよ。というか金髪縦ロールの奴とか本当にいたんだな。別の世界の話だと思ってた。そしてなんか異常に強そうなオーラ放ってる奴いるし。というか全員髪の色凄いな。色の展覧会じゃねぇんだぞ。
……全員の能力はある程度把握できた。錬金術の本質は物質の変換である。変換するにはまずその変換前の物質の性質を知らなければならない。よって相手を見抜く観察眼も非常に鋭くなる傾向にある。
なんだよ時間停止とか。チートすぎるわ。
相手に攻撃されるだけステータスが倍加していくとか相性次第じゃ無理ゲーだろ。
しかもなんだ?相性の切り替えとかふざけんな。
……インチキ効果も大概にしろってんだよ。まぁ勝てない事はないがな。
「皆さんの担任になりました。土田成夫と言います。これからどうぞ一年間よろしくお願いしますね」
かなり丁寧に挨拶したから問題はないはずだ。
「なんだー。普通そうな男じゃん。大した事ないねー」
金髪縦ロールがそうほざく。戦闘系じゃない癖に何言ってんだこいつは。お前の能力は探知系だろ。
というかこいつ相手の能力とステータス知っただけで大した事ないって決めつけるとかとんだ素人だな。
で、こいつの対処は無視の方向で。こういうのはかかわると大抵面倒くさいことになるのだ。
「では、朝のホームルームを始めます」
ホームルーム終了まで、何度か文句とか出て青筋が浮かんできそうだったが大人の自制心でそれを抑える。
「では、質問のある人は?」
「はーい!」
金髪縦ロール死ね。いい加減うざいんだよそのキャラ作りやめたらどうだ?というか高校デビューしたいからって髪染める必要もないだろ。というか茶髪から金髪って大分思い切ったな。
「先生ってー、実際どれぐらい強いんですかー?」
こいつが何を言っても煽ってるようにしか聞こえないのはギャル的なアレだろうか?
「錬金術師に強さ聞きますかね?まぁエンシェントドラゴン程度なら倒せますけど」
エンシェントドラゴンとは、教師になるためのラインの一種である。これを倒せたら一流の教師である。
エンシェントドラゴンは魔王城周辺に数十匹いたのでまとめてお得意のICBMで蒸発させた。
ついでに素手でも倒せる。3体同時に相手するのが限界だけど。校長は20匹くらいなら初等魔法で倒しきるんじゃないか?
「へー。中々強いんだー?」
探知系でこっちのステータス知り尽くしてての発言とは思えんな。そっちの能力がバレないとでも思っているのか?
「じゃあさー。このクラスの人達と戦ってくださいよー」
敬語なのかうざったらしいのかようわからん。いやウザいな。というかこいつらと何故戦わなければならないのか。これが分からない。
「えー……そういうのは後にしていただけませんか?授業の時間もありますので」
「へー。逃げるんだー。教師の癖にー?」
(゜Д゜)ウゼェェェ こいついい加減諦めろよ。
「いや、こちらにも授業というものが……」
「じゃー俺ら戦うまで授業ボイコットしますー」
いかにもバトルジャンキーというかスリルジャンキーというかそんな奴がそんなことを言うと、周りの奴らもそれに賛同しはじめる。
やれ『実力の不確かな教師に授業は務まらない』だの『臆病者に教わる授業はねえ』だの好き勝手いいやがって。
真面目そうな子もそんな雰囲気に流されるというか真っ先に賛同している。所詮実力主義の世界なのか。
「ちょっと待ってくださいね」
教室からいったん出る。教室の中から『おい、逃げるのかー?」などと言う声が聞こえてくるが無視。
校長室に向かい、校長に直談判?をする。
「校長先生、ナマ言ってるクソガキども血祭りに上げたいんですけどOK?」
「えっ」
「一回ぶっ殺さないと授業ボイコットするって言うんで、いやー仕方ないですよねー」
「えぇ……」
「と言うわけでOKを出してください。ポーションの供給減らしますよ」
「OK(即断)」
ポーションを盾に取れば校長なんてスライムよりも簡単に倒す事が出来るのだ。
で、怒りのままに3階のSクラスに向かい、ドアを開ける。
「おい、クソガキども。校庭へ出ろ」
「えー?なんで臆病者の指示なんかに「――出ろ、と言ったはずだが?」はいはい。分かりましたよーだ」
とりあえず全員を表に出す事に成功した。
「おい、覚悟はできてるか?」
「先生こそ恥をかく覚悟はできてるんですかー(笑)」
クッソ…殺すぞ。殺しても蘇生できるからな。
「それじゃあルールを「ルールなんて必要なのか?」え?」
真面目そうな女子の言葉をワイルド系男子が遮る。
「ルールなんてない、生徒対先生じゃダメなのか?と言っているんだ」
「ほう、なんでもありか」
こいつら……自分等でルールを決定しようとするとかこっちを完全に見下してんな。
で、その意見が大多数を占めたので、こちらに方を向く。
「それじゃあ先生。ルールは無しでお願いします」
一応最低限の礼儀は持っているんだな。感心したよ。
「臆病モンに敬語なんて使わなくてもいーんだよ」
サルみてぇな奴がそう言うと、その女子生徒は『む。そうだな』と言って納得してしまった。
「……かかって来い。潰してやる」
「へー。チキンの癖にそういう事だけは言っちゃうんだー」
……さて、殺すか。初動は相手に譲ってやる。
「じゃあ遠慮なしにっと」
サルがアクロバティックな動きでこちらに向かってくる。バク転。側転。空中ダッシュなどを多用しながら近づいてくるため、非常に予測しにくい。が、そもそも狙いは俺だと分かっているので問題はない。
他の生徒たちが動く様子はない。様子見、という奴か。まぁいい。
サルは周囲を回りながら大量のフェイントと共に本命の攻撃を混ぜてくる。で、それを全て紙一重で回避しているように見せかける俺氏。
それを何度も繰り返し、そろそろサルも飽きたのか、決めようと一瞬溜めの動作に入る。
「これでも――」
一瞬の溜め動作の後、もの凄い速度での突進。サルのようなしなやかな動作と体の柔らかさをフルに活用した突進。並のドラゴンならコレだけでも決着がつきそうな程の威力がある。
「食らえ!」
だが、その攻撃は無意味だ。俺の使う拳法は八極拳の最大射程は腕の範囲内。
突進というからには最大限風の抵抗を受けないように体を低くしている。
音速を超えたサルの突進。体を低くすることにより相手の攻撃手段は限られ、上段や中段の技ではかすりもしないだろう
――今回はそれが仇となる。
サルを震脚の要領で全力で踏みつける。
背骨をへし折り肋骨を圧壊させ、肺の機能を停止させる。
「カハッ」
そのような音を出して一切の呼吸をやめるサル。ついでに脳は生きてるし心臓も生きてるから死んではいない。
サルの亡骸(死んでないけど)を蹴り飛ばし、そこらへんに投げ捨てる。
「どうした?次、かかってこい。全員でも、構わんぞ?」
ついでに主人公は拳法とかは基本的に全てこなせます