第24話 いじめと一凜2
さて現場に透明状態で同席していた神の使いナムサンの3人は黙ってやりとりを見学していた。
署長はテレパシーでナムサンの三人に話しかけた
「おい今すぐこの親父の車燃やせ」
「えー?いいの、そんなことして」
「少しお灸を据えてやる」
「あはは、了解、今日の姫様、怒ってるなぁーあはは」
調べで親父さんの身元が割れ、署長は、すぐさまテレパシーを使い、きたいち興信所の厳じいに戦闘の準備をして住所の家に行くように連絡を入れた。
署長が凄む
「おい、お前、さっきから生意気な口をきくな、どこのもんだ」
その男は地元で組員が10名・予備軍が10名ほどのスジものだった。
「てめぇこそ、どこの警察官だ、こっちには弁護士がついてんだ、訴えるぞ、この無法ポリス」
警官によっては、ここで態度が和らぐ時もあったので、この親父さんは、内心これで収まってくれないかと思っていた。
そこへ、あっという間に、そのスジものの家に到着したと
厳じいからテレパシーが入った。
署長が言う
「随分と自信満々だな、訴えるとは恐れ入ったよ、その元気が明日もあったら、訴えればいい
おい少年、お前のオヤジがこれからどうなるか、ちゃんと見ておけ・・・
ところで、そこで燃えてるの、お前の車じゃないか?」
メラメラと炎を上げ車が燃えている。
「ミキ、消防車呼んでくれ」
「了解」
この頃になると
「なんだ、なんだ」と近所から野次馬が集まってきた。
スジものの親父さんが振り返ると自分の愛車が燃えている。
「あっ!、なんだこりゃあーてめえらぁー」
ここで親父さんは内心『何か変な具合だな』と思ってきた。
署長は
「なんのことか、さっぱりわからんなぁ証拠でもあるのか整備不良で乗ってたんじゃないのか、逮捕するぞ」
「ガキに因縁つけて、こんな事までしやがって、いいか覚えてろ、
後悔するぞコラァー!」
見栄を張って無理して買った、その外車は、まだ支払いが、たっぷり残っていて親父さんは内心、かなり動揺しており
『この婦人警官はひょっとして、やり手の警察官なのか?』と見慣れない階級章を見ながら不安になってきた。
「コラァじゃないよ、お父さん、子供の前なんだから、今ならまだ間に合うから、うちの署長に謝んなよ、ヒットマン来てからじゃ遅いよマジで、まだ間に合うから、絶対、謝ったほういいって!」
ミキが説得した。
「あぁ・・・なんだあ?署長?こいつがぁ?誰が謝るか、ばかやろう」
親父さんは何かマズイかなと思いながら言ってしまった・・・
署長は両手を腰に当て思い切り親父さんの目を正面から睨みつけた。
そして親父さんの自宅前に待機していた厳じいにテレパシーで命令した。
「厳じい、インターホン鳴らして家の者、外に誘い出せ」
「はいよ」
「焼夷弾ぶち込んで家燃やしちまえ」
「えー?ファイヤーカノンはあるけど、いいのかい?
今日は荒れんてんね署長、あはは、了解」
「おい親父さんよ、まだ元気だな、私をこいつ呼ばわりしたのは
一生忘れんぞ、でも今頃、お前の家も燃えてるんじゃないか?」
「なに、コラああっ!」
そこへ威勢のいい親父さんのスマホが鳴った。
公衆電話からだった。
「なんだお前か、なんだあ、今、取り込み中だ、あとで・・・
なぁにーぃいー」
相手は親父さんの女房だった。
「あんた、インターホン鳴ったと思ったら、いきなり家の二階がドカンって爆発して、燃えてる燃えてるよォーあんたあ聞いてんの?あんたあっ!!」
「えぇー・・・」親父は混乱してきた。
まさか・・・一体どうなっているんだ、警察が火を?・・・
今にも大爆発しそうな車が炎上する現場の消火活動に
函館南消防署から消防車・ポンプ車・特殊レスキュー班が到着し、
慌ただしく動き回り、南署からも増援部隊が到着して、
近隣の安全確保と交通整理に周辺は大騒ぎになった。
その間、署長は、サンさんにテレパシーでこの親父の所属する
組の東京本部に函館南警察と名乗った上で丁寧にお話をして
函館にある親父さんの組に
「今すぐ破門状を出せ」と連絡を入れるように命令した。
やがて仁王立ち署長のスマホが鳴った。
「はい、えぇ、そうなんです、おい、お前に電話だ」
署長は自分のスマホを生意気な親父さんに差し出した。
親父さんが不思議に思いながら署長のスマホを受け取ると
組の東京本部からだった。
「中込だ、おい、真田、えらいことしてくれたな、
相手が悪いぞ、お前の組、たった今、破門状でたから、
もうこれ以上迷惑かけないでくれ」ブツリと電話が切れた。
署長は、ゆっくりとホルスターから回転式拳銃『南部S5タイプ』を抜いた。
親父さんの顔色は真っ青になった。
鬼のような顔の署長がスマホを奪い返し
『真田』という親父さんに拳銃を向けて凄んだ。
「さぁ、どうすんだ、訴える元気まだあんのかあ!逮捕だあ!
容疑は危険物所持及び車と自宅への放火容疑、それと警察官脅迫の容疑、まだまだあるぞー、今から事務所ガサ入れするからなぁ、おい機動隊っ!この親子、署に連行しろーっ!」
組事務所には密漁の帳簿と売春の帳簿や闇金の契約書と違法薬物、隠してはいたが『トカレフ』も5丁置かれたまんまだった。
ここで初めて『真田』は自分の手が震えているのに気がついた。
その手は後ろに回り、真っ黒い手錠がギュッと掛けられた。
周囲には激しくパトランプが回転してパトカーと消防車が消火活動中、めったにない光景にTV局まで、すっ飛んできた。
もう生意気な少年は目が点になって、大人しくなっていた。
宮田が優しく少年に言う
「だいじょうぶ、大丈夫、すぐ家かえれるか・・・あ、そっか、今日はホテルかな・・・とにかく「いじめ」素直に認めて謝んなさい、お父さん大変なことになっちゃったからね・・・・もうイジメなんかしちゃダメヨ」
また一つ、函館の悪が消えた。
「それから、明日、ちゃんと学校に行くのよ。
で、今日イジメてた子に謝るの、ごめんなさいって
二度としませんって謝るの、勇気を出してね・・・
それと、これ私の名刺、困ったことがあれば、今度からお姉ちゃんが助けてあげる。君、名前なんていうの?」
「さなだまさあき・・・」
「わかった、謝ったらお姉ちゃん、まさあきくんと、お友達にも仲直りの、お話するから絶対連絡ちょうだいね、待ってるから、ここに連絡するのよ」
ミキは名刺を渡した。
「うん」
少年はいつものように、おやじをバックにいきがっていたら
大変なことになってしまった。
ボロボロと泣いて自力で歩けなくなってしまった。
翌日、学校で少年、真田正明君は昼休みに勇気を出して
「もう二度とイジメたりしないので、ごめんなさい」と、教室のみんなが見守る中で昨日イジメていた子に謝った。




